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私の中で茨城県のイメージは、廃線跡をそのままサイクリングロードにした「りんりんロード」。このBlogでは何回も登場しているのでお馴染みですが、土浦から水戸線の岩瀬駅へとのびる、全長約40kmのド直線道。
走りやすく、距離も手頃なので昔は何度か行っていましたが、山に取り憑かれた昨今、何もない平坦道にあまり魅力を感じなくなり、すっかり足が遠のいています。
そんなりんりんロードの途中に現れるのが筑波山。ド平坦が基本なつくば一帯で、唯一と言っていい本格的な山という事で、茨城のサイクリストには人気があるそうな。実はレポ漏れしてしまっている過去のライドで、この山に存在する不動峠・風返峠なども登ったことがあるのですが、難易度的には飯能の山伏峠や、八王子の入山峠と似たレベル。
ヒルクラ入門的には良い山だと思いますが、発狂するほど長いわけでも、笑えるほどの斜度が出てくるわけでも、眺望が特に素晴らしいわけでもなく……飯能や奥多摩の強烈な個性を放つ峠達と比較すると、やや見劣りするのが正直なところです。
ただこの筑波山、「ド平坦な平野の中に、ポツンと存在する大きな山」というイメージを抱きがちですが、GoogleEarthで見てみると、実は北方向に別の山が連なっているのがわかります。つまり、筑波山の裏側には、まだ山が続いている……というわけです
そんな連なりに興味を持ったのが、お馴染みのトミィさん。つくば駅からスタートし、その山々を制覇しつつ、グルっと戻ってくるルートを引っ張ったところ、山不足と言われるつくばでも、獲得標高1,600mの、なかなか立派なヒルクラルートが完成。走ってみないかと誘われたので、挑戦する事にしました。
りんりんロードまでは何度もレポしているのでバビュンと割愛。秋葉原からつくばエクスプレスに乗り込み、つくば駅へ。都心を抜ける輪行は大変なイメージがありますが、秋葉原駅は広いのと、つくばエクスプレスの始発駅であるため、それほど難易度は高くありません。新宿駅から小田急線で輪行するのが意外となんとかなるように、混雑する都会の駅でも、路線の始発・終点を織り交ぜればスムーズな輪行は可能です。
参加メンバーはキルハさん、トミィさん、私。Deroさんもトランポで来る予定でしたが、途中渋滞に巻き込まれてしまったようで、大幅に遅れそう。「先にスタートしてて」というツイートが来たので、「まあDeroさんなら我々が1時間くらい先にスタートしても余裕で追いついて来そうだし、何なら筑波山まで車で来てもらってもいいし」と、とりあえず3人でつくば駅をスタートしました。
筑波山までは、平地のりんりんロードを楽ちん巡航……のハズでしたが、スタート直後から凄まじい向かい風。ビュービューゴーゴー耳鳴りが凄くて、皆の声も聞こえないほど。遮蔽物がまったくないりんりんロードで、この強烈な向かい風は拷問以外のなにものでもありません。ペダルを回しても巡航速度は落ちるばかり。荒川峠ならぬ、りんりんロード峠。筑波山まで足を貯めるどころか、筑波山が見えた頃にはヘトヘトになっていました。
Deroさんを待ちがてら、筑波山のふもとにある沼田屋というお店に。ここはまんじゅう屋さんで、なんでも「カリントウ饅頭」なるものが有名なんだとか。このカリントウ饅頭、要するに「饅頭を揚げたもの」で、形状が小判のように細長いので、黒く揚がった饅頭がカリントウのように見える……というもの。
「温泉まんじゅうみたいな味かなぁ?」と予想しながらかぶりついてみると、外はサクサク、中はしっとりアンコの絶妙なハーモニー。普通の饅頭のようにモチャモチャした感覚がまったくなく、サックリとした食感が実に美味。甘さも控えめで味わいもスッキリ。気を抜くと何個でも食べられてしまいそうですが、1個あたりのカロリーは148kcalとなかなかのもの。2個も3個も食べてしまうと、りんりんロード峠で消費したカロリーを簡単にオーバーしてしまいます。
逆に、細長くてポケットにしまいやすいので、ロードバイク乗りの補給食としてもすこぶる良さそうです。
しばらく饅頭を食べながらTwitterを見ていると、Deroさんが追いついてくるのはまだ時間がかかりそう。筑波山の頂上に休憩所もあるそうなので、先にヒルクラをして、そこで待つ事にしました。
沼田屋さん側からのヒルクラは、初めて筑波山に来た時に、ちゃーさん(茶川さん)達と登ったルート。(とは言え、ちゃーさんやゆっこさん、まっつーさんは最初のカーブを過ぎた蕎麦屋あたりまでしか登っていないけれど(^_^;)
筑波山神社にアクセスする、もっとも一般的なルートゆえ、クルマが多く、走りにくいコースです。ただ、辟易するほど長くもないので「クルマ怖いなぁー」とか言いながら、ダラダラクランクを回し、ほどなくしてクリア。今日のライドはここから先が長いので、あまりハッスルするわけにもいきません。
休憩所で、美味しそうな五目おにぎりと緑茶をゲット。皆でモグモグやっていると……
お、お待たせしました……
はやいww
筑波山まで車で乗り付けてもいいよと提案しましたが、予定通りつくば駅に車を止め、ここまでロードでカッ飛んで来たDeroさんが登場。しかし、さすがの彼もも、向かい風とヒルクラの連続パンチには疲れた様子。とりあえずオニギリ食べて、まったり休憩してもらいます。
ここからのルートは、神社の前の道を走り、筑波山ロープウェイの駅へ寄り道。さらに筑波山の奥にある“きのこ山”(528m)、“足尾山”(628m)、加波山(709m)を制覇するように進んでいきます。
まずロープウェイのつつじヶ丘駅までのヒルクラ。神社を過ぎるとクルマは少なくなり、走りやすくなりますが、斜度が急激にアップ。10%に近い場所もチラホラでてきて、ヒーヒー言いながら進みます。大きく膨らんだり、蛇行するわけにもいかないので地味にキツいです。
ほどなくして、つつじヶ丘ロープウェイ駅への分岐点が登場。ロープウェイ駅はさらに山を登ったところにあり、同じようなキツ目の斜度が続きます。しかし、この道は眺望抜群。筑波山神社付近より遠くまで見渡す事ができ、気分爽快。筑波山神社で終わりにせず、ここまで登った方が、景色的なご褒美はたくさん得られそうです。途中にはループゾーンもあり、見応えもあります。
このゾーンをクリアすると、しばしのダウンヒル。クルマの数はさらに減り、森が深く、静かな雰囲気になっていきます。
ほどなくして、きのこ山へ向かう小道へ……。曲がると目に飛び込んで来たのは、落ち葉が敷き詰められた、薄暗い林道(?)。
なんか最近トミィさんのひくルートがへまさんに似てきたんだがww
寂しいと言えば寂しいですが、静かな深い森の中を淡々と進む方が、クルマまみれの坂道よりもヒルクラの醍醐味が深く味わえます。俗にいう"イイ道”ってやつです
ほどなくして、きのこ山へ向かう小道へ……。曲がると目に飛び込んで来たのは、落ち葉が敷き詰められた、薄暗い林道(?)。
なんか最近トミィさんのひくルートがへまさんに似てきたんだがww
寂しいと言えば寂しいですが、静かな深い森の中を淡々と進む方が、クルマまみれの坂道よりもヒルクラの醍醐味が深く味わえます。俗にいう"イイ道”ってやつです
挑んでいるきのこ山。風張林道に登場する「きのこセンター」など、“きのこ”と名がつくヒルクラポイントには良い思い出がありませんが、案の定、このきのこ山もなかなかの曲者。10%まではいきませんが、8~9%程度の登りがずっと続いており、歯を食いしばりながら進まねばならないポイントもチラホラ。
ところどころに、未舗装や怪しげな林道の入り口も……
恐らく、このあたりをディープに楽しんでいる人達もいるのでしょう。
しばらく進むと、巨大な風車が遠くに見えるように。
どうやら「ウインドパワーつくば風力発電所」のようです。ただこの発電所、地図を見ると足尾山を過ぎたところにあります。いつのまにかきのこ山を制覇し、足尾山を登り切っていたようです。
このあたりは登りと下りが入り混じり、登り切った場所に「○○山」という記念碑が立っているわけでも、展望台があるわけでもないので、何処を走っているのかよくわからなくなります。
何度も何度もアップダウンを繰り返し、時折、隙間から遠くの眺望が楽しめるけれど、それ以外は鬱蒼とした森のトンネルを進むばかり……。
何かに似ていると思いながら走っていましたが、気づきました。山の尾根を延々と進む奥武蔵グリーンラインとソックリです。
もちろん難易度的にも、標高的にも距離的にも奥武蔵グリーンラインの方が一枚上手ですが、このヒルクラわんこそば感覚はとても近いものがあります。ミニ奥武蔵グリーンライン、いや、奥筑波グリーンラインとでも名付けましょう。
それにしても3つ目の加波山は、なかなかの斜度。10%オーバー区間も多く、ヒルクラポイントとしては立派な地獄です。このあたりまで登ってくると、「筑波には筑波山しかない」、「それほどキツイヒルクラができる場所はない」というイメージが崩れ、「なかなか立派なヒルクラコースが組める場所じゃないか」と認識を改めるようになりました。
なんともソソる、加波山神社への参道(?)
道が下りになっていきます。どうやら加波山も登り切った様子。これで筑波山の裏側に連なっていた山は、いちおう制覇した事になります。
山を降りると、筑波らしい平原が広がります。鬱蒼とした山から、一気に別世界へ。広がるパノラマは、筑波ならではの開放感。やっぱり遮るビルなどがない平原こそが、この地域の最大の魅力と言ってもいいでしょう。
山で売り切れかけた脚を必死に回しながら、平地を高速巡航。
視線の先に再び、筑波山の背中が見えてきました。
今回のルート、最後のヒルクラポイントは再び筑波山。
今まで登ったことのない、大池側とは反対側のルートから筑波山の脇を目指す、裏不動峠(?)です。どっちが表不動峠なのかわからないので適当に言ってますが(^_^;)
大池側の不動峠より薄暗いイメージで、景色的なご褒美は無し。斜度はさほどキツくありませんが、10%台になる事もチラホラ。雰囲気は良いです。
また、舗装も表不動峠より、こちらの方が綺麗。大池側から登り、こちら側からダウンヒルする方が安全かもしれません。血の味指数は表と同じ8程度でしょうか。
不動峠を制覇。大池側からダウンヒルをして、今回のヒルクラポイントは完全終了。
無事に獲得標高は1,600m台を記録しました。
お腹もペコペコになったので、このあたりのサイクリストに人気があるというカフェ「ひるくらいむ」さんを目指します。
平原にポツンと立つ喫茶店を想像していましたが、住宅街の角にある一軒家の2階? という雰囲気。アットホームな感じのお店なのかなぁと思いながら近づいていくと……
店の前に強烈なヒルクラポイントがwwww
さすがは店名が「ひるくらいむ」だけあるwww
1階はサイクリストが休憩したり、話ができるスペースになっており、2階がカフェという作りのよう。床や壁に木材がふんだんに使われており、落ち着ける雰囲気です。
壁には自転車グッズに加え、ルアーなども。まさに”男の趣味空間”という感じです。
疲れた体に、できたてのオムライスが染み渡る( ;∀;)
過酷な運動の後に食べる料理は基本的になんでも美味しいですが、それを差し引いても非常に美味!!
りんりんロードの近くには、あまり食事処が無いイメージがありましたが、そんな印象も覆りました。私が筑波に住んでいたら、毎週のように通うだろうなぁ……
モグモグ食べながら、キルハさんが購入した新しいGARMINと、私のオンボロガミ夫をなんとなく比較撮影。むろんレスポンスも新型の方が良いようです。買い換えたいわ……ホントに……
夕暮れの筑波の平原をDeroさん特急に乗って疾走。
あとはつくば駅に戻るだけ……ですが、最後に寄り道。「志ち乃(しちの)」というどら焼きの専門店です。
小倉や抹茶だけでなく、カスタードと生クリーム、生チョコ、カレー、いちご、もんぶらん、パンプキンなど、ビックリするほど多彩なメニューが最大の特徴。
あれもこれも食べてみたいとチョイスしていたら、かなりの個数にww 私は買っていませんが、トミィさん達によるとラスクも絶品なんだとか。さきほどのかりんとう饅頭といい、これらのお店に寄る場合は、おみやげ運搬用にサコッシュでも持ってくると良いかもしれません。
平地だけしかないと思われていた筑波でも、脚を引きずるようにして駅に向かうくらい疲れるヒルクラコースが組めるとわかった今回のライド。グルメ的にも美味しいものばかりで、筑波の新たな魅力に気づくキッカケにもなりました。「家の周りに山がない」という人も、地図をよーく見てみると、意外に気づかないヒルクラスポットは隠れているのかもしれません。
ただ、今回の山々が、ヒルクラスポットとしての魅力面で、奥多摩や飯能、ヤビツや丹沢あたりと比べて勝っているのかというと、残念ながらそこまでの印象はありません。眺望に優れた場所が少ないとか、絶対的な高さが足りないとか、細かい不満要素はありますが、個人的には"個性が弱い”のが残念なところ。面白いコースではありますが、奥多摩や飯能にアクセスしやすい場所に住んでいる人が、あえて筑波山を選んで足繁く通う……とはならないでしょう。
逆に言えば、筑波山でヒルクラに慣れ、ヤビツや奥多摩、日光方面など、より山が険しい地域に挑むという流れが良いのかもしれません。
この二つに比べたら子の権現とか赤ちゃんですよw