
前回までのあらすじ。
四天坂の子ノ権現(ねのごんげん)を攻略し、残る最後の刺客、風張林道へのゲートを開くための光のリングを手にしたインナーロー教団。
大弛峠の洗礼により、へるはんは正しき心を取り戻した。空にリングをかざすと、灼熱の陽射しはやわらぎ、ついに異界への扉が開かれた。
家を出た瞬間からインナーに入れる脚力温存走法、12%の登坂中でも水をかぶれる体幹、停まっているかのようと評される驚愕の時速3km登坂、視覚とパ行と小学2年のブランコ流血事件の記憶以外の全てをシャットダウンする無我の境地ペダリング……これまでの戦いで得たスキルの全てが、彼を支え、生かすの武器となる。
だが、へるはんは知る由もなかった。彼が足を踏み入れた場所こそ、黄泉の国そのものだという事を……
大弛峠の洗礼により、へるはんは正しき心を取り戻した。空にリングをかざすと、灼熱の陽射しはやわらぎ、ついに異界への扉が開かれた。
家を出た瞬間からインナーに入れる脚力温存走法、12%の登坂中でも水をかぶれる体幹、停まっているかのようと評される驚愕の時速3km登坂、視覚とパ行と小学2年のブランコ流血事件の記憶以外の全てをシャットダウンする無我の境地ペダリング……これまでの戦いで得たスキルの全てが、彼を支え、生かすの武器となる。
だが、へるはんは知る由もなかった。彼が足を踏み入れた場所こそ、黄泉の国そのものだという事を……

【↓ダイジェスト動画はこちら↓】
(読了後再生推奨/画質は720/60p、1080/60pがオススメです)
※フラフラなので揺れが多くてすみません。全画面表示は酔うので注意!!

このブログを読んでいる酔狂な人にはお馴染みですが、風張林道は本来地図にすら掲載されていないマイナーな林道です。
東京近郊のローディーに人気のあるヒルクラスポット・都民の森。そして、その先にある頂上・風張峠。その風張峠に、まったく違う方角から侵入し、無理やり到達してしまうようなルートを描いています。

黄色のラインの右端、つまりスタート地点の標高は約600m、ゴールの風張峠は約1,100m。その差は500m。その500mを、たった距離4.3kmで上昇させてしまった事で、平均斜度はなんと約12%に到達します。
ルートラボで平均斜度が8%や9%と書いてあり、「それならなんとかなるだろう」と出かけたところ、10%オーバーの坂が連続し、「話が違う」と嘆くのがローディーあるある。登りの途中に含まれる、わずかな平坦区間や下りも合わせて、弾き出された平均値は、体感斜度よりも遥かに低くなると学習した時、ローディーは1つ大人になります。
そんな平均値ですら約12%……。最期の四天坂・風張林道は、己の無慈悲さを、もはや隠す気はないようです。標高グラフは、定規で引いたような一直線。訪れた愚かな冒険者に、情けをかけるそぶりもありません。恐らくここに足を踏み入れたら、12%どこではなく、13%、14%、15%といった数字がGARMINのディスプレイに焼きつき、一切下がる事はないでしょう。悲鳴も引っ込むような、まさに黄泉の国への坂。黄泉比良坂と言っても過言ではありますまい。
















というわけで、川の流れのように、とめどなく、この身をまかせていたら(俺の考えた歌詞)、なんだかよくわからないまま武蔵五日市駅に輪行袋をかかえて到着。なんだかよくわからないまま、風張林道の方向にスタートする雰囲気になっていました。



























本気で挑むのか、ロケハンなのは決めきらないまま、ライドスタート。言葉たくみに、なんとしてでも風張林道を登らそうと企むゆっけさんの背中からは、かつて私が和田峠で悶絶し、ゆっけさんがそれを体験していない事に気が狂いそうになり、翌週問答無用で連れて行った2週連続和田峠事件の時と同じ匂いがします。
彼が時折口にする、「とにかく一度でも挑めば、これから風張林道トークに参加できるんですよ」という言葉。ローディーでないと何を言っているのかさっぱりわかりませんが、意訳すると「あの苦しみを体験すれば、同じ苦しみを体験した人と、濃密な会話ができる」というアピールのようです。
確かに、ルートラボで地図と斜度をにらめっこしていても、本当にその峠がどんな場所であるかは、走ってみなければわかりません。「都民の森は、旧料金所から上を見上げた時の絶望感がスゴイよね」という会話に、地図で斜度を見ただけで参加するのと、自らチャレンジし、疲労と苦痛と共に刻んだ記憶を持って参加するのとでは、会話のリアリティに天と地との差があります。
苦しいヒルクラを経験したローディーが、同じ苦しみを味わって欲しいと思う裏側には、戦いの記憶の共有した戦友が欲しいという欲求も見え隠れします。




檜原村役場を過ぎ、都民の森や鶴峠は左折ですが、ゆっけさんは当然のように右折。ここを曲がってしまったら、もう覚悟を決めるしかありません。






徐々にゆっけさん、トミィさんの背中が小さくなっていますが、それも当然。私は風張林道までの区間を、ほとんどインナーで進んでいます。「神経質になり過ぎだ」、「脚を温存し過ぎだ」と言われそうですが、私はひどく真面目に考えてこれをやっています。
ぶっちゃけ、ここでアウターを使おうが、インナーを使おうが、風張林道に挑んだ結果に違いは出ないかもしれません。しかし、少しでも脚を使った状態で挑戦を開始するのと、ほぼフレッシュな状態で開始するのとでは、気持ちの余裕がずいぶん違うのです。
私にとってのヒルクライムは、脚へのダメージがどうこうではなく、極めてメンタルなスポーツなのです。


藤原の自販機で一旦休憩。休憩中でも、日陰を探して退避したくなるほどの良い天気。絶好のライド日和ではありますが、ヒルクライムという面では、暑さからくるダメージへの対処を考えねばならないのでやっかいです。水をいつかぶるか、頂上まで何回にわけてかぶるか……いろいろと考えねばなりません。

かつて、1人で風張林道の入り口だけ見てみよう訪れ、これが風張林道だと誤解し、逃げ帰ってきた名も無き坂と再開。あの時の私に、「今から本物の風張林道に挑むんだぜ」と伝えたら、どんな顔をするでしょうか。

藤原を過ぎると、斜度は一気に上がり、8%、9%といった場所も現れます。まだ風張林道の入り口ではありませんが、既に峠は始まっていると考えた方が良いです。ここでも無駄に脚を使わず、ゆっくりと時間を使い、ユルユルと登っていきます。
私の後では、あきあきさんが同じようにユルユル登坂。あきあきさんは以前、尾根幹のバーミヤン坂をラクラククリアし、城山湖なども制覇。体が軽く、“かなり登れる人”だという印象を私は抱いています。しかし、聞くと苦労坂では、最初に登場するズドーンという一直線の登りで心が折れ、脚をついてしまったとのこと……。
恐らく昔の私のように、凄い斜度がずっと先まで続いているのを見た瞬間に、ちょっとしたパニックになり、最小の力で丁寧に登る事が頭から吹っ飛んで、必要以上に力を使ってしまい、限界がきて撃沈してしまったのでしょう。打開策は斜度に慣れる事しかありません。




そんな事を喋りながらクランクを回していると、ついに到着しました。ここが四天坂、最後の刺客・風張林道の入り口です。
まずは日陰に座って、ゆっくり休憩。深呼吸をして、気持ちを落ち着かせます……。







それに、そんな羞恥プレイにオレのガラスのハートが耐えられるわけがないww

難関を前に、人間の醜さを露呈しつつも「あきあきさんが風張林道に挑む図」という、当初目的の写真撮影は完了。何故か自転車に乗っていないのが気になりますが、風張林道の前ではささいな話と言えます。





……というお約束をはさみつつ、挑戦の時間が迫ってきました。
トミィさんは「気が重いなぁ」と言いながら、あきあきさんは「行けるところまで行ってみる!」とポジティブシンキング。
2人がスタートした後ろ姿を撮影し、私も深く息を吸い、ペダルを回しはじめました。

入り口の斜度は意外にも6~7%と緩め。写真で見ると、20%、25%はあろうかという激坂に見えますが、これは右側の道路が下に落ち込んでいるため。その落ち込みの斜度も視覚的にプラスされているので、とんでもない斜度に見える、言わば錯覚です。

しかし、「たいしたことないな」と安心している暇はありません。最初のカーブを曲がる頃には、GARMINの数値は8%、9%、10%とアップ、すぐに10%オーバーに。覚悟はしていましたが、思わずため息が。恐らく、ここからほとんど10%を切る事は無いでしょう。

しばらく斜度は上がり続け、14%程度が頭打ちな印象。12~14%程度をウロウロしています。あまりしたくはありませんが、キツイ場所では蛇行せざるおえません。脚はできるだけ温存。体幹を使いつつ、上半身は脱力。力を抜いてもフラフラしない、ぎりぎりの省力で登っていきます。

いきなりキツイので、あきあきさん大丈夫かなと前を見ると、ここに来るまでの道中で話していた「省力登坂」をキッチリ実践、ほぼ私と同じような時速5~7kmくらいのスローヒルクライムを続けています。以前、一緒に城山湖に行った時は、クランクを回すたびに上半身がおじぎをしていましたが、今回は無駄な力を極力使っていない事が後ろから見てもわかります。
事前情報では「きのこセンターという施設まではキツイ」、「そこに到達すれば一瞬斜度が緩んで一息つける」とのこと。途中、景色が開けた絶景ポイントもありましたが、とても写真撮影をしている余裕は無く、ボトルの麦茶を飲むので精一杯。下りで撮影は思い切りできるので、アクションカメラにまかせ、今回は登坂に集中します。


やがてキツイカーブの坂を登り切ると、民家っぽいものが幾つか目に入り、斜度の緩い区間が……。ここがきのこセンターなのでしょう。ただ、きのこセンターの建物を観察する余裕は一切無し。クランクを回すスピードを限界まで落とし、ほぼ静止しているようなノロノロ走行に切り替え、体の中からの熱で茹で上がった頭に水をぶっかけます。

あきあきさんは、きのこセンターの手前の曲がり角で「一旦休憩!!」と足つき。そこで待っててと言おうとしましたが、まだ先に進む気はありそうです。この分だと、景色のいいマチュピチュ区間まで行けるかもしれません。しかし、私がマチュピチュ区間まで、後どのくらいあるのか把握していないのでアドバイスができないのが悲しいところ。

前を見れば、また13%程度の坂が。そちらは見ません。ゆるやかゾーンをスロー走行しながら、ボトルの麦茶をゴクゴクやり、何度も深呼吸。心拍を整えてから、ソロリソロリと登坂を再開。間違っても「おし、少し回復した、いくぞ!!」なんて意気込んではいけません。どんなに遅かろうとも、登るときは常に一定のリズムで……それが、今までの戦いで得た、最良の登坂方法です。

ダンシングなどを交えて、ガンガン登る人にとっては「なにをチンタラ、ウダウダやってんだ」という登り方に見えるでしょう。しかし、私は大真面目です。もともと、私にはこの恐ろしい風張林道を攻略するために必要な、脚力も心肺機能も根性も備わっていません。本来は分不相応な、無謀な挑戦そのものです。
それでも今までの四天坂を脚つき無しでクリアできたのは、私の持っているパワーを限界までチョビチョビ出しながら、ひたすら時間をかけて耐えていれば、なんとかクリアもどきができるという1つの登坂方法論を確立しただけに他なりません。
他人の登り方はどうあれ、今の私と、私の体が信じているのはこの登り方だけ。そして、この登り方にとって最も重要なのは、どんな状況下でも最小限の力を出し続ける平常心、そして最後までそれを貫き通す集中力です。
よって登坂中の私は、元気よく何かのスポーツをしているという感覚はゼロ。例えるならば、水をなみなみ注いだグラスをお盆にのせ、それを片手で持ち、片足立ちして、「水をこぼさないまま1時間耐えなさい」というミッションに挑戦しているのと大差はないのです。

きのこセンターを過ぎると、森が深くなり、日陰の中を進みます。斜度は相変わらず10%オーバー、このキツイ斜度攻撃を、エンドレスで連発してくる無慈悲さ……コテンパンにされた、あの日本一の大弛峠とソックリです。
日陰で強い日差しが遮られるので、いくらか楽になりました。しかし、ここに思わぬ落とし穴が。日陰の路面、特に両サイドは湿っており、落ち葉や苔が生えたゾーンが……。落ち葉は見やすいので避けられますが、苔は暗い場所では見落としやすく、後輪がズルっと勢い良く空回り。右のビンディングが外れて、そのまま一回転してスネにガツン! と当たりました( ;∀;)
思わず右足を地面につき、慌ててビンディングをはめなおして走りだしましたが、痛恨のミス。走りながら見ると青あざが出来てしまいました。痛くて登坂できないというほどではないので、動揺でリズムが崩れないよう注意しながら先に進みます。
それを見ていたゆっけさんに、「脚ついた―!」と言われてしまいますが、、その後に自分もズルっとやって脚をつくという神の如きオチも披露。まあお互い坂がキツくて脚をついたわけではないので、本来ならNGではありますが、「ノーカンにしよう」と先に進みます。

カーブなどで斜度を緩めたいと、極力外側を走ろうとするとスリップ。適度に内側を走りつつ、日の当たるところには苔がないので日当たりの良いところを走りたいけれど、陽射しがキツイ……というジレンマ。いずれにせよ、こんな細かな事も、ヒルクラのテクニックの1つと言えるかもしれません。
キツイ斜度に心拍は上がり続け、脳もヒートアップ。水をかぶりたいですが、斜度がキツ過ぎるので片手でかぶれません。緩くなる場所が登場するのを祈り、10%程度に斜度が落ちたら慌てて水かぶり、ミネラル麦茶補給というサイクル。
感情や脳を停止させ、体の反射だけでクランクを回す「ゾンビ走法」を既に駆使していますが、この一連の「頭部冷却→水分補給」という動作は、斜度が緩くなるとほぼ無意識でできるようになりました。停止していた脳が、水をかぶった事で再起動、意識が戻って「あー、ツライ」といった声が出る……という流れ。あまりにツライと、人間は様々な機能を個別にスリープ状態にする事ができるのだなぁと、妙に関心します。

あまりに斜度のキツさが変わらないので、最小の力で登っていても、ジワジワと脚を削られているのが実感できます。あとはもう、この登坂スタイルを続け、私の精神力と脚力が底を尽きるか、尽きる前に頂上につくか、それだけの勝負。久しぶりの、このギリギリ感。流石は風張林道、相手にとって不足はありません。


ナイスワインディングの巻き貝も、ちょっとお目にかかれないレベルの造形美。じっくり観察したいですが、見ている余裕などありません(写真はもちろん帰りに撮影したもの)。できるだけ外側を走り、斜度を緩くしてクリアしていきます。

事前に想像していたのと大きな違いが1つ。
それは、斜度が緩くなる休憩区間が、確か全部で4カ所ほどあった事です。私は、10%オーバーの斜度が、本当にスタートから一度も落ちないくらいのキツさを想定していたので、これは嬉しい誤算でした。
その休憩ポイントでじっくり心拍を落とし、水をかぶり、麦茶を補給する。逆に言えば、この休憩区間がまったく無かったり、2カ所くらいしか無かったら、ここまで来れずに既に敗退していたに違いありません。しかし、いくら休憩ポイントでゆっくり走ったところで、休憩できる時間は数十秒。そこで全回復できるわけもありません。
3回目くらいの休憩ポイントを消費する頃には、両腕にいやな痺れを感じはじめました。急激に水分や塩分を消費し、熱中症になりかかる前兆のアレです。慌てて水をさらにかぶり、ジャージの前をはだけます。駅でゆっけさんに言われてかぶる用の水を買わなかったら、間違いなくアウトでした。しかし、このままではもう長くは持ちません。

敗退の二文字が頭をちらつき、「もう少し涼しい時期になってからリベンジを」的な気弱ワードが口から出そうになった頃、急に視界が開けました。
青空と、視界いっぱいの森。自分とそれを遮るものは何もなく、ガードレールすら無い、絶句するほどの大パノラマ。これが伝説のマチュ・ピチュ区間。ボキャブラリーを失い、「うわー!!」としか言葉が出ない絶景。まさに尋常ならざる苦行の末に与えられる奇跡的なご褒美としか思えません。


高いところが苦手な人は、足の裏がゾワゾワするかもしれません。しかし、ここを登っていると、まるで自分が天空に向けて進んでいるような錯覚を覚えます。大弛峠の絶景にも心打たれましたが、ロードバイクと一緒にあれに近い感覚の絶景を走れるというのは、得も言われぬ悦楽。これは確かに、一見の価値があります。
しかし、楽あれば苦あり。このマチュ・ピチュご褒美で、私の脳は完全に「お疲れ様でしたモード」に移行。脳内ではサライが流れはじめます。それくらい、ゴール感がスゴイ景色ですが、ここはゴールではありません。そして、後になって実感しますが、ここからが長い( ;∀;)
路面状態はここまでよりだいぶ良くなり、道幅も広くなりますが、斜度は変わりません。もうホントに鬼かよ(´Д⊂ヽ。

体はもうゴールしたい感に満ちあふれていますが、進んでも進んでも終わりが見えません。あのカーブを曲がったら終わりかな、違った。あれかな、違った……の繰り返し。風張林道制覇の予感で胸が膨らんでいるのに、ゴールの事実だけが与えられない、映画館のエンドロールがやたらと長いようなこの苦痛。
そんなよけいな事を考えていたバチがあたったのか、日陰区間を通り抜けた時に、苔を踏んでしまったようでリアタイヤが二度目のスリップ!!
今度はビンディングが外れることはありませんでしたが、そのせいで足が変な角度に一瞬なってしまったようで、ふくらはぎが攣った!! ( ;∀;)
慌ててダンシングに切り替え、ふくらはぎをのばしますが、急にダンシングに切り替えたのでなけなしの体力がゴッソリ奪われ、シッティングに戻ってもふくらはぎを気にしてペダリングがおかしくなり、登坂のリズムがめちゃくちゃに。クリア失敗の確率が一気に高まり、脂汗が吹き出します。
攣っていない左足に望みを託し、右足にはあまり力を入れず、ヨロヨロとなんとか前に進み、祈るような気持ちでカーブを登り終えると……見覚えのあるガードレールと金網が。
目の前にあるのは、奥多摩周遊道路と風張峠への道。……そう、風張林道のゴールへとたどり着きました。


風張林道制覇\( ;∀;)/
もはやロードバイクを立てかける気力もなく、ゴール地点に放り出して地面にバッタリ。体中のテンポラリエネルギーを全て使い果たしてしまったようです。まさにギリギリの勝利。あと数百メートル長かったら、おそらく足をついていたかもしれません。所要時間はよくわかりませんが、1時間は切っているでしょう。
風張林道:血の味指数 28
足をつきまくり、休憩しまくり、補給食食べまくりの末、死にかけに近い状態で登りきった大弛峠との比較が難しいところ。峠として登り切る苦労度合いとしては、やはり大弛峠の方が一枚上手です。大弛の場合、脚をつかず、途中に休憩を入れずに登りきる事は、恐らく私には逆立ちしても無理です。
風張林道は、現在の私が休憩や心が折れての脚つきをしないで、一度に登りきれる峠としてのほぼ限界という印象。そういった登坂中のキツさだけを純粋に競うのであれば、大弛よりキツイかもしれません。
それでもなんとかなった大きな理由は、先ほど書いたように、休憩ポイントが4つほどあった事、そして超激坂区間が無かった事も、大きな要素。このレベルの峠や林道の場合、子ノ権現のように、最後に20%とか25%と言うような、アホみたいな激坂が出てきてもおかしくありません。しかし、風張林道は14、15%程度のカ所はあったかもしれませんが、20%のような激烈な斜度が無かったのも救いでした。淡々としたペースで登る、私の登り方と、相性が良かったのかもしれません。
……
しばらく地面にへたり込んでいましたが、あきあきさんのトコロまで行かねばなりません。ヨロヨロと立ち上がろうとしても、なかなか立てず……。元気なトミィさんに、先にあきあきさんのところまで下ってもらい、マチュ・ピチュ区間まで徒歩でがんばってもらって、記念撮影を……みたいな事を話していたら、

あきあきさんが最後までのぼってきた!! \(^o^)/



とにもかくにも、燃え尽きた風写真を撮ろうという話が、本当に燃え尽きたあきあきさんの写真撮影に成功。大変お疲れ様でした。


帰りはもちろん、ゆっくり下りつつ、記念撮影大会。
改めて、意味の分からない道を登ってきたんだなぁという感慨が湧いてきます。








斜度がキツすぎるので、下りは下ハンブレーキ必須状態。スピード出すのはもってのほか。超ノロノロスピードで下らないと危険です。万が一カーブで曲がりきれずに山菜採りに出かけてしまったら、本当に洒落にならない場所です。記念撮影でもしながら下るのが、ある意味マッチしているでしょう。

キツイ登坂で飲水もかけ水も全部無くなってしまったので、藤原の自販機で休憩。








ガコンッ!!!




とかなんとかやりつつ、もうお腹もペコペコなので檜原村役場方面へと帰還。


ちとせ屋さんの裏手にある食事処・ひのはら四季の里で、遅めのランチ。



天ぷら御膳のきこのは、先ほどのきのこセンターで扱っているものだそうで。


本来であれば、私もきこの天ぷら食べたかったですが、疲れすぎて胃が受け付けず……ざるうどんでサッパリと。


あ、このアイスココア、氷までココアだ。

ちとせ屋さんでも豆乳ソフトでタンパク質補給。相変わらずの、 ”雪見だいふくの皮”味。うまうま。

最後の〆は、やっぱりこれでしょう。
ちなみにこのファミマフラッペ、熱中症予防やカロリー摂取などのほか、


風張林道で出来たすねのアザを冷やす事にも使える、医薬品にもなるのです。万能すぎ!!

燃え尽きた三人は輪行ですが、余力有り余るトミィさんはなんと自走で帰宅。

帰りの中央線は、どこぞの火災でダイヤが乱れていましたが、もはや遅れてもどーでもいいと感じる疲労具合。風張林道のダメージはかなり大きかったようです。
ただ、どのように乗り換えれば良いかを、ホームの駅員さんに聞いていたところ、駅員さんが我々の話を遮り、ダッシュでホームのブザーをプッシュ。鳴り響く警告のアラーム。なにごとかと駅員さんが指差す方を見ると、
へるはうんど@アストラル体は木崎湖在住@HELL_HOUND_No9
立川駅人が立ち入りww http://t.co/1byYzwRGpx
2015/08/22 18:08:09

「お客様が線路に立ち入り」を、まさにリアルタイムで観察するという、この嬉しくないハプニング。こりゃーとうぶん電車も動かなそうだと、路線の違うあきあきさんと別れ、私とゆっけさんは観念して、立川駅で自転車を組み立て。そのまま自走で帰りました。





途中、ファミマの新製品ポテトでパワー補給。




坂嫌いを克服するため、四天坂に挑み、ついにこれを撃破したへるはんとインナーロー教団。
かくして東京に再び平和が訪れた。
これからはもう、坂に怯えずに暮らしていける。平地だけを愛し、平和なグルメポタだけを繰り返す、かつての平穏な日々。自分の心の支えとしていたインナーローを使わなくなり、へるはんはやがて、その存在すら忘れていくだろう。だがそれもまた、幸せの1つのカタチなのである……。
だが、東京に平和が訪れたとして、これで全てが終わったと言えるのだろうか?
全ては始まりに過ぎなかった。
深く、暗い闇の底から、さらに恐ろしい者達が解き放たれようとしている事を、へるはんはまだ知る由もなかった……


風張林道を探していたらこのブログにたどり着きました。
楽しく読ませていただきました。
なるほど・・・地図には載っていないんですね、どうりで探しても見つからないわけだ(^^;
情報ありがとうございます。今度挑戦してみようと思います。
ちなみにですが、東京の激坂はまだまだありまして、日ノ出町つるつる温泉横の横の梅ノ木峠。
そして最凶最悪なのは青梅の御嶽山です。
下の鳥居から山頂の神社まで行きます。手水舎から神社本殿へ小道は20%をゆうにこえています。これはマジで死ねます。
富士のあざみラインは足つかずで上れましたが、これは何度も足つかないと上れませんでした。
機会があったらチャレンジしてみてください。