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※今回もフラフラなので揺れが多くてすみません。全画面表示は酔うので注意!!
やれ◯◯峠に行った、◯◯坂をクリアしたとレポートしていると、まるで東京近郊の坂道は全て制覇したかのように思われるかもしれませんが、実際のところ、そんな事はありません。
有名なコースでも、なんとなく興味が沸かなかったとか、誘われたけど仕事だったので行けなかった等々、縁がなかった峠というのも存在します。今回は、そんな“抜け落ちていた峠をクリアしていこう”ライド。白羽の矢が立ったのは、飯能にある「成木峠」、そして同じく飯能の「有間峠」です。
地図で見ると、位置関係はだいたいこんな感じです。成木峠は、かつてよく走っていた「小沢峠」の近くで、ローディー憩いの休憩場である「成木の家」の奥に存在するヒルクライムスポット。
そして「有間峠」は、10%オーバーの激坂がズッと続き、私が苦手だ苦手だとかつて逃げまわっていた有間ダム(名栗湖)の、そのさらに奥地に存在する峠です。
この激坂落穂ひろいライドに参加したのは、お馴染みのと~るさん、ゆっけさん、トミィさんに加え、Twitterでよくバカ話に絡んでくれているアキアさん。まだ納車から半年も経ってないそうですが、既に四天坂の子ノ権現を倒している“自称”貧脚。
案の定、この後に登場する成木峠もスイスイ登っておられました。ああ、とかくこの世は貧脚詐欺ばかりではないか、登坂中に俺よりダラけてて恨み事しか言わない人と登りたい。もはや体重は何の指標にもならないので体脂肪率18%以上が当たり前とかそんな感じで。
案の定、この後に登場する成木峠もスイスイ登っておられました。ああ、とかくこの世は貧脚詐欺ばかりではないか、登坂中に俺よりダラけてて恨み事しか言わない人と登りたい。もはや体重は何の指標にもならないので体脂肪率18%以上が当たり前とかそんな感じで。
日焼けどめヌリヌリ
いきなり気弱な発言から始まっているのは、クソ暑いからです。この日は30度を超えるんじゃないかという梅雨の晴れ間で、日差しはガンガン、存在しているだけで汗が出てきます。となると、脳裏に蘇るのはコテンパンにされた大弛峠の悪夢。スピードなんてどうでもいいので、熱中症にならない事だけに全力を傾けたヒルクラをしようと誓います。
大雑把な予定としては、成木峠→成木の家で休憩→小沢峠→有間ダム(名栗湖)→有間峠と制覇した後、カフェキキにお邪魔して、ご飯を食べて帰ろう……というもの。まずは飯能駅から西へと進み、成木峠へと向かいます。
しかし、走り出す前に、驚愕の光景が。
あああああああああああ!!
なんかゆっけさんのチャリに、真新しいスプロケが
でかっ!!
29Tのスプロケにしてみました
なんだこの破廉恥なスプロケは!! 男前な25Tに拘っていたゆっけさんはどこに行ってしまったんだ
インナーローでクルクル登りたいんですよもう
俺が27Tで乙女ギアにせず耐えているというのに、48Tだなんてひどい裏切りだ。やはりスパイ確定だ
巨大なスプロケを入れれば、そりゃあ坂道は楽になります。ただ、本当にそれで良いのでしょうか? 決して乙女ギアを入れられないヒガミではなく、ローディーとしての心意気の話を私はしているのです。
あっチェーン落ちたwww
ホラ、乙女ギアへの天罰だ
などと騒ぎながら、成木の家に到着。中で休憩ができますが、まだ成木峠を登っていないので後回し。先に進みます。
この成木峠、私は登ったことがありませんが、実はかなり有名なヒルクラポイント。というのも、KFC Triatholon Clubの東京ヒルクライムレースにおいて、「NARIKIステージ」としてコースになっているのです。
車が来ないというのもありますが、成木の家を過ぎると一気に林道の雰囲気になり、緑も濃くなります。民家の裏手を登っているような印象で、少し、和田峠の序盤と似た匂いがします。
そのまま進むと、民家も減り、ザ・山の中へ。川の流れる音と、鳥の声、たまに吹く風が木の葉を揺する音しか聞こえなくなります。
斜度は平均で6%そこそこだったハズですが、脚にかかる負担は、とてもそんな甘いものではありません。GARMINの表示を見ると、9%、10%になる部分も。周囲の静けさと、坂のキツさが相まって、ますます和田峠に似てきました。
和田峠と違うのは、つづら折れが少ないところ。和田は直線が少なく、右左右左と道路が折りたたまれ、激坂のワインディングが無数に襲ってくるタイプですが、成木峠はキツ目の斜度がズドンと直線で続き、たまにワインディングがあり、曲がるとまたズドンとキツイ坂が直線で続く……という塩梅。
脚にかかる負担は両者似たようなものなのかもしれませんが、「あんな先までこの坂を登り続けなきゃならないのか」という心理的なダメージは、成木峠の方が上です。さらに、この暑さ。木陰に入っているとまだマシですが、木が無い区間では、ジリジリと焼けるような日差しで汗が吹き出し、心拍も一気に上昇。日差し区間を素早く抜けたいと焦ると、ペダリングが乱れ、より心拍が上昇するという悪循環に。
気持ちを落ち着かせ、水を入れたボトルを時折頭からかけながら、一定のスピードでジワジワ登っていきます。
乙女ギアを入れたゆっけさんは、明らかに以前と登り方が違います。前は25Tのインナーローが軽い力では回らず、おじぎをするように上半身を上下に動かしながら、ウンショ、ウンショと登っていました。
しかし29Tでは脚が軽やかに回っており、上半身の上下運動は皆無。鼻歌でも歌い出しそうです。最近、NHKでやっているロードバイク番組「チャリダー」を観始めたらしく、私が過去放送分の録画をBlu-rayに焼いてあげた事もあり、すっかり坂バカ・猪野学さんのファンに。番組の教えを受け、私がきつい坂道でたまに口にする「体幹体幹……」も真似されるしまつ。“上半身ブレブレのゆっけさん”を、もう目にする事は無いのかと思うと、一抹の寂しさを感じます。
それはさておき成木峠、長いです。和田峠と似ているので、サクッと終わるかと思いましたが、地味に長く、「まだ終わらねえのか」とゲンナリしてきました。なんというか、和田のキツさを横に間延びさせたような印象で、気合と勢いではどうにもならず、丁寧な登坂が求められるタイプのよう。ヒルクラの練習には適したコースですが、和田峠にある爽快さというか、アトラクション的な面白さには欠けます。
これが夏以外なら良いのですが、今日のような気温が高く、湿度が尋常じゃないような日に登る坂としては相性がいまひとつ。ダラダラ登坂にダラダラ汗。脚をつく危険性はありませんが、ゴールにたどり着く頃には、すっかり疲れきっておりました。
あ、ゆっけさんは脚をつきました。しかも2回。
49Tなんてスプロケ履くからバランスおかしくなんだ
前の誰かさんがフラフラ時速3kmで登ってるからぶつかりそうになったんですよww
ところでこの峠、なんか和田よりキツくない?
あれまったく信用してなかったww
ひでえww
血の味指数
成木峠:19
和田よりも数字が多いのは、長さです。和田は30分くらいで終わりましたが、こちらはダラダラで40分くらい。瞬間最大斜度は和田の方が上ですが、長い時間高出力で絶えないといけない辛さのほうが、辛さ指数は上という、私の持久力の無さを反映したカタチになっとります。
嬉しい事に、頂上には湧き水とバイクラック。
ぶっかけ用の水を補給しつつ、補給食も冷やしてチューチュー。
頂上で休憩も良いですが、ダウンヒルした場所には成木の家があるので、せっかくだからそこで休む事にしましょう。
いやぁー今、下りですれ違った女性ローディー、激坂でも華麗なダンシングでカッコ良かったねぇ。
今の女の人、キャノンデールでしたよね? もしかしてとり丸さんじゃ?
まさかぁ!? キャノンデール乗ってる人、みんなとり丸さんになっちゃうじゃんww
(私とゆっけさん、と~るさん、トミィさんはとり丸さんに会ったことはありませんが、ゆっこさん+まっつーさんが鳥丸さんと以前走っていて、"凄い人だ”という話を聞き、一方的に知っている……という感じ)
とかなんとか言いつつ、成木の家に到着。
木のぬくもりたっぷりで、居心地の良さはまるで田舎のおばあちゃんの家。コーラを飲みつつ、扇風機に当たっていると、もう有間峠とかどうでもよくなってきました。
誰だww こんな場所に妖怪ペダル回しを奉納したのはww
へ、へるさん……ここにプリングルスの缶が置いてありますよ。
さっきのやっぱり、とり丸さんですよ!!
いや、普通にお菓子としてここに常備されてるだけでしょ、プリングルスがww
プリングルスの空き缶がツール缶になっているわけでもなし、とり丸さんであるわけが……
とり丸さんだwwwww
なんという偶然、そのまま成木の家でウダウダしていたら、下ってきたとり丸さんと再び遭遇。自転車の写真も撮らせていただきました!!
うわー、ブロガーの人と偶然遭遇するのってなんかスゴイ感動するわ。
そして長距離でも山でもガンガン走るとり丸さんが、イメージと違って可愛らしい人でビックリした。
成木ひとつでボロボロの俺達とエライ違いですね。
おれこの後の小沢峠すら面倒だと考えはじめているもの。
あれ峠じゃなくて、たんなる道じゃないですかww
もはや予定していた有間峠を登る気力はありませんが、とりあえず入り口くらいは見に行こうと、名栗湖へ向かいます。名栗湖の手前には、10%オーバーのロング坂。相変わらず苦手な坂ですが、ダラダラと登って行きます。
登り切る前に、堤防を走るゆっけさんをパチリ。
雄大な景色と比べると、豆粒ほどのサイズですが、Raphaのジャージのオレンジ色が強烈なのでどこにいるのか一目瞭然。こういう時に、派手な色のジャージは絵になります。
景色の良いところに来れたので、アキアさんの愛車もパチリ。
Bianchiのニローネ7、アルミのエントリーバイクですが、デザイン性の高さはさすがBianchi。フレームを見る限りコンフォート寄りのようです。ホイールはゾンダ。
お馴染みのチェレステカラーではないですが、逆にそれが新鮮。チェレステはチェレステで、ウェアや小物を全部あのカラーで揃えないといけない的な使命感が生まれるパターンが多いそうなのでw 気分でいろいろ変えたい人には、こういうオーソドックスなカラーの方が後々良いのかもしれません。赤黒フレームに飽きてきた私も基本的には同意見です。
さて、名栗湖はよく来ますが、ここから先のゾーンは未体験。
雰囲気的には、裏ヤビツのような道が奥へと続いています。
まだ乗り始めたばかりというアキアさんですが、後ろから見ているとしっかり登れているし、まだまだ余裕はありそう。長距離はあまり走ったことがないそうですが、すぐに100kmオーバーも楽に行けそうです。
そして、川釣りができるゾーン的なところを抜けた先に、ポッカリと峠の入り口が。観光客が周囲に沢山いますが、誰もこの先に行こうとはしていません。間違いなく、これが有間峠の入り口のようです。
ルートラボでチェックする限り、序盤は6%程度ですが、中盤からは10%程度も登場する模様。
「当然ここでUターンするんでしょ?」的なゆっけさん達に、ギャグでスタート地点からスパートをかまして登ってみましたが、森が深くなる視線の先に、なかなかの斜度が見えた瞬間に「もういいからお昼ごはん食べに行こう」と心が折れました。
単にUターンするのもアホらしく、そろそろツール・ド・フランスも始まるので、ヒルクラレース的な捏造写真を撮影開始。
なんだこれwwww
ともあれ、酷暑のヒルクラはこれにて終了。あとはカフェキキさんで、美味しいランチを食べるだけです。
美味しいランチを……
美味しい……
つきました
つきました
じゃねえええええええええwwwwww
俺はカフェキキに行きたいのであって、“天空の店カフェキキ”を建造してくれと頼んだ覚えはねえ
古くはめんまライド、仁田山シングルアタックの中にも登場し、このブログでは半ば伝説チックに語られるだけだった、飯能最恐とも噂される鳥居観音の激坂。
山のてっぺんにそびえるのは救世大観音。西遊記でお馴染み、玄奘三蔵法師の霊骨も祀られているという玄奘三蔵塔ってのもあるらしいです。たどり着ければの話ですが。
写真でもうわかりますが、尋常じゃありません。
子ノ権現の最後区間を、全区間に配置したような超激坂。カフェキキの裏にある苦労坂(東都飯能カントリー倶楽部の激坂)が幼稚園に思えてくるマーベラス地帯。距離は1kmちょいしかないようですが、平均斜度が16%とかいう意味の分からない数値。走り始めると、GARMINは20%オーバーを示しっぱなしで、数分とたたずにシッティングが限界、ダンシングに切り替えても、まったく斜度が落ちないので、筋力の限界が来たらそこでジ・エンド。
頑張ってはみましたが、成木の疲れも響いて、最初の門のところで心が折れました。
乙女ギアのゆっけさんは、その先に進んでいましたが、まだまだ斜度が落ちずに続く坂にギブアップ。トミィさん、アキアさんも断念し、と~るさんだけが天空の城に召されて逝きました。
スタート時、通行料を入れようと思ったのですが、あまりの激坂に途中で止まることができませんでした(停まったらそこから走り出せない)。仕方なく、下りながら500円を投入。観音様をお参りできなかったのが心残りですが、ぶっちゃけ、これを脚つき無しでクリアできるビジョンが浮かびません。下りも斜度がキツすぎるので、徒歩でないと危ないです。
さすがはと~るさん、最後まで登りきっていました。
しかし、ほぼ限界まで追い込まれたようで、「(四天坂最恐の)風張林道が可愛く思えるレベル」という恐ろしい感想がw
じゃあ俺絶対無理じゃんwww
修行不足を噛み締めつつ、改めてカフェキキさんへ……
と、その前に、以前から気になっていたスポットへ寄り道。
その名も「壺小屋」
絵本の中か、宮崎アニメから飛び出してきたような佇まいですが、喫茶店兼ギャラリーのようです。
山小屋、ログハウスとも違う、隠れ家感。モンゴルの遊牧民が暮らす、移動式住居の“ゲル”にも似た、なんとも不思議な空間。パン屋さんのゼルコバとも、ちょっと似ています。
ギャラリーだけあり、陶芸の作品が多数展示されており、気に入ったものがあれば購入する事もできるようです。
味のある置物が沢山で、カメラがあると、つい時間を忘れてしまいます。
1つ買って帰りたいところですが、背中のポケットには入らなそう……。ロードバイクで寄り道するというよりも、読みたい本でも片手に、静かに1人の時間を楽しみたい時に来ると良さそうです。
ドアの取っ手がスゴイことにwww
とかなんとか、いっぱい寄り道した末に、カフェキキさんに到着!!
もうお腹はペコペコです。
そして、そして、
今まで品切れで食べられなかった、
念願の坂登り丼とご対面!! ( ;∀;)/
うめえwwww
簡単に言うと、豚の照り焼き丼に、半熟の目玉焼きと野菜が入っているというもので、スタミナ丼的なものですが、こんもり山に見立てられています。さらに、ご飯の中にも豚肉が入っていて、中まで味が楽しめる心配りがグー! さらに、マヨネーズもタレに使われているようで、目玉焼きの黄身を崩しながら食べると、ご飯とお肉と野菜が不思議な一体感に包まれ、お箸が進みます。
パスタやカレーも美味しいですが、炭水化物をガッツリ補給したいという時には最高のメニュー。わかめのスープも、塩分が補給できて、ゴマのアクセントが効いて美味しいです。
ごちそうさまでしたー。 また食べにくるからねー!
そんなこんなで、今回の教訓は以下のとおりです。
気温と湿度が高い日に、想像していたよりキツイ峠でライドが幕を開けると、早々に心が折れてグダグダになるから気をつけろ
あと鳥居観音は自転車ではたどり着けません、俺は
いずれにせよ、真夏のライドに向けて、もう少し体を作り替えるか、熱をどうにかする装備を考えなければなりますまい……