
これまで買い揃えた輪行袋の山を前にして、「輪行袋ソムリエ」を自称する事でなんとか心の平穏を保っている私。
今まで、縦型のオーストリッチ「L-100」を「エンド金具とか面倒くさい」と投げ出し、タイオガの「コクーン」を「デカイ」と投げ出し、グランジの「キャリー」は気に入ったものの「畳んだときにデカイ」と文句を言い、最近は「キャリーライト+薄手のホイールバッグ」に落ち着いていました。
しかし、先日の「ダブルボトルと輪行袋の共存計画」で書いたように、キャリーライトでボトルケージが1つ埋まってしまい、真夏のダブルボトル作戦に弊害が発生。ホイールバッグも背中のポケットに入れるのは邪魔……と、新たな不満が出てきました。
不満を感じたら、すかさずポチる。それがロードバイクに対して財布の紐がちぎれ飛んでいる俺のジャスティス。クロネコヤマトから届いたのが、モンベルの「コンパクトリンコウバッグ」です。実に5個目の輪行袋。ミニベロ用を含めると6個目。簡単に言うと気が狂ってます。
※記事初出時、リンク先を誤って前輪のみを外す「コンパクトリンコウバッグ クイックキャリー版」に貼っていました。ここで紹介しているのは両方外す「コンパクトリンコウバッグ」です。
不満を感じたら、すかさずポチる。それがロードバイクに対して財布の紐がちぎれ飛んでいる俺のジャスティス。クロネコヤマトから届いたのが、モンベルの「コンパクトリンコウバッグ」です。実に5個目の輪行袋。ミニベロ用を含めると6個目。簡単に言うと気が狂ってます。
※記事初出時、リンク先を誤って前輪のみを外す「コンパクトリンコウバッグ クイックキャリー版」に貼っていました。ここで紹介しているのは両方外す「コンパクトリンコウバッグ」です。

それはさておき、コンパクトリンコウバッグ。その名の通りコンパクトで、キャリーライト(上写真右)と比べても、二回りほど小さいです。
タイプとしては、「ホイールバッグが付属しない横置きタイプ」にカテゴライズできます。横置きタイプというのは、自転車をひっくり返して、ハンドルとサドルを地面に設置。その上で、前輪と後輪を外して収納するタイプのこと。

リアディレーラーなど、ロードバイクのデリケートな部分が床に当たらないのでエンド金具は不要。なおかつ前後輪を外すので、コクーンのように前輪だけ外すタイプより小さくなります。ただし、絶対的な小ささは、縦置きタイプには敵いません。
横置きの代表格、グランジのキャリーシリーズとの違いを意識して特徴を挙げると、「ホイールをバッグに入れず、フレームに固定する」、「自転車を下から袋で包むのではなく、上から袋をかぶせる」の2点です。
言葉だけではわかりにくいので、実際にやりながら、その違いを見て行きましょう。


袋を展開すると、中から緑色のバンドが出てきます。袋の生地は薄く、グランジと比べるとひ弱な印象。ツルツルしていて肌触りは良いです。ウインドブレーカーの素材にちょっと似てます。
付属のバンドは、フレームとホイールを固定したり、自転車を持ち上げる時の肩紐にするためのもの。しかし、今回はフレームとホイールの固定にこのバンドは使いません。

さっそく、( ・∀・)イイ!! ポイントが。収納方法が袋の裏にプリントされています。「説明書どこだっけ?」と言いながら、やり方がわからず、駅前で途方に暮れる心配も無し。もっとも、輪行前には家で3回くらい練習した方がいいのですが……。
話を戻しましょう。いつものように自転車を逆さまにします。この際、グランジと違うのは、地面に輪行袋を敷かない事。ただ自転車だけを地面に逆さまにして、前輪と後輪を外します。
次に、持ち歩く際の肩紐となる緑のバンドを、チェーンステーとヘッドチューブに結びつけます。
緑のバンドを取り付け終わったら、フレームとホイールを固定します。シートステー、クランク、ヘッドチューブの3カ所で固定すると良いようです。
この際、先ほどのバンドは使わず、強力なマジックテープを使います。その方が、結束に時間がかからないだろうというアイデア。コンパクトリンコウバッグ使いの先輩であるゆっけさん発案の方法で、このマジックテープもゆっけさんから貰いました。ながーいので、ハサミで適当な長さに切って使います。



ボトルが汚れそうなので、スプロケは外向きにしてホイールとフレームを重ねます。

ビリリッとマジックテープを開いて、クルッと巻いていきます。バンドと異なり、サクサク作業できます。



マジックテープの固定力は強力で、かなりガシッとホイールとフレームが固定できます。グラつかず、なおかつフレームと直接触れるのはタイヤのサイド部分が多いので、万が一、ガチャッとフレームとホイールが当たっても、傷はあまりつかなそう。どうしても気になる人は、フレームと触れる可能性のある場所に、以前紹介した、傷防止テープを貼っておくとよさそう。

マジックテープでの固定が完了。この時、グランジと大きく違うのは、“ハンドルを横に切らない”事。グランジはハンドルを切らないと袋に入らなかったのですが、コンパクトリンコウバッグは切らないでも収納できるので、梱包作業時や、収納して駅のホームに置いた際、自転車が倒れにくいという利点があります(キャリーシリーズもキチンと収納すれば自立する)。
いよいよ最後の作業となる「袋に入れる」行程、身構えていましたが、これが非常に簡単。理由は、上からかぶせるだけだからです。
グランジの場合は、自転車の下に袋を敷いて、下から包み込むようにして梱包。ジッパーで閉じていくのですが、それゆえ、自転車がキチンと小さくなっていないと、ジッパーが上まで閉まらないという欠点があります。輪行慣れしていて、ササッと準備ができる人ならまったく問題ないのですが、慣れないと「袋が閉まらないよー( ;∀;)」とテンパる事になります。
コンパクトリンコウバッグの場合は、上からバサッとかぶせるだけ。ジッパーすら無く、非常に簡単です。ただ、そのままかぶせただけだと、裾がヒラヒラして、自転車が見えてしまいます。ですので、自転車にしっかりかぶせた後、下部のポケットに内蔵している紐を引っ張ると、キュッと下部全体がすぼまるようになっています。巾着袋を逆さまにしたものと言えば、イメージがしやすいでしょう。


あとは、輪行袋の上の隙間から、肩紐のバンドを外に出して、肩がけすれば完成。輪行袋自体をまとめていた袋が、上部に見えていますが、この袋を小物入れとして使うこともできます。


問題は、この工程がどのくらいのスピードでできるかという事。写真を撮りながら作業をしたので、初回は15分ほどかかりましたが、2回目は7分で完了。その後、駅前で実戦しましたが、その際も約7分で梱包できました。慣れれば、グランジのキャリーと、さほど変わらないスピードで輪行できそうです。
実際に梱包し、電車に乗り降りして感じた結論としては、
- 面倒なのでは? と危惧していたフレームとホイールの固定は、マジックテープを使えば楽に早く終る
- ホイールを固定する前に、運搬用のバンドをフレームに取り付けた方が作業しやすい
- 輪行袋を上からかぶせるだけなので疲れている時でもイライラせずに作業できそう
- 布地が薄いため、丁寧に畳まなくても小さくなり、袋に戻す作業も楽。輪行で帰る際、ヘトヘトになった状態で、畳み方がぞんざいでも大丈夫
と、かなり良い感じです。
マイナスというか、心配な点を挙げると……
- 生地が薄いので耐久性が心配。ただし、グランジのようにジッパーでキツく車体を包み込んでおらず、生地がクランクのギザギザなどに食い込むような事がないので、逆にコンパクトリンコウバッグの方が破ける危険性は少ないかもしれない
- 輪行袋の下部分が、巾着のようにすぼまっているだけなので、自転車から何かが落下した時に、袋の中でそれが止まらず、下に落ちてしまう
最も注意すべきは、2点目です。例えば、ボトルケージからボトルが抜けたとか、サイコンが外れたとかいう場合は、グランジと異なり、下からボトリと床に落ちてしまいます。
あと、ホイールを外してフレームに固定する前に、緩めたクイックを、少し戻してキツくしておいた方が良いです。万が一、袋の中でクイックが抜けて、そのまま地面に落ちて、気付かずに電車を降りてしまうと、ホイールが固定できないので走れなくなります。
な、なるほど。そりゃ困るわ。
あと何か注意すべき点は?
輪行袋を持ち上げる際、何かにぶつかって壊れるとマズイので、リアディレーラーを自分の前に持ってくるように担ぐじゃないですか。
うん、横置きタイプにおける輪行の基本だね。
例えば右の肩に担ぐとしたら、自分の体とロードバイクが接触する側に、スプロケを持ってこない方が良いですよ。
そりゃなんで?
グランジと違って生地が薄くて、ホイールバックに入れてもいないので、自分の体の側にスプロケがあると、歩いた時にギザギザが脚に当たって痛いんですよ。生地の耐久性という意味でも、体に当たらない、外側にスプロケが来た方が良いですね。


あと何か注意すべき点は?












ちなみに、以前はオルトリーブのサドルバッグMサイズに、コンパクトリンコウバッグを収納してみましたが……

この輪行袋、本当に小さいので、ジャージの背中のポケットにも楽勝で入ります。

(とりあえずRaphaのクラシックジャージのポケットには入りました)
とまあ、少し注意すべき点はありますが、概ね使いやすいですコンパクトリンコウバッグ。私がグランジを経て、ここにたどり着きましたが、初の輪行袋がコンパクトリンコウバッグという人も、それほど苦労せずに使いこなせると思います。
ぶっちゃけ、自転車に輪行袋を搭載できるか否か、ジャージのポケットに収まるか否かは、駅のロッカーに輪行袋を預けてしまえばさしたる問題ではありません。ただ、それらが可能になると、A駅からスタートして、B駅で帰るとか、自走でスタートして行けるところまで行って電車で帰るとか、そもそも輪行するかしないか決めずに家を出るとか、一気にコースの自由度が広がります。
「それならばリュックに輪行袋を入れて、背負ってライドをすれば?」と、思う人もいると思いますが、例え軽くても、リュックを背負いながらのライドと、背中に何も背負わずに走るのとでは、ウソみたいな話ですが疲労度が大きく異なります。出来る限り、背中はフリーにして乗るに越したことはありません。
……というわけで、理想の輪行袋探しの旅もこれにて終了……になると、良いんだけど。