
前回までのあらすじ
心の準備もできないまま、四天坂の一角、和田峠と対決。瀕死の重症を負いつつも、これに勝利したへるはん。しかし、和田峠が息絶える瞬間に放った“ヒルクラスキー毒矢”による毒が、徐々にへるはんの心を蝕んでいくのであった……。
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(読了後再生推奨/画質は720/60p、1080/60pがオススメです)
※ヘロヘロになって揺れるので全画面表示は酔う危険性アリ!!
※ヘロヘロになって揺れるので全画面表示は酔う危険性アリ!!










当初は「入山峠→足湯→時坂峠」の予定でしたが、和田峠のヒルクラ毒が体中にまわった男の妄言により、なんと先週と同じ和田峠に突撃する事に。今回、坂練に巻き込まれたのは、お馴染み茶川探検隊(仮)から、けるさん、トントンさんの2名。合計5名となります。










そういえばトントンさん、裏尾根幹登った後で、サクッと乙女ギア導入したと言ってたんでした。うらやましい……。
そんなこんなで、ワイワイやりつつ、先週と同じ、多摩川CR→浅川CR→陣馬街道というルートをクリア。陣馬街道へ。


ほどなくして、ラストコンビニに到着しました。ここから先に進んでしまうと、もう本当に和田峠や入山峠と戦うしかありません。








魔界が目の前に迫ってきて、ようやく目が冷めましたが、2週連続で和田峠なんて正気の沙汰じゃありません。あんな激坂テーマパーク、練習場として通うような域にまるで達していない私にとっては、“ネタ坂”的な別格の存在。考えただけで脂汗が出てきます。




嫌だ嫌だと、アワアワ言っているあいだに、先週も見た分岐点に到達してしまいました。
右に進めば、私がお気に入りの、比較的脚に優しい入山峠。左に進めば、魔王の城です。






漏れそうになったら出発しよう。



こやつwww 先手を打ちおって!!!

まずっ!!!!




アホな準備はさておき、ここまで来たら腹をくくるしかありません。地獄の登坂の開始です。
前回、様子を見ながらゆっくり登ったへまさんは、けるさんとタイムアタックを試みるようです。ガーミンのタイム計測ボタンをピッ!! とやって「ちょっと頑張ってみる」と、あっという間に視界から消えました。

この常軌を逸した激坂パラダイスでタイムを計測しようと考えられる異次元人は放っておいて、我々インナーロー教団3人(※ただし、ゆっけさんはスパイ疑惑中)は、とりあえずクリアする事が目標です、
私は1度登坂をしているので、この先がどうなっているのか? どのくらいのスタミナ配分で登ればいいのか? は、ある程度把握しています。初挑戦の2人が感じる難易度が100とした場合、私が感じる難易度は75程度になっているでしょう。
私はそのアドバンテージを活かし、ゆっけさんの本気を引き出しつつ、なおかつ彼に勝利する必要があります。






真実とは真逆の情報を与え続ける、狡猾で残忍な情報戦。私の予定では、それを信じたゆっけさんがアタック→ギャフンという華麗な流れでしたが、ニセ情報を得ても、ゆっけさんはインナーローじっくり登坂スタイルをまったく変える気配がありません。


ならば、言葉の情報ではなく、視覚情報に切り替えます。もうすこし速く登る事はできますが、あえてスピードを落として、無口になり、ゼーハーゼーハーと荒い息をして“もう限界”アピール開始。
これをチャンスと感じたゆっけさんがアタック→でもまだ峠は終わらない→力尽きたところで余力を残した私がアタック→勝利!! という流れを狙います。
演技なんて姑息と思われますが、ロードレースに演技はつきもの。インナーロー教団内のバトルと言えど、勝利を得るためには、心を鬼にして姑息な手も必要なのです。








あー、なんだよこの坂ー

アタックチャンスが訪れている気がしますが、アタックできません。私は大きな問題点を見落としていました。そもそも和田峠は俺ごときが余力を残しながら登れるような峠じゃなかった。
チャンスに活用しようと残していた余力は、アホかと言うほど次々登場する激坂のクリアに使われ、気づいた時にはスッカラカン。例えるなら、砂漠で遭難し、いよいよダメだと思って最後のペットボトルを取り出したら、底が抜けてカラッポだったような絶望感です。
激坂は、走るラインによって斜度が変わります。しかし、歯を食いしばりながら登っている最中に、ハンドルを上手く操作し、理想的なラインを走行するパワーが残っていません。目の前にキツイ斜度が待ち構えているのに、大きな石が転がっているのが見えているのに、そっちに進むしかない恐怖。
私の実力を超える斜度にハンドルをとられ、アワワワとなって、脚をつきそうになるのを体幹でなんとかねじ伏せます。冷や汗がドッと出ますが、ハンドルから手を離して拭う余力もありません。
心の支えは、約30分でこの地獄を抜けられるという経験のみ。なんとか耐え続け、最後のカーブが見えたところで、なけなしの力を振り絞ってスパート!!


あ!、もう終わりか!


というゆっけさんの声が後ろに遠ざかるのを感じながらも、脚をゆるめず、短いスパート完了。
経験者だけが使える姑息な手を使い、見事に勝利を収めました\(TдT)/

相変わらず、ロードから降りると膝がガクガク。前回は、冗談抜きに立っていられずにへたり込んでしまいましたが、今回は「やっぱり膝はガクガクになるわー」と笑える余裕はかろうじて残っていました。しかしまあ、1、2回登っただけでは、劇的な変化は無く。この訓練を何度もやらないと、力はつかないのでしょう。
ちなみにけるさん&へまさんの異次元バトルは、「両足攣ったww」といいながらも、けるさんの勝利。けるさんがゴール後、僅差でへまさんがフィニッシュという結果だったそうで……。







ちなみに、トントンさんも初挑戦ながら見事に脚付き無しで無事クリア。


ヒルクラ経験は乏しいというトントンさんですが、もともと体力があるので、パワーで登れてしまうだろうなと思っていましたが、後ろから見ていると、ケイデンスが誰よりも高く、グルグル回して登っていました。本人のパワーもそうですが、あの斜度でも、あの回転数で回せる乙女ギアの威力にも改めて驚きました。
ヒルクラで無意識に力を入れ過ぎて、膝が痛いとか、攣るみたいな人は、乙女ギアを導入してハイケイデンスクライムをするってのも一つの手かもしれません。ああー、オレも乙女ギア欲しいー。コンポまるごと入れ替えるかなぁー……。



坂は一日一個までって、おばあちゃんに言われてるのに
和田峠はキツイ斜度が連続しますが、距離は短いので、どんなにノロノロ走っても30分くらいで終わります。それゆえ、脚はガクガクになりますが、しばらく休めばある程度動けるようになります。都民の森のような長い登りは、体中のエネルギーが全部無くなって「やべえ……気を抜くとここで寝てしまいそう……」というレベルまで追い込まれますが、それとは疲れ方が違うのです。
だからと言っても和田峠→入山峠の2連チャンなんて、ヒルクライマーでもない私からすれば、ヤバイなんてもんじゃありません。視界の隅っこで、ゆっけさんが人差し指をクロスさせて「ムリって言って」というマークを出していますが、それを見ると逆に「行ってやろうか」という暗い情熱が沸き上がってくるふしぎ!
かくして、気持ちの整理がつかないままの私&ゆっけさんを含めた5人のトレインは、ダウンヒルを終え、さも当然という感じで入山峠へ……狂ってやがるww

先週、積雪が酷くて途中で断念した入山峠。今回は大丈夫でしょうか? 途中の道路を見るかぎり、かなり雪解けは進んでいるようす。オールクリアといかないまでも、数カ所歩けば頂上に辿り着けるような状態なら良いのですが……。
入山峠を登り始めて、まず私とゆっけさんが驚いたのは、斜度のユルさ。もともと入山峠は、斜度がそんなにキツくなく、にも関わらず景色がバツグンなのが気に入っているところ。しかし、ユルめと言っても山奥の峠である事には変わりなく、前回はそれなりに「ヒーヒー」言いながら登った記憶があります。

しかし、激坂まみれの和田峠の直後に登ると、体内斜度計が完全にぶっ壊れているので「ゆるっ!!」、「平地じゃん!!」と謎の感動が。ハバネロを生で1kg食わされた後に、カラムーチョ食べて「むしろ甘いじゃん」と感動するようなものかもしれません。

登り始めてしばらく進むと、わずかにまだ雪ゾーンが。仕方なく降りて徒歩で進みますが、逆にこの雪ゾーンのおかげで、合法的に、オレの心が傷まない形で脚付きする事ができ、適度に休憩しながらの登坂が実現。やはり、入山峠はオレに優しい峠だった! 入山最高!!



このマチュピチュ感が最高です。





ふぁー

想定外だったのは、パノラマ地点から入山峠の碑がある頂上までが雪まみれだった事。どうやら日当たりが一日を通して悪い場所らしく、けっこう徒歩での雪中行軍を強いられました。

さらっと土砂崩れが発生中


幸い、武蔵五日市側は除雪されており、快適なダウンヒル。ただし落石や路面が荒れた部分もあるので注意は必要です。


……と、快調に降っていたところ、後ろでパンッ!! という音が。


トントンさんの後輪が、尖った石か何かを踏んでパンク。初パンクだそうですが、タイヤ交換には慣れてるというトントンさん、サポートは不要っぽいので、これ幸いと、私は雪が残る風景撮影を堪能。武蔵五日市側は小川沿いのダウンヒルとなっており、水墨画のような世界が楽しめます。




パンク修理を終え、外界に戻ると、すでにお昼を過ぎておやつの時間。思えば昼飯も食べずに峠で遊んでいたので、お腹はペコペコ。武蔵五日市駅前から都心部に向けて戻りながら、ガストで遅めのランチ。しっかりエネルギーを回復して、帰路につきました。


2週連続の和田峠、どうなることかと心配しましたが、なんとかなりました。特に、和田を登った直後に、入山峠の斜度が凄くゆるく感じたのは衝撃的でした。
私がヒーコラ言いながら登る坂を、ヒルクラ上級者が「これくらい坂とは言えないよ」的なスタンスで登ってしまうのを見て「どうしたらあんな感じになれるんだ」と不思議でしたが、「それ以上の地獄を体験したから言える言葉」なのだとわかりました。和田峠で一度死ぬ思いをすれば、斜度的にはそれを超える峠はなかなか出てこないので、良い意味でも、悪い意味でも“耐性がつく”のかもしれません。



はじめましてー、書き込みありがとうございます!
まじですか!? 目撃されてました?? いやぁ、お恥ずかしい (^^;
同じようなところウロウロしているので、今度見かけたら声かけてくださいww
そして100kmライド達成おめでとうございます!!
100超えたらもう、150も200も同じです。
ウソです、200走ったことないので適当ですw 150くらいまでならもう同じです(^^;
そしてハルヒルエントリーすげー! 私はまだビビって、試走についていこうかなぁくらいです (^^;
初ヒルクラ挑戦場ですが、時坂は行ったことがなく、ただ「短い」と聞くのでさほど
大変なことにはならないと思います。ただ、人が少ないと思うので路面が荒れてたり
雪が残ってたりする可能性がありますね、この時期でもです。
梅の木はキツイので、いきなりはやめた方がいいかもしれません。
入山はそれらよりも優しいので、初挑戦には良いと思います。
SO-1さんだと、より初心者向けの大垂水峠では、おそらく簡単過ぎると思います。
道が綺麗でしっかりしているという面では、都民の森ですかね。
ちょっと距離がありますが、自分が長距離登坂OKなスタミナ派か、
短い激坂を力でねじ伏せる派かわかるかもしれません。
私はどっちもダメですw