前回までのあらすじ
チャリで軽井沢行くため、碓氷峠にアタックしようと思ったらクリート壊れたったwww(あらすじ終了)
JAFを呼ぼう
いや、こんな時こそ俺様のあうて保険加入パワーをみせつけてロードサービスを呼びつける時だ。
俺はビンディング使ったことないからわからんのだが、それが壊れたら試合終了なのか? 自転車屋でも探すか? もしくは左脚だけを凄いスピードで回すとか。
いや冗談はさておき、俺のビンディング靴はSPDで、ペダルもシマノのビンディング/フラペ両対応の「PD-A530」だろ。つまりクリートが壊れたら、普通の靴とフラットペダルとして乗ればいいだけの話だ。
でも坂道でビンディングの引き足使えないの辛いだろ。
それはフラペ+運動靴のオマエも同じだろ。
まあそうだな。
頻繁に降りて写真撮ろうとウロウロするためにこのペダル仕様にしていたけど、こういうアクシデントに強いって利点があるんだな。それに、空気入れなんかと同じように、クリートネジの予備も携帯していた方が、山に行くロングライドでは良いってのも勉強になった。
とりあえず左足ビンディング、右足フラペという仕様のまま、ヒルクラを再開。ヒルクラと言っても、まだ碓氷峠の本番区間には入っていません。中山道(18号線/上毛三山パノラマ街道)を西へと進みます。
本格区間ではありませんが、このあたりでも結構な上り坂。しかもド直線で見通しが良いので、「あんなところまで行かなきゃいけないのか」と心が折れがちになります。ただ、一晩寝て起きた朝なので、元気は満タン。逆に、昨日の120km走行のまま、碓氷峠に突撃していたらゲッソリしていただろうなぁと思いながら軽いギアをクルクルまわして進みます。
曇り空ですが、景色は絶景。だいぶ山が近づいてきました。
ほどなくして、峠の釜めしで有名な”おぎのや”の横を通過。朝ごはん代わりに釜飯食べようかとも思いましたが、宿で朝ごはんは食べたし、昨日のパスタのエネルギーも残っているので、先に進みます。
松井田町原という地区に到達。前方に見えるのは刎石山(はねいしやま)です。車は少なく、道も綺麗で走りやすさは抜群。しかし、ド直線でずっとゆるく上り坂が続いているので、精神的にかなりゲンナリします。「登るのはいいけど、少し隠しておいてくれ」と思いながらも、クランクを回し続けます。
片足フラペという状態ですが、剛脚なはずののんれす氏を追い抜き、けっこう先行。振り返っても姿が見えなくなってきたので、神社で一休み。
今日は遅いじゃんか。
いや、山で補給ができないとマズイかなと思って、ポカリスエット イオンウォーターの900mlをボトルケージに2本と、背中のリュックに1本で合計3本背負ったら、背骨が折れそうなほど重い。
1本捨てろwww
なんだよ、俺が坂に慣れてきて速くなったのかと錯覚したじゃないか。
神社の前が、直線区間の終了地点。どうやら、ここから先が碓氷峠(旧道)の本番区間のようです。気合を入れ直して、心拍数を上げすぎないよう注意しながら登りはじめます。
なあ、なんかカーブのところに番号が書いてあるな。
碓氷峠名物(?)らしく、カーブが沢山あるので、終わりまで全部番号が振られてるらしいよ。これは2番目のカーブって事だな。
キロポスト代わりに、あとどれくらいかの目安にもなるわけか。最後のカーブは何番なんだ?
下調べしている時に見つけたけど、むろんそれが書いてあるページは見ずにブラウザを閉じた。
なんでだよww
当たり前だろww これが19番で終わりって言うなら、もうちょい頑張ろうという気になるが、最後のカーブは4912ですとか書いてあったらそこのオシャレなコテージで冬までフネ寝するしか無いだろww
これ廃墟だろww
廃線跡もあるな。たぶん碓氷線ってやつだ。碓氷峠鉄道文化むらってテーマパークもあったはず。
自然も含めて見どころは豊富ですが、街中と比べ、やや勾配もキツくなっていて、あまり軽口叩いてもいられなくなってきました。ただ、勾配は4-5%といった感じで、「キツくてペダルが回らねえ」という感じでもありません。大垂水の序盤区間程度です。
ほどなくして、碓氷湖に到着。ダム湖です。
とりあえず背伸びして、それっぽい写真を一枚撮ってヒルクラ再開。ヒルクラでなければ、寄り道してちゃんとした写真でも撮るかと思いますが、この先がどれくらいキツイかわからない初アタックでは、とにかく登り切ることが優先です。
カーブは21個目……
勾配は緩いですが、とにかく距離が長い。1,000mまで登るのは都民の森と同じですが、武蔵五日市の駅から約23kmで登る都民の森に対し、軽井沢は高崎駅から約40kmで登る事になります。おかげで斜度が緩いので、「疲れたなぁ」と思いながらも、足をついたり、座り込むほどではなく、ゆるゆると登り続ける事はできます。
ただ、途中で平坦な区間がほとんど無く、下り坂も無く、いわゆる"ご褒美区間”がゼロ。一定の負荷をずっとかけ続けられるので、ヒルクラの練習というか、ダイエットというか、とにかく運動には良さそうな道です。
そして調子を取り戻したのんれす氏に抜かれるwww
追いかけていくと、大きな構造物が登場。駐車している車も沢山出てきました。
出現したのは、碓氷湖の名物・めがね橋。レンガでできたアーチ橋です。日本最大のレンガ製アーチ橋だとか。
かつて上を走っていたのは鉄道で、勾配がキツイので、アプト式(ギアみたいな車輪で登っていく方式)が採用されていました。今では遊歩道になっていて、上を歩く事もできます。
深い森からレンガの橋が出現している様は圧巻の一言。現代の橋より趣があって、自然にマッチしています。
下を見下ろすと、渓流をさかのぼっている人達が!!
この湿気が強い曇空の下、趣味とはいえよくやるなぁと思いますが、誰に頼まれるでもなくワザワザ山奥まで自転車で登ってきた野郎に言われたくはないでしょう。登山趣味はありませんが、あーゆーのもやってみると楽しいんだろうなぁ。
めがね橋の特徴は、非常に背が高い事。ただ、スカイツリーとか東京タワーと一緒で、背の高いモノと自分の近くにあるものを一緒のフレームに入れて記念撮影するのは結構大変。超広角レンズや魚眼レンズでも持っていれば話は別ですが、私の装備はコンデジのRX100MK3のみ。搭載レンズは広角24mmでコンデジとしては優秀ですが、てきとーなアングルでは"見上げるほどの巨大さ”は感じられません。
こんな時はもう、実際にカメラを超見上げさせて巨大さを演出するしかありません。RX100は背面モニタがチルトするので、地面にカメラを置いてしまっても、モニタを見ながらフレーミングが可能。超ローアングル撮影ってやつです。
コミケでレイヤーのパンツを狙うカメコ並に地べたにしゃがみこんで撮影しているところ悪いが、さっきカップルに「あの人チョー必至ww」って笑われてたぞ。
ほっとけ、横着したら良い写真は撮れねえんだ。
この方が、「めがね橋でけえwww」って感じすっだろ。
あー確かに。
めがね橋でしばしの休憩の後、再びヒルクラ再開。相変わらず勾配はゆるめなので、ギブアップするほどではありませんが、一定のキツさが延々に続く事に変化はありません。
慌てず、力まず、一定のリズムで、心拍数が不必要に上がらないように黙々と漕ぐ。まさに自分との戦いで、精神修行のような感覚すら覚えます。
ただ、細かなカーブが頻繁にあるので、道路の先が見え過ぎず、「まだあんな先まで行かなきゃいけないのかよ」というゲンナリ気分にはなりにくいのが良いところ。距離は長いけれど、初心者向けとされている理由がよくわかります。
ただ、さすがに「どんだけカーブあんだよ」と突っ込みたくなるほどカーブが続くので、永遠に終わらないんじゃないかと不安になってきます。
ふと目をやると、カーブナンバー135!!
も、もうそんなに登ったのか……。
道路工事で仮設信号が置かれている場所に到達。
先行していたのんれす氏が休憩していたので、私も休憩。
なんか雨降ってきたな……
ああ。だが、この長さで35度みたいな炎天下だったら死んでただろから、むしろ雨の方が良かったかもしれん。路面は濡れるので、いずれにせよ帰りのダウンヒルで死にそうだが。
お前ダウンヒル苦手だもんなぁ。
完成車に標準採用されていたノーブランドのブレーキを、俺がまったく信用していないからな。
ブレーキシューだけDURA-ACEのやつに取り替えて、なんちゃってコンポアップグレードやるとか言ってなかったっけ。
買うだけは買ったが、まだ取り替えてない。だいぶ磨り減ったが、まだイケるはず。
その貧乏チックな考え方が一番危ないんじゃないのww
休憩でダベっている場所から、脇道を覗くと、自然の通行止め状態。自分がどれほどの山奥まで登ってきたのかというのがよくわかる光景です。
さあ、恐らくもう少しで登りきれるはず!! 脚は残ってますが、気力が萎えそうになるのをこらえつつ、再びロードにまたがります。
ひゃ、ひゃくろくじゅういち……
そして…… ついにこの時が。
きたあああああああああああああ!!
ながのけん!!
登りきったところが県境なんだな。
ついに、ついに自分の足だけで長野に到達できた!!
運動とは無縁だったこの俺が、まったく信じられん。
長野は遠くて、でも近い。生まれて初めて本当に長野に行った気分だ。いやぁロードバイク最高!!
では、アクションカムで2秒おきにインターバル撮影していた静止画を、モギュッと繋ぎ合わせてタイムラプス動画にしてみました。これが碓氷峠の全行程です! どうぞ!!
盛り上がっているところ悪いが、雨がだいぶ、土砂降りレベルになってきたんだが。
とりあえず軽井沢駅に避難しよう。
東京のコンクリートジャンゴーを抜け出し、高崎を過ぎ、峠で濃密な森林浴時間を過ごし、到達した我々を出迎えたのは、コンクリートジャンゴーであった。
テwラwクwソw都w会www
ショッピングモールだかがあるせいか、凄まじい車の量だな。
緑の高原軽井沢のイメージとだいぶ違うんだがww 森とコテージみたいな奴がまるでない。
まあ駅前だしなぁ。でも、よりにもよって軽井沢に、こんなどこの郊外にもあるようなモール作って、渋滞生まなくてもいいような気もすんな。
というか、電車でこの駅降りて、ショッピングモール行くならもはや軽井沢である必要ゼロだなww
しばらく軽井沢のオシャレゾーンをウロウロしていましたが、雨は強くなるばかり。予報を見ても、上がる気配は無く……。とりあえず長野県に到達し、軽井沢にたどり着くという目標はクリアできたので、小諸行きは断念。また次の機会にとしました。
小雨レベルであれば、せっかく登った碓氷峠をダウンヒルして高崎まで戻って、電車で帰りたいところだけど……。
碓氷峠クリアした俺のタイヤがベロリと逝ったwwww
ダウンヒルでなんか踏んだら死ぬなこれww
素直に軽井沢から輪行にしようww
輪行袋に収納。お盆休みまっただ中ですが、逆に、まっただ中に東京に戻る人は少なく、飛び込みでも新幹線のチケットは余裕でとれました。
いやー新幹線久しぶりだ。とにかくお疲れ様でした。途中でスルーした峠の釜飯は、新幹線の中で楽しもうと、駅で買ってみました。
まあ味はフツーだな。
まあこういう名物の中では美味しい方なんじゃないの。昔車で通った時は、ドライブインかなんかで買ったなぁ。
このウズラの卵が好きでさぁ、最後までとっと
~次はー、東京ー、東京です~
新幹線はえええええええええええええw
俺達の2日間の苦労が、釜飯食ってるあいだに無になったww
そういえば、「あの夏で待ってる」の巡礼は?
…あ!