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 初心者も楽しめるオススメイベントとして、このブログで何度もレポートしてきた長野のAACR(アルプスあづみのセンチュリーライド)。ただ、私が今まで参加した事があるファンライドイベントはこのAACRのみ。「楽しかった」、「他の人にも走って欲しい」と言う事は可能ですが、他のイベントを経験していない以上、“AACRが最高だよ”と言う資格は本来ありません。

 他のイベントはどんな感じなのだろうか? という純粋な興味から参加してみたのが、、昨年の夏の「那須高原ロングライド」です。

 那須ってどこだよという話ですが、このあたりです。

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 東京で暮らしていると、“那須”=“那須高原”=“避暑地”というイメージ。軽井沢と同じような感覚でしょうか。


 ただ、土地勘がないので、コースを見てもよくわりません。「大は小を兼ねる」精神でとりあえず一番長くて登る「ヒルクライム100(標高差1,254m)」にエントリーしましたが、「時間制限がキビシイ」、「夏だとけっこうキツイ」と不穏な噂がチラホラ。


 さらに、エントリー峠があったりして、いつものメンバーはもっと短い「那須DAKE80」を走ることに。AACRと同様、途中で小回りに切り替えられるようなので、「まあ100コースでエントリーしつつ、実際はまったり80でいいか」と思いながら那須に向けて出発しました。


 スタートは早朝なので前泊も考えましたが、すぎさんが車で行くというので、と~るさんと共に便乗させてもらう事に。出発はもちろん、夜明け前です。

 前日の夜、あれやこれやとリュックに荷物を詰め込んでいると、前泊している女性陣からTwitterで連絡が。

fFd2wR8S_400x400ボトル忘れたwwwwwww



e3e05b84まっつーさん夏にそれはヤバイwwww ちょうど使ってないボトルあるから持っていくよ



wR16x7CP_normal私も忘れ物した



e3e05b84え!? ゆっこさんもボトル?



wR16x7CP_normalジャージ



e3e05b84おwwwwwいwwwwwwww


 前日に気づいたのが幸いでした。ちょうど着てないジャージもあったのでイロイロリュックに詰め込み、すぎさんカーに乗って那須へとワープ。
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e3e05b84はい、忘れ物しちゃ駄目でしょ!



wR16x7CP_normalfFd2wR8S_400x400ヽ(=´▽`=)ノ


e3e05b84俺はお母さんか


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 スタート地点に行くと多くの人でごったがえしています。その中に、毎週楽しみにしているNHKのロードバイク番組「チャリダー」の面々も。

 憧れの坂バカ、猪野学さんにも会え、記念写真も撮らせてもらい感激。

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e3e05b84いやぁーもう帰ってもいいわ


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 スタート直後は市街地ですが、ほどなくして緑の田園風景に。

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 視界に入るのは青い空と緑の絨毯、その間を自分が走っていく開放感がたまりません。「ああやはりロードバイクは都会で走るものではないのだ」と、思わずにはいられません。

 長野のAACRに出たことがなければ、とても感動したでしょう。ただ遠くにアルプスの山々を臨みながら、終わりの見えない緑の平原を走るような長野の感動には及びません。“凄い事は凄いけれど、もの凄くはない”という感じです。

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 視界の先には那須岳が。今回のコースはあそこを登って降りて、グルっとまわってゴールというイメージ。
80kmコースの獲得標高は1,516m。「ロードバイクを買ってからそれほど時間が経っていない」、「本格的な峠には行ったことがない」という人には、かなり歯ごたえのあるコースでしょう。難易度のイメージとしては都民の森→風張峠(※風張林道ではない)をクリアしてぐるっと回って帰るくらいでしょうか。

 むろん、このブログでよく出て来るような、足をもぎ取られるような激坂は無いので安心です。そんな坂が組み込まれたファンライドイベントあったのなら、道端が死体まみれになります。

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 ロードバイクに関して、さしたる進歩の無い私ですが、80km/1,500mUP程度であれば死ぬ事はありません。となると気になるのは絶景とグルメ。必然的に、これが那須ロングライドの評価を左右する事になります。

 まあ山岳の絶景という意味では100kmコースを走るべきですが、那須岳の頂上も標高1,500mほどあるそうなので、それなりの景色は楽しめるハズです。

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 ここまでで経由してきたエイドでゲットしたのは、バナナ、ガレット、杏仁豆腐、カスタードクリームをカステラでつつんだ「御用邸の月」など。

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 どれも美味しいのですが、朝食という感じではなく、“お菓子”や“おやつ”という感じ。「まあ朝ごはん食えや」という感じでパンにジャムをぬりたくらせるAACRと、ちょっと違って面白いです。
 
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 那須高原を抜け、那須動物公園をかすめるようにして進むと、本格的な登りがスタート。

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 斜度は6~7%程度でしょうか。道幅も広く、走りやすい“とっても普通の峠”です。風景は緑のトンネルがメインで、木々が途切れるところはなく、頂上まで絶景はおあずけのようです。

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 景色は楽しめませんが、途中で那須動物公園のフクロウを腕にとまらせた飼育員の方が応援してくれるなど、嬉しいサプライズも。皆でダベリながら楽しく登っていきます。

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 暑さも手伝い、ツライ事はツライですが、足をつくような激坂はありません。ただ、登り区間は10km以上と長いため、淡々と、無理のないペースで登る冷静さが大切。ヒルクライムが得意な人が出るレースではないので、疲れて道路脇で座り込んだり、押して歩いている人もチラホラ見かけます。

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 ファンライドイベントとはいえ、時間制限はあるので気持ちは焦りますが、無理をして速く登る必要はありません。「これならば、そんなに無理をしないで耐えられる」という手の抜き具合で、だらだらゆるゆる……。足も肩も脱力して、速度が1ケタになっても同じリズムで耐え続ける事が得策です。

 頑張りすぎてギブアップして10分座り込んだり、足が攣ってのたうちまわると、結局脱力のんびり登坂に抜かれます。まさにウサギとカメのカメ理論。「どんなに遅くともそのうち着く」という真理の実証、私のロードバイク人生はその一点に尽きます。

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 頂上どんぐもりやんけwwwwwww

 晴れならば、那須町をぐるっと見渡せたのでしょう。走りやすくて、キツ過ぎず、確かに良い峠です。私が那須に住んでいたら、休日になるたび足を運びそうです。

 ただ、榛名山や赤城、美ヶ原や、その他有名峠、モンスター級の峠と比べ、何か特徴があったか? と言われると微妙な印象。歴史的遺構があるとか、景色が凄く独特だとか、“那須岳ならでは”のものが、このコースには足りない気がします。

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 景色がイマイチならば、花より男子。このイベントで最も楽しみにしていたと言っても過言ではない、“うなぎリ”にかぶりつきましょう。その名の通り、うなぎの蒲焼き入りのおにぎり。うなぎのタレが染みたおにぎり部分のしょっぱさが、疲れた体に染み渡ります。

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 ああおいしい、これぞまさに那須ロングライド。ファンライドイベントには、それを食すために参加するという、名物が必要なのやもしれません。

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 お腹がふくれたらダウンヒル……ですが、大人数で下ると危険なので、何人かのグループで下り、間をあけて、次のグループが下り……というシステム。待っているのは退屈ではありますが、安全面を考えるとありがたい処置と言えます。

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 我々の順番になり、ダウンヒルスタート。……ただこの下り道、途中までは森の中を快適に進めるのですが、そのまま那須湯本温泉の温泉街へと突入しています。古い温泉街であるためか、道幅はさほど広くなく、一般車も普通に走っており、注意しなければいけない区間です。

 レースでもないイベントのダウンヒルでスピードを出しても、まったく意味はありません。前を走ると~るさんは、流石に慣れているのでキッチリスピードを落とし、後ろの我々もそれに合わせてスローペース。しかし、落としすぎると、間をあけたはずの後続グループとの距離が近づいてしまいます。

 前のグループを見ると「あのスピードは危ないのでは」という速度の人もいて、ちょっとヒヤリとする区間でした。恐らく他に道がないのだと思いますが、初心者も参加する大規模イベントでダウンヒルするのはややリスキーな印象。登りと下りの道を逆にした方がいいような気もしました。

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 那須岳から田園風景の中に帰還。

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 その後のエイドでは、本格的なご飯が登場。唐揚げや牛丼や、カレー、スープ餃子などの大盤振る舞い!!

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 ヒルクラを終えた安堵も手伝い、皆でうまいうまいとモグモグ。

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 さらに続くエイドでは、かき氷や蕎麦なども登場。グルメ的には非常に充実したイベントと感じましたが、同時に、配置的に“前半にもう少しご飯ぽいものがあってもいいのでは?”という気持ちも。

 山登る前に食べると気持ち悪くなる
っていう説もありますが。

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 その後のコースは、たまーにミニ峠っぽい坂は登場するものの、基本的には平坦や下り基調の田園風景を進んでいきます。道幅は広く、路面もキレイで、走りやすい道ばかりが選ばれており、快適そのものです。

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 グルメと風景以外の特徴として、那須ブラーゼンやブリッツェンフェアリー自転車競技部など、選手や著名ライダーと一緒に走れるというのも面白いポイント。

 特にプロ選手は、私がヒーコラ言いながら登る坂も、バキバキに筋肉がついたふくらはぎを見せつけながら、まるで平地のようにスーッと登っていきます。「人間、努力を重ねると、あんな事が可能になるものか」という実例を、間近で見られるのは貴重な経験です。

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 走り終えた率直な感想は、悪くないんだけど微妙

 私がもしAACRを走ったことがなければ、開放的な景色、エイドのグルメに感動し、「オススメ!」と言っていたでしょう。しかし、自然の圧倒的なスケール感は、やはり長野には勝てません。“いつもと違う世界を走っている”という感覚は、AACRの方が上と感じました。要するに“那須の方が都会”なわけです。

 それでいながら、東京から那須へのアクセス時間が、長野と比較して劇的に近いわけではないというのも気になるところ。那須のスタート地点付近は、あまり宿が充実しておらず、スタート地点のアクセスのしやすさ、泊まりやすさ、利便性の高さは長野(松本)の方が勝っています。

 一方で、有名選手達が一緒に走ってくれるなど、那須ロングならではの良い点もあります。ただ、選手とずっと走っていられるわけではなく、また、遭遇できるかどうかも運まかせな部分があります。憧れの選手と一緒に走れる魅力をUPさせるには、もう少し効率的なやり方があるような気もします。

 ロードバイク買ったばかり。家の近くに山や峠が無く、行ったことがない、ロングライドも100kmクリアできるかわらない……という、東京や千葉、横浜あたりの人が、えいやと挑戦してみるイベントとしては、個人的に、AACRの方がオススメです。那須が面白くないというわけではありませんが、どうせならば“長野やべぇ”という洗礼を早期に受けた方が、渋峠や乗鞍などへの憧れが強くなり、その後のロードバイク人生がスムーズにおかしくなっていける気がします。

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 個人的に今後、このようなファンライドイベントに出るとしたら、那須よりももっともっと遠くの、田舎でやっているイベントに出てみたいと思った次第。景色に凄く特徴がある、グルメがものすごい、そのイベントでしか走れない道路があるなど、やはりガツンとした強い芯が必要なのだと思います。まあ、お前がAACRをオススメするのは、木崎湖という芯があるからだろと言われたら何も言い返せませんが(AACRにはもう参加しないけど)。

 とはいえ、慣れないうちは、こうしたファンライドイベントに1度や2度、参加した方がいいと思います。“ある程度乗れるようになってからでないと恥ずかしいし心配”と思いがちですが、心配だからこそサポートが手厚いイベントで挑戦すべき。一人でよくわからないまま無謀なライドをして、見知らぬ森の奥でパンクして途方に暮れる方がよほど危険です。

 また、「いつか峠に挑戦しよう」、「輪行できるようになろう」と思いながら、なかなか腰が上がらない人は、こうしたイベントがあるから、背中を押されて挑戦するキッカケになるかもしれません。周囲に参加してくれる人がいなくても、同じペースで走ったまわりの人が、いつの間にかロード仲間になっているかもしれません。

 2017年はどんなイベントに参加してみようか、今から楽しみです。

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