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 商業誌から同人誌まで、自転車乗りがニヤニヤする漫画を紹介してきた「自転車乗り向け漫画紹介」カテゴリ。

 新たなネタを補給するため、昨年末に開催された冬コミ(2日目)も、行こうと考えておりましたが、ライドを優先して不参加。しかし、同人誌自体は入手済みですので、注目の新刊をザザっと紹介。欲しくなったら、COMIC ZINなど、委託販売を行っている書店で購入可能です。

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 まずはお馴染み「LONG RIDERS」の新刊。このブログでもずっと取り上げてきましたが、はやいもので、もう「7.0」。その間、コミックになり、アニメ化もされ、まさに怒涛の展開です。

 しかし、7.0になっても「距離の長い短いに関わらず、ローディーそれぞれにとってのロングライドをレポートする」という根幹は変わっていません。

 象徴的なのが、「小さなランドヌールが挑戦! 初めてのパン屋さん23.1km」。小学生の娘さんとの、23.1kmのライドをレポしたもので、距離は短いながら、中身は立派なロングライドレポ。体の痛み、前に進まない向かい風、折れかかる心を美味しいグルメで奮い立たせ、「あとちょっとで着く」という先輩ローディー(パパ)の口車に騙されながらの大冒険。微笑ましいだけでなく、”なぜ自転車で大変なライドをするのか”というプリミティブな楽しさを思い出させてもらえます。

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 「LONG RIDERS」と言えば、定番の木崎湖へのライド。死ぬまでにいつか、自走で木崎湖に行こうと決めている私には、参考になるライドレポです。今回のルートは、東京の立川から、飯能方面に進み、高崎を経由して碓氷峠から長野方面へ……というもの。私は荒川CR→利根川CRを考えてばかりいたので、このルートも新鮮です。しかしながら、木崎湖への旅はやはり一筋縄ではいかないようで……。

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 一方、私が逆立ちしても走破不可能な異次元ライドのレポも。「連続10日間! 日本列島縦断ブルベ2400km完走の記録」というタイトルを読んだだけで、ふくらはぎが痙攣しそうです。あまりライドレポを目にした事がない、金沢や北陸、新潟あたりの海岸線ルートがどのような感じなのか、資料としても興味深い内容です。

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 こちらもお馴染み、最近ではナイスな輪行袋を作る人としても知られるPEKOさんの「腐ったオタクの自転車ライフ4~オトメチャリ旅編~」。もはやタイトルに「オトメチャリ旅編」などと書いてあっても、「こんなのはオトメ旅じゃねえ」と言うツッコミを入れる準備は万端。そしてページをめくると、その予想が斜め上に当っていくエクストリームライドが満載です。

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 大阪~広島ライド、紀伊半島一周、四国旅など盛りだくさんの内容。PEKOさんの本は、ルートや景色などよりも、スタート地点への行き方、宿泊施設、旅先でのトラブル、出会った人などに重きをおいてレポートしているのが特徴。まるで自分もその場にいるかのように「ひえーどーすんだこれ」と頭を抱えたり、「いやぁー助かった」と胸をなでおろしたりできます。旅の醍醐味と言えば、地元の人との出会いや触れ合いですが、ロードバイク旅でもそれは同じなのかもしれません。

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 大塚志郎さんの「びわっ子三姉妹自転車旅行記佐渡ロングライド2016完結編」。佐渡ロングライドに挑戦した、ご存知・びわっ子三姉妹の奮闘を描くコミックも最終巻。

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 大野亀から両津港、そしてゴールまでが描かれます。私の中の「佐渡ロングライドのキツさ情報は」、かの有名な"Z坂”くらいしかないのですが、どうやら地獄はそれだけではないようで……。

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 自転車とは関係ないのですが、カメラ系の人たちの間で話題の同人誌が「飛び込め!! 沼」。「NieA_7」や「リューシカ・リューシカ」の安倍吉俊さんが、カメラ趣味というか、シグマ愛を炸裂させています。

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 高校生の少年が、先輩であり、カメラ屋の娘でもある女子高生に「本格的なカメラが欲しいのですが」と相談。しかし、この先輩がマニアックなデジタル一眼「sd Quattro H」の発売を待ち望む変態求道者であったため、始まったばかりのカメラライフが、いきなり怪しげな沼へと突入していくという内容。

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 私もかつてFoveonセンサーのカメラを持っていましたが、カメラの良し悪しはセンサーや解像感だけで決まるものではありません。うまく言えませんが、シグマのカメラを愛用するためには、欠点も愛せる懐の深さが求められるわけです。

 そんなシグマ愛あふれる先輩は、解像感の高さを実感できる錆びた自転車や、葉っぱの葉脈撮影に余念がなく、もはや手遅れ状態。

 しかし、「ボディ内手ブレ補正」など、最近のデジカメに搭載されている「失敗しないための便利な機能」に頼る事を良しとせず、そうした便利機能が無いシグマのカメラこそ、撮影の基礎が身につくカメラなのだという姿勢には謎の説得力があるのでたちが悪くて最高です。

 ロードでもカメラでも、沼は飛び込んでこそ華なのかもしれません。
 
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