【↓ダイジェスト動画はこちら↓】
(読了後再生推奨/画質は720/60p、1080/60pがオススメです)
御存知の通り、ロードバイクのホイールには大きく3種類があります。ママチャリと同じような、チューブを交換できる「クリンチャー」、タイヤとチューブを縫い合わせてある「チューブラー」、そして名は体を表す「チューブレス」。この中で最も一般的で、利用者が多いのは「クリンチャー」でしょう。
実際に、周囲のロード仲間はクリンチャーが大半。上級者やこだわりのある人の中に、チューブラーを使っている人が何人かいる……という感じ。恐らく他のローディーグループも似たようなモノだと思います。今回はそんな"チューブラー”についてのお話です。
この日のライドはゆるポタモード。
あまり登らないのに絶景が楽しめることでお馴染み、「入山峠」(血の味指数:8)に自走で向かっています。なぜ今また入山峠なのか? 発案者は、腰を痛めたゆっけさん。「腰の具合を確かめたい」、「けれど激しい峠に行って"治ってなくて悪化した”となるとキツいので緩い峠がいい」ということで、まったり入山峠ライドになりました。
そこで思い出したのは、Twitterでよく話をしている”はる”さん(RIDLEY乗りのハルさんではなく、ひらがなのはるさん)。ヒルクラや山深い景色の中のライドに興味があり、Bianchiのクロモリ小径車で近所の坂を練習しているという話を聞いていたので、始めてでも登りやすい入山峠に興味があるかなと聞いてみたところ、一緒に行く事になりました。
モデルはBianchiの「MiniVelo10」。20インチの小径車で、フレームはクロモリ。ホリゾンタルが美しいです。乗った時の前傾姿勢はロードほどキツくはないようですが、高速巡航も楽にこなせるポジション。Bianchiらしい、エレガントなバイクです。
サドルはなんとBROOKSの革サドル!!(標準でこのサドルらしい)
パーツとしてのコストは高そうですが、こだわりを感じさせるチョイスです。
当初、私を含めたロードバイク組は自走、あまり長距離に慣れていないというはるさんは八王子あたりから輪行で合流……という予定でしたが、なんやかんや話をしているうちに、しんぱちさんや、トミィさんも来る事になり、「どうせならみんなでのんびり、ワイワイ話ながら自走で行こうか」という話に。結局、武蔵境のBCから、ゆるポタライドがスタートする事になりました。
多摩川CR→浅川CR→八王子→陣馬街道という流れは、このBlogで何回も紹介してきたので割愛。バビュンと陣馬街道までワープします。
普通の人にはなんの変哲もない分岐点。しかし、行ったことがある人にはすぐにわかる、地獄への入り口。左に曲がると、四天坂の1角・和田峠が現れます。今日の我々は、そんな魔界に用は無し。直進して入山峠を目指します。
ただ、元気ハツラツなしんぱちさん、トミィさんは別。彼らは入山峠一個でとても満足しないでしょう。さらに、意外な事にしんぱちさんは和田峠未経験とのこと。それならば、あの鬼斜度ワンダーランドを経験してもらわないわけにはいきません
しんぱちさんとトミィさんには先行してもらい、先に和田峠にアタック。残りのメンバーは入山峠をゆっくり登り、和田を登り終えたしんぱちさん達には後から追いついてもらう……というスケジュールにしました。
私は小径車を所持していますが、小径車で本格的なヒルクラをした事がありません。ただ、登り方はさほどロードバイクと変わらないでしょう。はるさんに「急がなくていいから、ゆっくりと!」と念を押した上でスタートします。
入山峠はさほど斜度はキツくなく、激坂と呼べるポイントはありません。しかし、住宅街のちょっとした坂と比べると、やはりキツさは比較になりません。町中の坂は、キツくても勢いでクリアできてしまいますが、ずっとずっと続く山の坂を最後まで登り切るためには、ずっと回し続けられる負荷で漕ぐ必要があります。まずは自分なりのペースを掴む事が大切です。
しかし、はるさんはグイグイとかなりのスピードで登っていきます。「あれだとすぐに疲れちゃうのでは」と心配になりましたが、脚がとまったり、弱音を吐いたりもせず、そのままのペースで進んでいきます。近所トレーニングの成果が出ているようで、ゆっけさんと「あ、これなら難なく登れちゃいそう」と話つつ、ついていきます。
登れているとはいえ、ハイスピードで一気に登り切ってもつまりません。途中の絶景ポイントで記念撮影を兼ねた休憩タイム。自分の足でこんな場所まで登り切れた事を祝福してくれるような絶景は、何度見ても良いものです。
さらに言えば、山の中で撮影する被写体としては、ロードバイクよりオシャレな小径車の方が見栄えが良いです。緑をバックにした姿は、まさに“旅っぽい写真”そのもの。
まだまだここは中間地点。
もうひと踏ん張りすれば、トンネルが現れ、その先にもっと凄い絶景が待っています。
はるさん無事に入山峠制覇! ヽ(=´▽`=)ノ
はるさんのクロモリは余裕で10kg以上あり、持ち上げるとズシリときますが、それでもキッチリ登り切りました。やっぱり女性の方が峠は強いという認識を再確認した次第……(ちなみにはるさんはこの後、ロードバイクも購入したそうで、ぶち抜かれるのも時間の問題と思われます)。
……それにしても、和田をサクッとクリアして、すぐに追いついてくると思っていたトミィさんとしんぱちさんがなかなか来ません。
あの2人なら和田なんて30分とかからずに終わると思ったんだけど……
トミィさんはともかく、しんぱちさん仕事忙しくて2カ月くらいまともに自転車乗ってないって言ってなかったっけ?
あ、来た
死んだwwwwwwwww
わ、和田峠……2カ月乗ってないのにいきなり行く場所じゃねええーwwwwwww
すっかり終わったモードですが、ここはまだ峠の頂上ではないというのが入山峠の罠。
もうひと踏ん張り、はるさんも頑張って、無事に看板の場所まで到着しました。
ここからは楽ちんダウンヒルですが、武蔵五日市側は路面状態があまり良くないのが玉にキズ。穴ボコも多く、ゆるゆると下りながら、「あなー!」、「グレーチングー!」などと声を出しつつ下っていきます。
そんなダウンヒルも終わりに近づいてきた頃……
ブシュー!!!
という音と共に、私の前を走るゆっけさんの後輪から、白い霧のようなものが横に向かって吹き出しました。
霧の正体は、パンク穴を塞ぐためにあらかじめ充填されていたシーラント。しかし、あの豪快な吹き出しっぷりからすると、カットパンクなのでは……
案の定、ザックリと大きなサイドカット。これはシーラントで固まりそうもありません。ゆっけさんのホイールは、カンパのボラワンでチューブラー。一緒に走っていてパンクしたのは、有間峠の時以来。あの時はシーラントが固まってくれたのでなんとかなりましたが、今回はタイヤ自体を交換する必要があるようです。
チューブラーはチューブがタイヤと縫い合わされているので、チューブだけを取り出して交換する事ができません。それゆえ、シーラント(接着剤のようなもの)をあらかじめチューブの中に入れておき、小さな穴のパンク程度であれば、吹き出したシーラントが固まる事でふさいでしまおうという対処方法です。
逆に、シーラントで塞がらないような穴の場合は、タイヤ自体を剥がして、予備のタイヤと交換する必要があります。つまりチューブラーの人達は、クリンチャーの人がチューブを持ち歩くように、タイヤを持ち歩いているわけです。
チューブラーのタイヤ交換はあまり見たことがないので、興味津々。ゆっけさんは、家では交換した事があるそうですが、外では初めて。私もトミィさんも、しんぱちさんも、もちろんはるさんも、チューブラーの交換なんてしたことないので、とりあえずゆっけさんの作業を見守ります。
まずはタイヤを剥がします
チューブラーはクリンチャーと違い、タイヤが溝にハマっているような構造ではなく、タイヤとホイールがリムテープ(セメントの場合もあり)で接着されているので、これをベリベリと剥がしていきます。「剥がしていきます」と書くと容易く思えますが、ホイールとタイヤはかなり強固に接着されているので、かなり力を入れないと外れないようです。
5分後……素手でグニグニやっているゆっけさんを撮影するのも飽きてきた頃、彼がホイールを私にスッと差し出します。
世の中言葉にしないと伝わらない事ってあると思うんだ
手が疲れた…… やって……
一人で山奥でパンクしたらどーすんだよww
手伝いたいのは山々ですが、今後の事を考えるとゆっけさん一人でキチンとパンク修理ができなければなりません。心を鬼にして(棒)撮影に徹します。
タイヤが剥がれはじめると、ホイール側のリムに、黒いネチョネチョしたゴムのようなものがこびりついています。これがリムテープの残骸なのでしょう。手にするとかなり粘着質で、気持ちが悪いです。
おれのー大好きな入山峠でー、奇妙なー、黒い粘着質のモノを排出しないでくださいー
お・す・そ・わ・け
いwwらwwねwwえwwよwww
とかなんとかやりながら、15分くらい格闘していたでしょうか。ようやくタイヤも剥がれ、予備タイヤを装着する事に。
その前に、新しいリムテープをリムに貼っていきます。これをグルリと貼った後で、予備タイヤを重ね、テープの接着面を保護しているフィルムを外していく……という流れのようです。
あれ……なんかテープ足りないかも
え?
リムテープが……最後まで……足りないかも……
もうリムテープはそれしかないの?
ない
よし、貼り終えた……けど……
貼り終えたって、あと6分の1くらい残ってるじゃないかwww
足りなかったwww
もっと余分にテープ持ってないとダメだろwww
これでもたぶんなんとかなる
ホントかよww
タイヤを重ねて……
リムテープの保護フイルムをビーッと剥がし、リムとタイヤを接着して、ひとまず修理は完了。
とりあえずなんとか修理はできましたが、ゆっけさんの一連の修理を見ていて私の中に大きな疑問が。
それは「チューブラーって、パンクが多い峠のライドで普段使いするのはどうなのよ?」というもの。
同時に頭をよぎるのは、乗鞍でのHAOさんのパンク。あの時は1回目のカットパンクでタイヤを交換、その後、2回目のカットパンクが発生。シーラントが固まらず、仕方なく登坂を断念しました。
クリンチャーの場合、小さな穴のパンクではチューブ交換で対応、カットパンクにはタイヤブートで対応しています。交換用のチューブは常に2個携帯し、チューブが全部無くなった時に備えてゴムパッチも一応装備しています。タイヤブートは4枚ほど携帯しているので、理論的には2回のカットパンクが起きても、自走は可能なハズです。
チューブラーの場合、2回のカットパンクでシーラントが固まらなかった場合、自走が困難になる可能性があります。カットパンク部分にラップなどを巻きつけて、シーラントが固まるのに期待するといった技もあるようですが、必ず固まるとは限りません。予備タイヤを2つ持っていると安心度はかなり高まりそうですが、チューブよりかさばるタイヤを常時2つ携帯するのは結構大変そうです。
そう考えると、「何度もパンクしても、復活できる回数はクリンチャーの方が多いのでは?」という印象。乗り味の良さや、性能ではチューブラーが上なのはわかりますが、例えば乗鞍のような「せっかく遠くまで来て、必ず最後まで走りきりたい大舞台」の時には、クリンチャーのホイールにした方が、無事に走りきれる確率が上がるのではと思います。
単独走行で比べず、グループライドの場合は、仲間が持っている予備のチューブを貰えるとすると、クリンチャーのパンク復活回数は飛躍的に上昇します。まあ、仲間がみんなチューブラーで、予備タイヤが沢山あるというケースは話が別ですが……。
レースなどでは性能を最重視し、チューブラーを使うのが普通と聞きますが、家に無事帰る事が最優先なロングライドの場合、「クリンチャーの方が安心だよなぁ」、「次買うホイールもクリンチャーにしよう」と、チューブラーのパンクを立て続けに目にした事で、妙な決意を固めた次第。まあ、チューブラーにはそれを超えるほどの魅力があるというのも頷けるところではありますが……。
ちなみにゆっけさんは、この屋外タイヤ交換の大変さに懲りたのか……
今のボラワン売って、クリンチャーボラワン買ったら?
ボラワン? 何の話ですか? 僕のホイールは、完成車買った時についてきたクリンチャーのカムシンですけど?
ゆっけ@マンメンミ!!@yukke_memo新品のクリンチャータイヤ初めて見たけどタダの平たいゴムで不良品かと思った( ・᷄ὢ・᷅ )💢 http://t.co/g9pybk2zRj
2015/10/07 00:05:01
おいww
しかもグラベルキングwww(耐パンク性がとても高いタイヤ)
そんなゴタゴタもありましたが、無事にダウンヒル終了。武蔵五日市の駅まで到着しました。我々は自走で帰りますが、輪行のはるさんとはここでお別れ。
じゃー、はるさん、ちゃちゃっと輪行準備しちゃおうか。
あ……輪行袋は持ってきたけど、紐忘れちゃったww
おwwwいwww
肩掛けの紐はありますが、ホイールとフレームを固定する紐がありません。すると、しんぱちさんが機転を効かせ……
テケテケン!! ビニーールテーーーープー!!
と、普通のビニールテープを取り出しました。確かに、フレームとホイールを固定できさえすれば、テープでも問題はありません。もちろん使い捨てにはなりますが。
使い捨てである事を逆手に取って、チェーンガードとしてもテープを活用。こうしておけば、輪行袋の内側も汚れないので、応急処置だけでなく、普段も使えそうな良いアイデアです。
無事に輪行準備も完了し、はるさんは駅へ。
自走帰宅のローディー組は、帰り道の途中で、自走帰宅のためのエネルギー補給へ。
さっきからドリンクバーでメロンソーダをエンドレスで飲み続けているへるさん
なに?
ブログネタがありますよ
なwwんwwだwwこwwれwww
ドリンクバーの異なるジュースを組み合わせることで、さながらカクテルのようなバリエーションが
コーラにバニラ・オレって、小学生の夢の液体じゃねえか、こうしちゃいられねえ!!
ただいま
なんか泥水みたいなの持って帰って来た人がいるんですがwww
ゴクゴク
どう? コーラバニラオレ
小学生の夏休みに爺ちゃん家の向かいにある山で泥と砂と湧き水でオリジナル料理を作った事を思い出した。ゆっけさんもぜひ作ってきて。
悪意しか感じねえwww
小径車で速いとか、登れるとかいうと
逆に凄いカッコイイですよねー(*´ω`*)
私もそういうのやってみたいです。