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(読了後再生推奨/画質は720/60p、1080/60pがオススメです)
※フラフラなので揺れが多くてすみません。全画面表示は酔うので注意!!
ロードバイクのライドには“区切り”がつきもの。「長距離乗ろう」と漠然と走るのはツライですが、「100km走ろう」とか「横浜まで行こう」とか、区切りをつけると不思議とそこまで頑張れるようになります。
ヒルクライムの「○○峠制覇」、「獲得標高2,000m達成」なども、区切りの一種です。
そんな区切りの王様と言えば“一周系”。以前のんれす氏と挑んだ霞ヶ浦一周にはじまり、琵琶湖一周のビワイチ、淡路島一周のアワイチ、佐渡ヶ島一周の佐渡ロングライドなど、「ぐるっとまわって帰ってくる」というこれらのコースでは、区切りをつけたゴール地点が、自動的にスタート地点と同じという単純明快さがあります。
しかし、“島一周ライド”を体験したくとも、東京から淡路島や佐渡ヶ島に行くのはなかなか骨が折れます。もっと気軽に“島一周ライド”が楽しめる場所はないのか!?
大島一周道路はだいたい43kmらしいよ
それだ!!
というわけで、ある土曜日の夜、家をロードバイクで出発。東京タワーをかすめ、竹芝桟橋へとたどり着きました。
ここからフェリーに乗り込み、海の上で就寝。翌朝5時には大島に到着。そこからぐるりと島を一周し、日曜日の夕方にフェリーに乗り込み、同日夜に東京へ期間しようという“大島一周ライド”が幕を開けました。
竹芝桟橋に集まったのは、私、Deroさん、とーるさん、トミィさん、ゆっこさん、あきあきさん、お久しぶりの登場の山神えりか様の7人……。
あれ? なんか行く予定じゃない人がいるよ
家が近いのでお見送りですww
なんと、奥多摩で激烈ライドをやっていたHAOさんがわざわざ見送りに来てくれました。しばし、HAOさんのMTB(CANYON)にまたがり、MTBならではの乙女ギアを超えた、幼女ギアを堪能。これがあれば風張林道や子ノ権現とて、超高速ケイデンスで登れそうです。
HAOさんがいる代わり、えりかさんがいないんだけど......
あ、なんかね、竹芝桟橋に行くつもりが、竹橋で降りちゃったらしくて
ちょwwwwwwwwww それぜんぜん違うww ”竹”しか合ってねえwww
無事にえりか様も合流
遊んでる場合ではなく、フェリーがそろそろ出港します。
ロードバイクをフェリーに載せるには2つの方法があります。1つは輪行袋に入れ、手荷物として自分で持ち込む方法。船内にスーツケースなど大きな手荷物を置く場所があるので、そこに自転車を置く形になります。
ロードバイクをフェリーに載せるには2つの方法があります。1つは輪行袋に入れ、手荷物として自分で持ち込む方法。船内にスーツケースなど大きな手荷物を置く場所があるので、そこに自転車を置く形になります。
もう1つは、1,500円を支払う必要がありますが、自転車を自転車の形のまま載せてもらうやり方。バイクなどと共にコンテナに入れられ、そのまま貨物として載せられ、大島で降ろしてもらう...というやり方です。
竹芝桟橋まで輪行で来ている人達は、そのまま輪行袋で持ち込めばOK。自走で来ている私やとーるさんは、一度自転車を輪行袋に入れねばなりません。
めんどうだな……
ブログ的にも自転車がそのままの形でドナドナされる方が絵になるんじゃないですか
それだ!!
身軽になり、皆とワイワイ喋ったり、港を撮影していると搭乗時間が。タラップの上を歩く感覚は飛行機のそれと同じですが、船にはめったに乗らないので子供のようにワクワクします。
伊豆諸島をめぐるフェリーには、比較的新しい船と、古めの船があるそうで、今回行きに乗るのは古めの方。船内に脚を踏み入れると、
なにこの昭和臭
狭いコインシャワーに、カップ麺や焼きそばの自販機食堂、派手目なシャンデリアと暖色系の照明。漂う雰囲気は昭和の観光地や、大きめの温泉旅館といった塩梅。煮詰めたノスタルジーが鼻孔をくすぐります。
しかしながら、否定的な意味合いは一切なし。こちとら、ノスタルジックな自販機食堂が楽しみたいとミニベロでロングライドしたこともあるのです。このチープな場末感はたまらないものがあります。
チェットをとった客室(特2等室)に足を踏み入れると、テンションはさらにアップ。
独房ちっくwwwwwwww
こんな場所で寝たことがないのでワクワクしっぱなしです。ちなみに私は下の段、上の段はDeroさんです。
いやあああああああああああああ!!
二段ベッドの上の段にDeroさんって事は深夜皆が寝静まった後で、ねじりんぼう食わされて(よじったタオルを口につめる)、石鹸包んだタオルでボコ殴りされるううううううううwwww(フルメタルジャケット参照)
しおいんですけどとかいうヒドイブログで「Deroさんは軍曹だ」、「坂道では鬼だ」とか書いているのですっかり軍曹キャラが定着していますが、むろんギャグで、ホントは頼りになるとても優しい紳士です。
フォロー完了
もう寝るだけだけど、小腹がすいたからさっきの自販機でなんか買ってみよう。せっかくだし。
ちょwwww
この人、俺の上の寝台でカップヌードルカレー食う気なんですけどwwww
カップヌードルカレーの匂いの中で眠るなんて、石鹸包んだタオルで殴られる方がなんぼかましじゃwwwwwww
ズズーズズー
........ スヤァ ......
ズズーズズー
..............
ズズーズズー
船長さーん!! 上からズルズル音がするんですけどー!
とかなんとか夜が更けていきました。
ちなみに船旅と言うと「楽しそうだけど船酔いは大丈夫なのか?」というのが気になる人もいるかもしれません。私もフェリーで寝たことはないので、酔い止めは用意した方がいいかなと、事前に薬局へ行き、「尋常じゃないほど良く効く最強の酔い止めみたいなのって無いですか」と聞いたところ(実話)、「コレです」と速攻でオススメされた「アネロン ニスキャップ」(エスエス製薬)ってのを買っておきました。
乗船前に服用済み。「船酔いが心配」という皆にも配って飲んでもらいました。その結果、私も含めて誰も一切船酔いせず、船酔いしそうな気配すらなく、すこぶる元気に船旅を終えられました。
フェリーは大型なので揺れが少ないというのもありますが、暗闇の中で横になると「ゆら~、ゆら~」と大きく動いているのがハッキリわかります。恐らくアネロン飲んでいなければ気持ちが悪くなったんじゃないかなぁ? という気がしますが、服用した状態では「このままでんぐり返ししてても酔う気配は無い」という安定度。最強の酔い止め薬は伊達じゃありませんでした。輪行の電車酔い、トランポの車酔い等々、酔いやすいという人にはオススメです。
そんなこんなで岡田港に到着。まだ朝の5時、船内で横になっていた時間も4時間足らずですが、なんだか妙なテンションで元気です。
おれの愛車ととーるさんのスカンジウムがコンテナ横に無造作にwwwwwww
まずはロッカーがあるという西側の元町港へ寄り道。皆が背負っているリュックを預け、身軽に一周をしようという考え。
ちなにみ大島は、中央に山がありますが、その他はさほど激坂は無く、のんびり一周できるという事前情報。自転車を持たずに訪れ、レンタサイクルで一周する人もいるというので、ローディーの端くれとしてはなんとかなりそうです。
なんとかならなかったwwwwwww いきなり激坂だったwwww
冷静に考えるとわかりますが、港というのは海面近くまで降りた場所にあります。しかし、家や道路は全部海に面した低い場所にあるとは限らず、港へ行く場合は激坂を下ったり登ったりする必要が生じるようです。
ウェルカム激坂をやり過ごすと、路面が綺麗な大島一周道路を走行。まだ朝だというのもありますが、車や人通りがほぼ無く、非常に快適。そしてまったくと言っていいほど信号が無い事に気づきました。なんでも大島には、片手で数えられるくらいの信号しかないとか……ストップ・アンド・ゴーまみれの都内在住ローディーとしてはうらやましい事このうえありません( ;∀;)
元町港は岡田港より近代的な佇まい。ロッカーに皆の荷物を預け、せっかくだからと海岸沿いを走ります。
海と緑と綺麗な道、これぞ大島一周ライドという感じの雰囲気でたまりません。頭をカラッポにして、のんびり巡航していると、東京での雑多な事が耳からこぼれ落ちていくようです。まあここも東京都なんですけども。流れている時間のスピードはずいぶん違います。
海と緑と綺麗な道、これぞ大島一周ライドという感じの雰囲気でたまりません。頭をカラッポにして、のんびり巡航していると、東京での雑多な事が耳からこぼれ落ちていくようです。まあここも東京都なんですけども。流れている時間のスピードはずいぶん違います。
ルートは時計回りにぐるっと一周。港を出て北に向かって走っていると、大島空港が登場。さらに進むと、大島公園動物園という動物園があるらしいです。まずはそこを目指しましょう。
とにかく自然が豊か。中にはラピュタの空中庭園に続いているんじゃないかと思うほどスピリチュアルな雰囲気の回廊も(登ってみたら普通に誰かの家の裏山でしたww)。
動物園の入り口で休憩していると、なんとTwitterでフォローしてくれている、大島在住のケンイチさんが、我々の大島上陸を知って来てくれました!! いやーTwitterってスゲエwww (*´∀`)/
とりあえず挨拶もそこそこに、デ・ローザ+ボラワンの愛車をパチリ!!
地元ローディーと一緒に走れるなんて、これほど心強いものはありません。「大島ってローディー他に何人いるの?」、「ロードバイク屋さんあるの?」、「行きと帰りの船の港が違うかもってどういうこと?」など、湧き上がる質問を無遠慮にケンイチさんにぶつける面々ww
地元ローディーと一緒に走れるなんて、これほど心強いものはありません。「大島ってローディー他に何人いるの?」、「ロードバイク屋さんあるの?」、「行きと帰りの船の港が違うかもってどういうこと?」など、湧き上がる質問を無遠慮にケンイチさんにぶつける面々ww
すげええええwww これで無料なの!?
かなりスケールの大きな動物園で、様々な鳥やラクダ、カピバラなどをかなり間近で見る事ができます。ロードバイクで動物園に行くってのは新鮮で面白い体験。カメラ的にも被写体に事欠きません。
あのカピバラの坂の下り方、かざ☆りんを下ってた私にそっくりだよね...
あー確かに、休憩頻度までソックリだ
そんな動物園のアイドルと言えば、レッサーパンダ。超愛らしいフェイスでのしのしと金網のトンネルの中を歩きまわってくれますが、金網の目がキツくてAFがとられまくり……、MFに切り替えて手動で合わせようとしますが首をグイグイ振りながら歩くのでピント合わせに四苦八苦……やっぱり動物撮影ってのは難しいもんですorz
動物園を抜けて島の東側を走っていると、緑が多くなってきた印象。なんでも東側は山深いゾーンらしいです。
さらに進むと、6~8%台の登りがかなりの頻度で登場。アップダウンも多く、「自然豊かな尾根幹」みたいな感じに....。Deroさん、トミィさん、とーるさんと、見るからにバリバリ走れそうなケンイチさんにはどうってことない行程。女性陣のあきあきさん、ゆっこさんも、これくらいでヘコたれるローディーではありません。
残るは山神えりか様、最近ロード乗ってないらしく、後ろから見ているとかなーりバテ気味ですがw 「大丈夫?」とか「ゆっくりでいいから」的な言葉をかける前に、かつて風張峠で私をぶち抜いた圧倒的な登坂能力が私の脳内をよぎり「こんなのえりか様にはどうってことないでしょ?」といういらぬプレッシャーワードが口をつくしまつ ((^^;
さらにアップダウンを繰り返していくと、道路の脇に黒い砂が広がる異様な光景が....。なんでも「裏砂漠」(島の裏側にある砂漠?)と呼ばれる一体で、国土地理院作製の地図において日本で唯一「砂漠」と表記されている場所なんだとか。
その正体は、火山噴出物の“スコリア”で、粗めの石というか砂というかで埋め尽くされています。
とりあえず丘陵とあれば砂漠でも登っていくDeroさんが突撃。その後姿を見ていると、ズルズルタイヤをとられてかなり登りにくそうってかロードで登るような場所ではないwww
緑と海の島というイメージでしたが、こんなワイドな一面もあったとは....勉強になります。
さらに頑張って進むと、今度はバームクーヘンのような光景が!!
なんでも、三原山から3kmほど飛んできた火砕物が降り積もり、それが南宋にも重なってできあがったものだそうで、自然遺産的な価値があり、海外の火山研究者にも広く知られているのだとか....。路面壁の一部分はおおよそ15,000~20,000年以前の地層だそうで....まさに“地面の年輪”、途方も無い光景です。
ちなみに冒頭で書いたように、一周は約43km。「アップダウンもあってちょっと疲れてきたなぁ」という感じですが、ケンイチさんによるともう少しで荷物を預けた港に到着するとのこと。見ると獲得標高は1,000mちょい。都民の森や風張峠をクリアしたくらいの高さは、なんだかんだで登っており、疲れを感じるのも当然のようです。
しかし、ここで1つの大きな疑問が。というのも、約43kmで獲得標高1,000mちょいという数字は、ローディーとしては「まあ頑張ればクリアできる」という感じですが、観光でこの島に来て、なんとなくママチャリを借りた人にとっては楽々クリアできるというシロモノではありません。
島を楽しく一周しよう! てきな謳い文句で自転車を貸し出して大丈夫なんだろうか? という疑問が頭をよぎりますが、それが電動自転車であれば大丈夫でしょう。「きっと大島のレンタサイクルは電動自転車が基本なんだろうな」と思って進んでいると、前方から大学生? か何かと思われる若い男女の集団が。
見ると男子は明らかにレンタサイクルで借りたようなママチャリを、サンダルみたいなので漕いで必死に坂を登っています。その後ろには、もう登ることを放棄したような顔でママチャリを押す女性たちの姿が.....。
だめじゃんwwww
てかこうなるの当たり前だよwww
レンタサイクル情報を調べていないのでよくわかりませんが、もし大島で借りて一周しようというのでしたら、マウンテンバイクかクロスバイクあたりが無いとギア的にもキツイと思います。特に日帰り(ジェットの高速船で午前中に到着、夕方に高速船で帰る)の場合は時間的制限もキツイので、一周を諦める勇気も必要だと思います。
とかなんとか、人様の心配をしているといつのまにかお昼すぎ。お腹もすいてきたところ、ケンイチさんに連れられ、港の近くにある鵜飼商店へ。名前からすると鶏肉屋さん? なのかもしれませんが、なんでもコロッケやメンチ、鳥の唐揚げなどが美味しいというお店。
とりあえずメンチやコロッケを頼んで、サクッとかぶりつくと、揚げたてならではのジューシーな味わいが広がります。まさに子供の頃に肉屋で買ったコロッケの美味しい奴という感じ。衣もしっかりついているのでカロリー的にはありそうですが、ロードバイクに乗っているのであれば無罪放免。むしゃむしゃ食べても問題ありません(断言)。
お腹も落ち着いたところで、さらに進んで、今度は港近くのお寿司屋さんの「寿し光」に。
ここでオーダーしたのは、大島名物の「べっこう寿司」!
鯛などの白身の魚を“漬け”にしてネタとした握り寿司(丼タイプもあり)ですが、最大の特徴は漬けているのが普通の醤油ではなく、“唐辛子醤油”という点。なんだそれって話ですが、辛みの強い“島とうがらし”を醤油に漬け込んで作ったのが唐辛子醤油とのこと。唐辛子醤油自体に鼻をちかづけると、唐辛子の匂いがツーンとして「うわっ!」と驚きます。
つまり、わさびではなく、唐辛子の辛さでアクセントが付与された寿司...というイメージ。どうにも想像がつきませんが、パクっと食べてみると、想像を超えた味わい!!
わさびはじんわりと鼻から抜けていく辛さですが、唐辛子はそれよりもキリッと鋭い辛さで、「ぎゅわー! 辛いー!」と騒ぐほどではありません。なんというか、酢飯の甘さと、白身魚の甘さを、唐辛子の辛さでビシッと鋭く巻きつけたような、辛いんだけどスッキリとして、後味が甘い不思議な味。「こ、これは美味い!! 何かに似ているけど何だろうと考えながらばんばん食ってしまってもう最期の一個で結局何に似ているかわからないけどうまい!!」という感じ。いやぁ、これは一度食べてみるべきです。
島のライドで大自然の魅力を堪能し、舌でも島の魅力を堪能。大満足のまま、元町港に戻り、荷物をゲット。帰りの船は岡田港から出るらしいので、名残を惜しみつつ最後のライドをまったりと終了.....。
おみやげを買い込みつつ、ケンイチさんにも見送っていただき(ホントに突然押しかけたのにありがとうございました!!)、再び船上の人となりました。
レンタカーでも借りて一周するのがもちろん一番良いんだと思いますが、やはりロードでは自分の足で、起伏や匂い、景色を体に吸い込みながら一周できるので、“大島を味わい尽くした”感がハンパないです。ぐるっと一周できる事も、この満腹感を高める要因の一つでしょう。
フェリーを予約したり、輪行袋に入れたり、お金を払って預けたりと、いろいろやる事はありますが、だからこそ普通のトランポや輪行とは違う面白さがある船旅。
帰りの船は最新式で、昭和っぽさが薄かったのがちょっと寂しかったですが、大学の学食でおばちゃんがしばらく麺をお湯から上げるのを忘れていたようなラーメンが食べられたのも船旅ならではの醍醐味。
単なる平地ライドや山岳ライドとはまたちがう、ロードバイク旅の1つのスタイルとして、一度は体験して欲しい大島一周の旅でした。
単なる平地ライドや山岳ライドとはまたちがう、ロードバイク旅の1つのスタイルとして、一度は体験して欲しい大島一周の旅でした。
今年の夏サークルでレンタサイクル大島一周してきたのですが……貸し出されたマウンテンバイク、ブレーキが効かないとかいうすこぶる危ないシロモノもあったりしたのでレンタサイクルはオススメ出来ませんね……。自前で用意するのが一番いいと思いました。