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 (読了後再生推奨/画質は720/60p、1080/60pがオススメです)
 ※フラフラなので揺れが多くてすみません。全画面表示は酔うので注意!!



 ロードバイクに乗って何処に行きたいか? と問われて、○○峠だの○○山だの、○○ビーナスラインだのと、美しい道路の名前がポンポン出てくる人は、既に中級~上級者です。私のような初心者は「何処に行きたいかと言われても……アキバとか、横浜とか?」など、少し遠目の都市の名前を思い浮かべるのが精一杯でした。

 その後、いろんな先輩ローディーに引きずり回され、都会をウロチョロするのとは次元の違う体験を半ば強制的に経た事で、「次は○○峠に行こうよ」と言われると、ぼんやり地図のどのあたりの話をしているのかがわかってきました。それだけでなく、どの場所がどれだけ遠いのか、どのあたりから先に進むと山になるのか……おぼろげでも把握できるようになると、「○○峠と、○○峠を組み合わせれば、一周してここに戻って来れるな」と、自分でコースを作る事ができるようにもなってきます。

 いずれも、1人で街中をウロウロしていただけでは、きっと逆立ちしても得られなかったであろう能力。まだサイクリングロードや街中しか走ったことがないという人は、思い切って走り慣れた人に良いコースに連れていってもらうと、ロードの本当の楽しさに気づく事ができてお得です。早いに越したことはありません。

 ただ、唯一の例外として、上級者でも初心者でも、日本人ならば誰もが思い浮かべるであろう山があります。言わずもがな、富士山です。

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 普通はクルマか電車で観光に行く場所ですが、頭のネジが飛んだローディーは、東京から富士山まで自走で行ってしまいます。さらに、行ったことをロードバイクに興味がない人に報告すると……

 「昨日自転車で旅してきたんだよ」

 「へー、どこに?」

 「富士山」

 「えっ!? 富士山!? 自転車で!? バカじゃねーの、つか行けるの!?」

 というリアクションが期待できます。これは、日本人であれば富士山があるおおよその場所、自分の家からの距離を把握しているので可能になる現象。ローディーには超有名な場所でも、普通の人にとってあまり知名度が無いところは多いのです。

 「榛名山登ってきたんだよ」

 「どこそれ?」

 「乗鞍岳が綺麗でさー」

 「え、のり? 焼き海苔?」

 「....いや、なんでもない(´Д⊂ヽ」

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 今日はそんな感じで、ある意味わかりやすいライド。いつもの武蔵境BCから、富士山のふもとの山中湖まで、自走で行って帰って来れるか、道志みちライド。走行距離は約200kmのロングライドです。



 気温は約35度。道路の上にいると、勝手に目が細くなっていくような強烈な日差しに、まとわりつくベタついた空気。なにもこんな季節にやらんでもいいのにというライドですが、近日、私の健康診断があるので体重をとにかく落としたいという地球規模のやむおえない事情により開催となりました。

今日の参加者は、と~るさん、ゆっけさん、トミィさん、そしてこの過酷なライドを過去に走ったことがあるDeroさんです。

e3e05b84皆さんおはようございます。



OK-NBhMoあ、ボトル忘れた



e3e05b84おwwwwいwwww



-5xqteuT眠くて死にそうです



e3e05b84俺もだから気にすんな



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 ウダウダしていると日が高くなり、生存確率が低下するのでスタートしましょう。ボトル無いとさすがにヤバイので、Deroさんは急遽家に一度帰還、後から追いかける事に。コースを尾根幹から多摩ニュータウン通りに変更しつつ、残りの4人で先へと進みます。Deroさんの脚なら、あっという間に追いつかれるに決まっています。

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 富士山への行き方はいろいろありますが、都内のローディーに有名なのは道志みちを使う行き方。高速を使わない車やバイクの通り道にもなっているので混みあうそうですが、自然豊かな景色の中を、山中湖まで行けるようです。

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 町田街道にぶつかったあたりのコンビニで、一旦休憩。まだ時間ははやいですが、既に日差しは強烈、ボトルの水を腕などにかけながら走っていたので、残りが少なく、補給します。

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 ついでに冷たい水に、首に巻くマジクールをパイルダー・オン。飲むための水ではなく、体にかけるための水なので、こういう使い方も可能です。

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OK-NBhMoおまたせー



e3e05b84はええwwwwwwww



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e3e05b84とかやってたら、マジクールが水をたっぷり吸い込みました。首にまくとヒンヤリ気持ち良いです。



-5xqteuT昨日仕事が遅かったんで、あんまり寝てなくて今日はツライです……。



e3e05b84ゆっけさん今日ペース遅めだよね、大丈夫?



-5xqteuT片道はなんとかなるかもしれないけど、復路はヤバイかも……。



e3e05b84まあ輪行袋は装備してるから、ヤバかったら山中湖の近くから電車で帰っちゃえばいいし。



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 橋本あたりをかすめつつ、津久井湖を目指します。

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 お馴染みのZEBRAを過ぎたあたり。ここには10%近い斜度が続く、かなりの激坂が。暑さも手伝って、この時点ですでに青息吐息。道志みちに入ってもいないというのに、先が思いやられます。

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 山中湖の案内表示が見えてきました。基本的なルートとしては、牧馬峠に挑んだ時とソックリです。

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 遂に道志みちに入りました。見ればすぐにわかるように、典型的な山道。緑は豊かで楽しいですが、車やバイクの多さにやや辟易します。

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 それにしても暑すぎる……。

 熱中症対策に水をかぶりつつ、ドリンクも沢山飲みつつ、塩タブレットもなめまくり。その効果あってか、頭が痛くなったり、痙攣したりはしていません。ゆっけさんの真似ではありませんが、私も寝不足気味なので、頭が痛くなりそうな気配はあるのですが、それを察知して水を頭からぶっかけて耐えているような状態。

 この時は、これが最善の方法だと思っていましたが、後から考えると、もう少しかける水を控えめにした方が良かったかもしれません。

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 と、溶ける ( ;∀;)

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 最初からやたら頭から水をかけまくらない方が良い....というのは、後でDeroさんと話している時に気づいた事。水をかけるとその瞬間は気持ちが良く、冷却はされますが、体が暑さに順応する機会を奪う事にもなります。

 例えるなら、クーラーの効いた喫茶店で休憩して、灼熱の屋外へ。500m歩いて、こりゃたまらんと喫茶店へ、外に出てまた500mで喫茶店へ....と、繰り返すようなイメージ。脱水症状を恐れてボトルのドリンクを飲みまくると、お腹がタプタプになって気持ち悪くなるのと似ており、なにごとも程々というか、やり過ぎは禁物なのでしょう。なかなか配分が難しいものです。

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 そんなこんなで、ぶっかける用のボトルはかなりの勢いで水がなくなっていくので、湧き水や自販機を見ると、とりあえず補給しながら進むような状態。脚はまだ余力がありますが、クラクラしてきました。

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 寝不足だというゆっけさんも、いつもよりペースが遅め。「眠くて暑くて頭がいたい」と言うので、頻繁に休憩を繰り返しながら進みます。

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 ヤバイ時には頼りになるピーチネクター!! (*´∀`*)

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 湧き水は美味しいのか、大量に汲んでいく人の姿も。

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 途中で吊り橋を発見。観光ついでに休憩。

 すでに先を行くDeroさん、トミィさん、と~るさんの姿は見えません。

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e3e05b84み、みず...



-5xqteuTへるさん、ほら水ですよ



e3e05b84か、金網が...



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 横を流れているのは、道志川。富士山の雪解け水(?)なのか、水量は超絶豊富。非常に冷たそうです。今スグあそこに飛び込みたい気持ちを我慢しながら、クランクを回し続けます。

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 景色は綺麗。虫の声を楽しみながら進みたいところですが、車がゴーゴーとひっきりなしに横を通るので、なかなかそういう気分になれません。

 人の声も聞き取りずらく、かといって大きな声を出す元気も残っていないので、前を走るゆっけさんとの会話も
成立せず、気を紛らわす事もできないまま黙々と登る事に。

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 ようやく道の駅までの残り距離がわかりましたが、ここからが長かった....

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 あまりに私とゆっけさんが遅いので、心配したDeroさんが、道の駅から迎えに来てくれました。

 ほどなくして、ローディーにお馴染み、道の駅・どうしに到着。

こんなに遠いとは\( ;∀;)/


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 たまらずソフトクリームで冷却。

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 豚串が名物らしいですが、グロッキー状態で肉を食う元気もなく……豚汁でなんとか塩分補給をするのが精一杯。

 体の中を冷やしたいので冷たいジュースを沢山飲みたいですが、水分は十分で、お腹はタプタプなので胃が拒否。飲みたいけれど飲めないという、悪循環。

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-5xqteuTもーだめ、頭痛いのでちょっと寝ます



e3e05b84俺らが回復するまで待ってると富士山どこじゃなくなるから、Deroさん達は先に行って。復活したら追いかけるけど、ダメっぽかったら大月の方に逃げて輪行で帰るから。


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 とりあえず3人に先に行ってもらいます。

 今までのような道のりがあと少し続くと山中湖....ならばまだ救いはありますが、この先には山伏峠(飯能の山伏峠とはまた別)という本格的な登りが待っています。今のグロッキー状態では、そこをまともに越えられない可能性が濃厚です。

 というわけで、先に進むとどんな景色が待っているのか... Deroさん達が撮影した写真でどうぞ。

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 山伏峠はより森が深くなるようです。

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 山中湖キタ━(゚∀゚)━!

 富士山完全に雲の中 ( ;∀;)

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 と、山中湖まで到着すると、美味しいものも食べられたようです。富士山コーラ飲みたかった.....( ;∀;)

 では、カメラを道の駅まで戻しましょう。

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-5xqteuTへるさん、道の駅の裏に、道志川がありますよ。



e3e05b84泳ぎたい...



-5xqteuTこの水量だと水死しそうww



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e3e05b84なんかこれ見たことない?



-5xqteuT確かに、どっかで見たことありますね。



e3e05b84これじゃね?



名称未設定 1


-5xqteuT確かに、これっぽいですね



e3e05b84試しに、このメットとアイウェアをこうしてみると



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e3e05b84-5xqteuTやっぱこれだww



 とかなんとか、Twitterはほどほどにして、川です川。命の洗濯なのです。

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 人生最冷川!! (*´∀`*)

 頭痛も眠気も熱中症も吹き飛ばす、圧倒的な冷たさ。

 脚の感覚が速攻で無くなるほどの冷却パワーで、長時間つかっていられませんが、永遠につかっていたくなるほどの気持ちよさ。

 頭にもぶっかけまくり、四肢を冷やしていたら、ようやく思考能力その他が通常の状態まで戻ってきました。本当にこの道志川には助けられました。

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-5xqteuTあなおwhじゃいおおあうぃあおわいおあお!!



e3e05b84いやぁーこれほど気持ちよさそうな写真ってのもなかなか撮れんぞ



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 1時間近く休憩していたでしょうか...

ようやく走る気力が湧いてきましたが、山伏峠が越えられるかは微妙な塩梅。また、道の駅を出て道路を走りはじめると、山中湖に向かう車線がはるか向こうまで大渋滞しています。

 先ほどまでは流れていたので、この先のどこかで事故でもあったのかもしれません。永遠に続く渋滞の湧きをヒルクラしていくビジョンにゲンナリした事もあり、少し引き返して、大月方面に離脱する事にしました。

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 ただ、大月方面に離脱と言っても、道志みちの両サイドは深い山。簡単に抜けられるわけではありません。大月方面に行くには、1つ峠を越えなければなりません。検索すると、峠の名前は「道坂峠」と言うらしいです。

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 この峠が、山伏峠よりキツかったら意味はありません。難易度を検索していると、さほど辛くはないというブログを発見。

-5xqteuTこのブログに大丈夫って書いてありますよ



e3e05b84あ、ホントだ。ってか、これHAOさんのブログじゃんwww



-5xqteuTほんとだwww



e3e05b84キツかったらHAOさんのせいにしようwww



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 結果的には、この選択は最良でした。静かな森のなかを、6%程度の緩い斜度でまったり登れるヒルクラポイント。木々も生い茂り、日陰も豊富で、暑さも少しはまぎれます。

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 やっぱり峠ってのは、こういう雰囲気でないと....

 という見本のような峠。道志みちも自然は豊かですが、自然を楽しむという感じにはならないのがツライところでした。

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 トンネルを抜けると、大月方面への長いダウンヒル。

 まったりヒルクラで、気分もリフレッシュできました。

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 ダウンヒルを終えると、見覚えのある道に出ました。

 私がかつて、大月駅から河口湖まで走り、リニアモーターカーの試験場などに行った、あの時の道です。

e3e05b84ここを曲がった田んぼの真ん中で、夜にパンクして半泣きになってさー



-5xqteuTあー、高石省三のとこですね。




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 ファミマフラッペの補給もでき、食欲も湧いてきました。

 大月駅まですぐに行って、輪行で離脱するのも良いですが、その前に何か食べようとファミレスへ。



 そして大月駅……

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 真夏の道志みち:敗退( ;∀;)

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 結論:道志みちは、ちゃんと寝て、あんま暑くない時に行きましょう


 ちなみに、残りの3人はキッチリ200kmくらい走って夜に都内に無事帰ってきました。地力が違うわー、やっぱ ( ;∀;)