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 前回までのあらすじ

 ヒルクラスキーの先輩・Deroさんに連れられ、名栗方面の激坂フルコースを堪能したへるはん。かつてない足つきの危機にさらされ、インナーロー教団が全滅しかかるものの、なんとか東都飯能カントリークラブ裏の激坂もクリア。これで体内に潜伏するヒルクラスキー毒は、ほぼ完全に沈静化したかに思えた。

 しかしその時のへるはんは知るよしもなかった。ヒルクラスキー毒は、画面を通じても感染することを……


 【↓ダイジェスト動画はこちら↓】
 (読了後再生推奨/画質は720/60p、1080/60pがオススメです)

 
 
e3e05b84なんかえりかさんが坂が登りたいとか呟いてるんだけど、大丈夫なんだろうか。アンプルとか送っといた方が良いんだろうか、静脈に刺すやつ。


oq_xBMJDなんかいろは坂に行ってるらしいね。輪行で。



e3e05b84“輪行でいろは坂”ってある意味凄いよ。あれ、都内のローディーの中では超有名ポイントみたいになってっけど、早い話が駅前商店街の裏山だから。プチヒルクラ体験には良いけど、そのために電車で行くところなのだろうか。なんかこう、執事が運転する黒塗りのリムジンでサイゼリアに乗り付けるみたいな感じ。

-5xqteuTなんか2回も登ったらしいですよ、いろは坂。



e3e05b84ちょww やっぱアンプル送っとこうよ。しくは対処療法としての初ヒルクラ挑戦ライド。



oq_xBMJDいいね、大垂水峠とか?



e3e05b84大垂水峠、難易度的には初ヒルクラにピッタリだと思うけど、頂上の見晴らしが良いわけでもないし、個人的にあんまり好きじゃないんだよなぁ。


oq_xBMJDわりと車通りも多いしね



e3e05b84やったー!! 登りきったー!! とかのんびりやってるとトラックに轢かれそうになるじゃん。林道とか、もっと誰もいないところで、車気にせずにのんびり挑戦するってのが良いんじゃないかと。


oq_xBMJDとなると入山峠かな。



e3e05b84入山だねぇ、お手軽に“ザ・山に登りました”が味わえるのは、俺の知る限りではあそこが一番良い。間違っても都民の森なんてダメだ。地獄過ぎて俺みたいにヒルクラ嫌いになるから。


 実は、上記のような感じの密談が、名栗ライドの際、カフェキキさんでカレー食いながら行なわれていました。名づけて「えりかさん初ヒルクラ挑戦、入山峠ライド」です(話変わるけど、なんかこのBlog読んでカフェキキさん行ってみた人がいたらしい! すてき!)。
 
 問題は、“本格的な峠の中では楽”とは言え、入山峠は大垂水よりもかなりキツめ。大垂水峠はぶっちゃけ“運動経験ゼロ”、“ロード買いたて”みたいな場合でも、根性さえあれば恐らく登坂が可能です(1回くらい足つきありで)。

 入山峠は、キツさは約2倍(2014年血の味ランキング:大垂水峠4、入山峠8)なので、初ヒルクラでいきなり挑むには結構な難敵です。せっかく案内しても、苦しいだけで終わってしまったら申し訳ない。かといって、簡単過ぎたらいろは坂と大差が無くなってしまう……なかなか難しいものです。

 今までえりかさんのライドを見ている探検隊メンバーの意見を聞くと、皆「えりかさんなら行けそうじゃない?」という反応。そこで、万が一「途中で断念して八王子方面に離脱」や「なんとか登り切ったけどもーだめ、武蔵五日市駅で離脱」という事が可能なように、輪行袋を装備してもらい、挑む事に。

 スタート地点はいつもの武蔵境BC。そこから多摩川CR→浅川CR→陣馬街道へと進み、→入山峠→武蔵五日市駅→余力があれば武蔵境BCまで自走で帰還……というルートを引いてみました。BCまで自走で帰れれば約100kmライドも完遂できるというオマケ付きです。



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 参加者は私、えりかさん、ゆっけさん、へまさん、と~るさん、Deroさん、ちまちまさん、キルハさん、病気さん、トミィさん、akikiさん……って

e3e05b84メンバー見ると入山峠に行かずに、途中で左折して和田峠行きそうな気がするんですが何ですかこれは。


BFQit6Dg_200x200和田峠、行ったことないので行ってみたいです。ラピュタ坂も。



e3e05b84俺とえりかさん、陣馬蕎麦食ってるから残り全員力尽きるまで和田峠往復してきていいよ。


 いつのまにか全員重度のヒルクラスキー毒に感染しているような気がしますが、私だけは正常な心を保っています。

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 ともあれ、ライド開始。まずはサイクリングロードを乗り継いで入山峠を目指します。サイクリングロードで飛ばすのは危ないので御法度ですが、それ以前に「入山峠に到着しました、もう限界です」ではヤバイので、巡航速度を落として体力を温存しながら進みます。

 だいたい時速25km巡航を目安に、先頭は何度も入山峠に行っているゆっけさんに任せます。

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-5xqteuTあれ、ここ左でしたっけ



e3e05b84違う、直進だよ



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-5xqteuTここって直進でしたっけ



e3e05b84違う、右折



-5xqteuT次はトンネルに入るんでしたっけ?



e3e05b84おwwぼwwえwwろwww


 私を含め、普段あまり前を牽かないアンディ人は、道を覚えられないという難点が。

 また、前を牽き慣れているかどうかは、“キチンとトレインの前に居続けられているか”を見ると良くわかります。後ろにいる人のために風除けになるのが、前を牽くアシストの役目。ですが、アシストが気張り過ぎるとスピードが上がり、後ろの人がついていけず、1人目と2人目の間に大きな空間が生まれて“風除け”にならなくなってしまいます。前の人は後ろを定期的にチェックし、自分のスピードを細かくコントロールしなければならないのです。

 これが平地高速巡航訓練であれば、「前から遅れず、喰らいつけ!!」で終わりですが、今日は峠まで体力温存のポタライド。前の人が、後ろの人のスピードに合わせる必要があるのです。

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あー、またゆっけさん後ろ見ずに前に行き過ぎだよ。えりかさんの風除けになってないじゃないか。


 
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ほら、Deroさんが加速した。ゆっけさんに「速すぎなんじゃゴルァ!」って注意しに行ってくれ……あれ?

 

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pcXqfZ8Eキャー!



e3e05b84BFQit6Dg_200x200おー可愛がりだ可愛がりだ



 ポタライドとは言え、今日はチャレンジライド。前を遅くするのではなく、自らが加速して追いつけという、ハートマン軍曹の愛のムチに感涙。こうして探検隊メンバーは鍛えられ、強くなっていくのです。

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 もちろんコンビニ休憩もキチッと入れます。別にお腹すいてない、喉乾いてないって時もありますが、約20km毎に休憩を入れるといれないとでは、後々の疲労の度合いが大きく変わってきます。

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 と、ここで病気さんかまさかのパンク。コンビニ休憩中に気づいたという事は、スローパンクっぽいですが、峠でのパンクでなくて良かったとも言えます。ワイワイと修理開始。急遽、初ヒルクラにパンク修理講座まで追加された感じです。

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 しかも教材として用意されたホイールがLightweightのMeilenstein(マイルシュタイン)という超ハイエンド授業。みんなタイヤもチューブも無視して、ホイールを上げ下げして「軽っ!!」、「え!? なにこれ」の大合唱。Deroさんに至ってはしげしげと細部を見ながら「圧入かなぁこれ……分解してぇ」とか不穏な事を呟いています。
 
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 パンクの原因を探ってみると、タイヤに対して横方向に小さな亀裂のようなものが。カットパンク……と言うほど深くはなく、チューブに穴は1つなのでリム打ちのスネークパンクでもなく……その中間? みたいな感じ。

 ともあれ、カットパンクの可能性もあるため、私が新装備として導入したタイヤブートがさっそく役に立つ時が来ました。タイヤブート全部突っ込むほど傷はデカくないので、コンビニで借りたハサミでチョッキン。傷に裏当てをして、修理完了。思わぬ大休憩になりましたが、体力温存にはむしろよかったのかも。

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 そのまま順調に進み、陣馬街道へ。

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 ラストコンビニで再び休憩、これから山の中に入るので、その前におにぎりなど、軽くお腹に入れておきます。

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e3e05b84Deroさん何食ってんのww



OK-NBhMoミックリマンチョコ



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 ラストコンビニから峠の入り口までは、緩やかな登り。キツイと感じるほどではなく、むしろ車の数がガクッと減り、自然が豊かになるので走るのが楽しい道とも言えます。

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 ほどなくして、あの分かれ道が登場。
 
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e3e05b84みなさま左手をご覧ください、左折すると魔界(和田峠)です



-5xqteuTぎゃー!!



OK-NBhMoくそっ! へまさんと俺とで進路を塞いで、ゆっけさんを強制的に和田峠に行かせようとおもったのに失敗したww


e3e05b84今の流れは1人で和田峠行くトコだろぉ!! ゆっけさんにはガッカリだよ!!

 などと騒ぎながら、入山峠の入り口に到着。ここに来るたび、積雪状況を気にしていましたが、さすがにもう雪は見当たりません。

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 登れる人は先に行ってもらい、私など遅い人はまったりスタートする方式。しかし、最も登れるDeroさんは最後尾で動かず、どうやら何分かハンデをつけてスタートする模様。

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 とりあえず、私、えりかさん、本格的な長距離ライドは久しぶりというakikiさんらがのんびり登坂を開始します。
 
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 入山峠の良いところは、スタートから5~6%程度の勾配が始まり、それが基本的に最後の方までズーッと変わらないところ。いきなり10%オーバーで脚が回らないみたいな坂だと、初ヒルクラではその時点で心が折れて「もーだめ」と後が続かなくなりますが、入山峠の場合は最初で「うわー坂だ、でもこれならちょっと頑張ってみよう」と思え、そのままの頑張りを通していれば、いつかはゴールが可能です。

 逆に言えば、スタート直後の登坂が“イケそう”であれば、最後まで脚つき無しでクリアできる可能性があります。えりかさんを見ると、登りでも綺麗なペダリングが維持されていて、上体も大きくブレてはおらず、なんか大丈夫そう。本人は「きついー!」と言いますが、本当にキツイと息も上がって喋れなくなるので、「喋れる間は大丈夫」とも言えます。

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 そんな事を考えていると、後ろから異次元のスピードの物体にぶち抜かれました。当然、数分遅れでスタートしたDeroさん。ノーマルクランクで重いギアをガンガン踏んで加速しながら登っていく登坂スタイルは何度見ても何かの冗談にしか見えませんが、決して力まかせに、やけくそ気味に踏んでいるのではなく、非常に綺麗なペダリング&無駄の無い動きでパワーをホイールに伝えているのが後ろから見ていてもわかります。

 背景の坂道や森を消して、Deroさん単体を抜き出すと、まるで“町中でゆっくりペダルを漕いでいる人”のよう。その姿のまま凄いスピードで坂を上がっていくので、スローモーション動作をしているのに、誰より速く消えていくという、よく意味がわからない光景が生まれます。私は流石に見慣れましたが、この「ちょww なにあれwww」感は、探検隊ヒルクラの風物詩とも言えます。

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 1/3ほど進むと、最初の絶景ポイント。ゆっけさんやへまさんが景色を楽しみつつ、声援を送ってくれます。本当はここで立ち止まって絶景を楽しみたいところですが、えりかさんは“脚つき無しクリア”を目指しているのでそのままクランクを回し続けます。

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 かつて私とゆっけさんがトンネルの幻影を見た壁などを無事通過。このあたりで「まだ終わらないのか」と心が折れかかりますが、逆に「これならなんとか耐えられる」というケイデンスのペースが掴める頃なので、脚が攣ったとかでなければ、後は気合でなんとかなるはず。

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 ほどなくして2/3以上をクリアし、最初の目的地であるトンネルに到着。
 えりかさん見事に脚つき無し!!
 蛇行しまくりで息も絶え絶えという感じでもなく、まだ余力もありそうです。

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 トンネルを抜けると絶景ポイントのご褒美。これがあるからヒルクラも我慢できるというもんです。皆で「スゲェスゲェ」と祝福。断じて言えますが、私が初ヒルクラでこんな山にチャレンジしたら、半泣きで帰っていたと思います。こりゃ瞬く間に抜かれるわ……。

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e3e05b84ここで残念なお知らせがあります。ここが頂上ではありません。



pcXqfZ8Eちょwwww


 御存知の通り、入山峠の終着点は、絶景ポイントのもうちょい先。基本的には山のてっぺん付近までもう登っているので、“オマケ”的な距離ではありますが、登り坂もまだまだ残っているので、絶景ポイントで瀕死という場合、残りの区間はかなりの地獄と化します。

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 しかし、えりかさん頑張ってこのオマケ区間も脚つき無しでクリア!

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 見事、初ヒルクラにして入山峠を完全制覇しました。おめでとー\(^o^)/


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 制覇後は楽しいダウンヒル。ヒルクライムにはダウンヒルも付随します。

 ただ、私は気持よくて大好きなダウンヒルも、「怖くて嫌い」という人が結構います。安全面を考えると「怖くてスピード出せない」くらいがちょうど良さそう。転倒時の怪我はスピードが上がれば比例して酷くなりますし、荒れた路面では、以前の私のように鋭利な石でズバッとカットパンクするかもしれません。怪我なく家に帰るのが一番大切。人の少ない山の中でのヒルクラでは、その基本を忘れないようにしたいもんです。 

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 入山峠を抜けると、武蔵五日市の街へと出られます。瀬音の湯で足湯をと思っていましたが、気温が思いのほか高く、「足湯って感じでもないねぇ」と素直に武蔵五日市駅方面へ。

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 お昼ご飯の目星をつけておいた、蔵を改築したパスタ屋さんに行ってみましたが、あいにくのランチ終了。仕方なくファミレスで大休憩しました。

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 えりかさんの体力的にキツそうであれば輪行帰還も考えていましたが、「BCまで大丈夫そう」と頼もしいお言葉。初ヒルクラ制覇だけでなく、約100kmのライド完遂も成し遂げられそうです。

 帰りは、皆の頭の中がすっかり「えりかさん走れるじゃん」モードに切り替わっていたため、五日市街道が下り基調な事も手伝い、ついつい加速し、サイコンにふと目をやると時速30kmオーバー。

pcXqfZ8Eみんな25km巡航忘れてる!!


e3e05b84すんませんww


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 結局、無事にBCまで帰還完了。えりかさんの走行距離は92kmと、100kmまであと少しでしたが、まあほぼ100kmライドを完遂したと言えます。しかも本格的な峠1個付きと、内容的にはかなりボリューム。これがクリアできたのなら、かなりいろいろなトコロへ行けそうです。

 クリアできても、キツすぎて、かつて都民の森でコテンパンにされた私のように「もう坂なんて見たくない」という心境になるのではと心配していましたが、そんな事もないようで。結果的には、“入山峠のちょうど良さ”が立証されました。いまいち知名度低いですが、緑の中で、自分のペースで初ヒルクラに挑戦したいという人には入山峠、オススメです。