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 平地巡航に特化したディープリムホイールとか、ヒルクライム向けに限界まで軽さを追い求めたフレームとか、突き詰めると何でもカッコよくなるものですが、ラーメンでも結構似たようなモノがあります。

 新宿にある「えびそば 一幻」というお店。本店は札幌で、2013年末に新宿店ができ、2014年に「へー、行ってみたいなぁ」と思っていましたが、あまりお店の方向に用事が無く……一年越しでようやく食べてみました。
 
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 その名の通り、「えび一点突破」なラーメンで、大量のえびの頭を使ってスープを作り、えび油や、えび頭を炒った“えび粉”なども投入するという、えびえびな一杯だそうな。

 メニューがユニークで、塩、醤油、みそという普通の3タイプのラーメンがあるのですが、それぞれに使うスープに「そのまま」、「ほどほど」、「あじわい」という3種類があります。内容は以下の通り。

  • そのまま えびの風味をそのまま活かしたストレートスープ
  • ほどほど えびスープにほどほどのとんこつスープをブレンド
  • あじわい ほどほどにさらにコクを加え、あじわい深く仕上げた

 つまり「“塩ラーメン“を“そのままで”」とか、「“醤油ラーメン”を“ほどほど”で」みたいな注文の仕方をするというわけです。さらに、それぞれに太麺、細麺が選べるので、バリエーションはかなり豊富。行列に並んでいる時に「どうしようか」と考える項目が豊富です。

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 今回は初めてなので、一番シンプルなものをと、「えびしお」を「そのまま」スープで注文。麺は「そのまま」にマッチするという太麺をチョイス。醤油やみその味が介在しない、“えび味”をダイレクトに味わおうという狙いです。

 目を惹くのは、中央の桜色の物体。一瞬「ちらし寿司とかに入ってる桜でんぶ?」と思いましたが、実はコレ、“天かす”なんだそうな。紅しょうがと、スープのダシに使った海老の頭を揚げて、細かく刻んだもので、香ばしくてさっぱりしていて美味しいです。

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 奥にある茶色の粉も、魚粉ではなく“えび粉”ダシにつかったえびの頭を焼き上げて粉末にしたもので、これも香ばしさをプラスするためなんだとか。

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 スープを飲んでみると、“えび”の一言。普通に寿司やフライなどで食べるえびの味を、100倍くらい強くしてガツンと叩きつけられたようなえびっぷりが凄すぎて「えびだわ」と半笑い。こんなに強いえびの味を味わった事がないので、記憶の中に比較対象がありません。一番近いのは“えびの頭が入ったお味噌汁”ですが、パンチ力がまるで違います。そのためか、ラーメンなんですが、日本料理のようでもあり、でもパンチ力が強すぎるので和食のような感じでもなく……なんとも不思議な感覚。

 唯一心配したのは、“えびの頭を超大量に煮込むと、えびのミソも溶け出しまくるので生臭くなるのでは?”という事ですが、実際に食べてみると、香ばしさが勝っていて、嫌な感じはまったくしません。ミソよりもえびの殻のパワーが勝っているという感じ。えびやカニのミソが苦手という人でも、恐らく大丈夫だと思います。

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 えびパワー溢れるガツンとした味ですが、太麺だとそれを受け止める安心感もあり、良い組み合わせだと感じます。
 
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 ちなみに、同じ「そのまま」スープで、「醤油」の一杯も一口味見しましたが、えび原理主義に、醤油が入り込むことで、えびえびにも程があるえび感が、やや理性を取り戻してラーメンぽく変化していました。これはこれでアリだとは思いますが、やはり塩の方がえびえびし過ぎてどうかしている突き抜け感(褒め言葉)があり、「なんか凄い一杯を食ったな」感が記憶に鮮烈に残るため、初めて食べる時には塩の方がオススメです。

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 サイドメニューも、もちろんえびおにぎり。えびえびしいおにぎりです。餃子も海老餃子……と思いきや、普通の餃子。ちなみにこの2品は、味付けが控えめで、ラーメンのえびパワーの強さとのウェルバランス。ポン酢につけて食べる餃子って初めてだ……。

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 ちなみに、ラーメンの真っ赤な器からもえび感を主張しており、側面には黒い太字で“えび”。お客さんもひっきりなしで、突き詰めの美学を実感できます。

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 ちなみに

 
 定休日は水曜日だそうです。