前回までのあらすじ。
いろいろあった末、残った8人で名栗湖へのサバイバルライドを継続する事になった茶川探検隊(仮)名栗偵察隊。しかし、再出発直後、目の前には小沢峠が鎮座しているのであった……。
成木の家と名栗方面への間にあるのが小沢峠。ただこの小沢峠、峠という感じがあまりしません。実際に見上げてみると「小沢坂」、「小沢直線」という感じ。峠というと、ウネウネカーブが続くイメージですが、小沢峠はドドンとドストレート。距離も短く、見上げただけでゴールのトンネルが見えています。
先の見通しが良いというのは良し悪しで、「あのカーブを曲がれば終わりだよきっと」と自分を騙しながら登る事が困難になります。ただ、ゴールが見えているので、エネルギー配分が可能なのは良いポイント。「序盤に頑張り過ぎて、こんなに後半が長いと思わなかった」というような失敗が防げます。さて、どのように登ればいいのか……。
ウダウダ考えていたら、Deroさんがアウターでカッ飛んで行ったwww
まあ実際、距離も短く、斜度も激坂一歩手前なので、成木の家までのヒルクラがクリアできた人ならば、ちょっと奥歯をかみしめて我慢すれば登り切れます。Deroさんレベルだと、おそらく“気づいたら通りすぎていた”程度かもしれません。
頂上のトンネルを抜けると、名栗方面に向けた、かなり長めのダウンヒルご褒美タイム。成木から名栗あたりの道は、車通りが少ないので、安心して下り坂が楽しめます。ただ、カーブはそこそこあるので、スピードの出しすぎには注意。自動車の運転と同じで、スローインファストアウト(減速してコーナーに進入、加速しながらコーナーを抜ける)が基本です。
ロードバイクの場合、コーナーへの進入速度が早過ぎると、曲がりきれずにガードレールに衝突→アイキャンフライコンボが決まると洒落にならないので、コーナー前の減速は特に大事です。ブレーキをしっかり効かせるためにも、斜度がキツイところでは下ハンを持ち、サドルも後ろの方に座って重心を低く。段差や障害物にも気をつけましょう。
以前suzukiさんが言っていましたが、スピードの出ないヒルクライムでコケたところで、どこかを擦りむく程度。ダウンヒルは吹っ飛んだり、ぶっ壊れたり、大怪我する可能性が高いのでロードバイクで最も注意が必要な区間。逆に言えば、ダウンヒルで無茶をしないよう心がければ、そうそう大変な事にはならないというわけです。
ちなみにPINARELLOはウネウネしたONDAフォークのおかげか、ダウンヒル時の安定感が異様に良く、ドッシリとした安心感に包まれつつ下れます。同じピナ乗りのakikiさんも同じ感想なので、ホイールや車種に限らない特徴なんだと思います。
楽しいダウンヒルが終わると、名栗地区に突入。お腹もすいた頃なので、Deroさんが、自転車乗り御用達のお店に案内してくれるとのこと。
お店に向かって走っていると…… なんか里山風景の中に突如恐竜がww
お店に向かって走っていると…… なんか里山風景の中に突如恐竜がww
名栗湖国際野外美術展というのが開催中だそうで、道端に美術作品が陳列されているとのこと。この恐竜も、その一環のようですが……。デザインのお仕事をされてるakikiさんにいろいろ聞きながら、そうした美術品も見ながら走ろうと思っていたのですが、恐竜以外のオブジェが無えww
走りながら「あそこらへんにあるのかな?」、「案内パンフとかはどこにあるのかな?」と探してみましたが、残念ながら見つからず。もしかして凄いスピードで通り過ぎた!?
それにしても、里山風景の中に恐竜がポツンと鎮座しているのはシュールの一言。もうちょっとお祭りっぽく盛り上げればいいのに……。
開催されていることは、開催されているようだけど……。お腹すいたし、お昼にしようか。
お目当てのランチのお店は、ターニップというイタリアンレストラン。丘の上の可愛いお店で、店の前がなかなかの激坂www 自転車ラック(木製)も完備され、チャリダーに嬉しいお店です。……前の道、今まで3回くらい通ってるけど、こんなお店がある事まったく気づいていなかった……。
ピザやパスタ、ミルフィーユカツ、カキフライなんかがメニューに並び、イタリアンレストランと言うよりも「洋食屋さん」という感じ。名物は焼きカレーとのこと。ダウンヒルで冷えた体に、熱々のカレーはウエルカム。カレー単品でも良いですが、どうやら揚げ物や鳥料理など、もう1皿を追加できる「ボリュームセット」もあるとのこと。
普段、さほど大食漢ではないのですが、ヒルクラでカロリーも消費しているので「ボリュームセットいっちゃう?」と、皆の真似をして焼きカレー+鳥の香草焼きをチョイス。待つことしばし、香ばし焼けたチーズの匂いと共に焼きカレーキタ━(゚∀゚)━!
あちいいいいいいい!!!!!! (当たり前だ)
そもそもカレーは熱いものですが、それをオーブンで焼いているわけで、マーベラス熱い。寒いと言いながら入店したので、熱いのはウエルカムですが、熱すぎて味がわからないww
ジューシーな鳥を食べつつ、少し温度が下がったカレーをパクリ。うまい! (゚∀゚)
ジューシーな鳥を食べつつ、少し温度が下がったカレーをパクリ。うまい! (゚∀゚)
焼きパスタとか、焼き○○系は総じて味が濃くなる傾向がありますが、こちらの焼きカレーはサッパリ感もあり、どちらかというと優しい味。普通のカレーライスとは異なる、ルーとカレーとチーズが完全に一体化した調和が楽しいです。あ、食べてると目玉焼き出てきた。
寒い、腹減ったと騒ぎながら、手ぐすねひいて食べ始めましたが、気分だけで胃が拡張するわけではなく、7割くらい食べたところでお腹がパンパン。残すのはもったいないと完食しましたが、「これからロードに前傾姿勢で乗るのか」と思っただけでちょっと苦しい。同時に「こんだけ食べたからまた消費しないと」という義務感も芽生えてきます。
ただ、以前私が瞬殺された名栗湖のダムまでは登らず、今日のルート的には、このまま峠を超えて多摩湖の方に帰る予定なので、坂はまだ残ってはいますが、なんとかなるはずあれDeroさん、そっち道違くない? ほら赤い壁画出て来たじゃん。ここはヤバイって。これ名栗湖ダムへの道じゃん俺がダース単位で尻子玉抜かれて、最後徒歩登山になったあそこじゃん。
予定には無かったけど、ちょっと登っとこうか(*´∀`*)
ちょっと登っとこうか(*´∀`*)、じゃねええええwwww
ほら、ゆっこさん達にもダムの写真を見せたいし
ぐぬぬ……そ、そう言われると
(ブログ的にも行ったほうが面白い気はするが)
(ブログ的にも行ったほうが面白い気はするが)
しかし、行くのであれば死なばもろとも一蓮托生、希望者チャレンジ制度ではなく、全員で行きたいところ。しかし、登ったことがない皆は「どのくらいキツイの?」と不安げ。へまさんにも「血の味指数どのくらい?」と聞かれました(血の味指数浸透してるのかw)。
ここでおさらいをしておきましょう。しおいんですけどヒルクラ感覚指数である「血の味」は、東村山のラルプ・デュエズが「1血の味」、大垂水峠が「4血の味」、都民の森は「11.8血の味」などとなっています。以前、りんりんロードライドの時にチラッと書いていますが、名栗湖までは「7.5血の味」となっています。
大垂水峠が「4血の味」って少なくない? とか、いろいろツッコミはあると思いますが、距離はあまり関係しておらず、斜度がキツくて「これ無理じゃね?」という絶望感を覚えるとポイントが高くなる傾向にあります。名栗湖への激坂は、距離はたいした事ありませんが、斜度がキツめで、しかもキツイ斜度がいきなりしょっぱなから登場する容赦のなさゆえ、7.5血の味という高めの指数が出ているわけです。
んー、5血の味かな?
わたくし嘘を申しましたwww ローディーの「ヒルクラに誘う時は斜度を6割程度で表現する」法則を発動してしまいました。だってーみんなにもキルゾーン体験してほしかったんやもん(鬼)。
そんなこんなで、人生2回目の名栗湖チャレンジ。前述の通り、この坂がキツイのは、10%程度の斜度がズーッと最後まで続く事。緩急が無くなったり、休憩したり、勢いをつけられる場所が無く、ゴリゴリと脚と心を削られていく感じです。
またもやアウターで登っていくDeroさんは見なかったことにして、「ああ、この感じ。前もこのキツさだった」と思いながら、歯を食いしばって進みます。どのくらいでゴールなのかは、2度目の挑戦ゆえ把握済みなので、無理はしません。しかし、ここまでの行程で脚をずいぶん使ってしまったようで、半分を過ぎたあたりからまったく踏ん張りが効かないww
(私にとって)重めのギアで踏む事がまったくできなくなり、昔のような軽いインナーでクルクル作戦にあえなく移行。スピードがガクンと落ちて、みんなに抜かれまくり。初回チャレンジで足をついてしまったラストの右カーブをクリア、足をつきたくなる衝動にかられますが、2度目の敗北はなんとしても避けたいと、意地でクルクルまわしながら……ノロノロと堤防まで辿り着きました。
日が暮れるとあれだから、ちょっと急いで戻ろう。
らじゃー(^O^)/ (脚プルプル)
帰路は基本的に下り基調なので、坂が出てこなければ、快適に走れます。前を牽いてくれるDeroさんにくっついて、快調に巡航。
景色がびゅんびゅんと流れていき、サイコンのメーターがグングンと上がり
時速25km、
30km、
35kmって…‥
景色がびゅんびゅんと流れていき、サイコンのメーターがグングンと上がり
時速25km、
30km、
35kmって…‥
はええええええええええええええええwww
いつのまにか私はDeroさん特急に乗車していました。普段は25~30km程度の巡航でのんびりやっている自分にとって、異次元の速度域。35kmで止まらず、37、38kmと増えていくサイコンを見て「ひええええ」と心の中で叫びながらも、脚を回し続けます。下り基調の区間では遂に40kmに到達。
この超特急、スリップストリームに入っていれば、楽ではありませんが、なんとか乗車し続けられます。しかし、遅れて振り落とされると、自分の脚だけの加速で風を切り裂いて元の座席に戻るのが超大変。つまり、乗車し続けるのはちょっと大変だけど、振り落とされると地獄だから、乗車し続けるしかないという感覚。これぞまさに高速トレインです。
そしてコレがツライけど面白い。乗車し続けるのはキツイのですが、頑張って食らいついていると、まるでトレインが1匹のヘビになったような、不思議な一体感が生まれ、「起伏があってもこの速度をとにかく維持するためのギア/ケイデンス選びをしよう」という気持ちになり、それが前を走るDeroさん、へまさん、ケルさんとピタリと一致すると、4人がまったく同じスピード、間隔で起伏のあるゾーンをクリアできたりして、独特の気持ちよさがあります。後続もそんな感じで繋がっているんだと思いながらクランクを回します。後ろを確認する余裕がないww
探検隊でいつもトレインは組んでいますが、やはり信号がある街中と、信号がまったく無い場所では、トレインから受ける恩恵のレベルが違います。また、35kmオーバーの速度域だからこそ、トレインの恩恵をより強く感じ、独特のウネウネ連なるヘビのような気持ちよさも体感できるのでしょう。
上級者は、高速で距離を稼ぐ時には、頻繁に先頭交代をしながらトレインを組んでかっ飛ばすので、本来であればDeroさんにばかり牽いてもらわず、私も先頭交代とかしなければなりませんが、ついていくだけで精一杯で前に出れる気がしねえww しかし、上級者が楽しめる“高速トレイン”の世界が垣間見えた気がして、非常に楽しかったです。
楽しかった“です”と過去形なのは、トレインが崩壊したからです。
坂で。
なんじゃこりゃああああああああああああ
帰り道ルートでは緩い坂だよコレ。長さはちょっとあるけど(*´∀`*)
ちょっとあるけど(*´∀`*) じゃねええええええええwww
私が以前、一人で名栗湖に行った時は、「東京への近道」(↓)という看板に騙されて、
山王峠に行ってしまい、寿命を32年くらい吸い取られました。今回、Deroさんが選んでくれた帰宅ルートは、龍崖山の側面を通るコース。山王峠と比べると斜度は低いのですが、長えwww しかも視界がすこぶる良好で、この坂が延々と続いているのがひと目でわかります。
山王峠に行ってしまい、寿命を32年くらい吸い取られました。今回、Deroさんが選んでくれた帰宅ルートは、龍崖山の側面を通るコース。山王峠と比べると斜度は低いのですが、長えwww しかも視界がすこぶる良好で、この坂が延々と続いているのがひと目でわかります。
完全に売り切れている脚で登るのは、真綿で首をしめられるような辛さ。ぶっちゃけ脚をつく気満々でしたが、悔しいことに、売り切れた脚でも自転車を降りるほどキツくはなく、「脚をついたらついたで、これをダラダラ徒歩で登るのは嫌だなぁ」と思いながら、なんとかクランクを回し続けていたら、脚をつかずに登りきりました。
中ボスを倒せば、あとは基本的に下り基調。
夕暮れから夕闇に染まる岩蔵街道を走り、無事に多摩湖方面へと帰ってくる事ができました。
いやぁー、疲れましたが非常の濃密なライドでした。今回でようやく、頭の中に成木や名栗地区の地図が、山の起伏付きでインプットされ、どこを選べば無理がないのか、無理があるのかがわかってきました。
今回のコース、私の家からはトータルで約130km、高度は1,829mという結果。今の私が、脚をつかずにギリギリ乗りきれる強度という感じでした。当初は、脚が売り切れた名栗湖の坂に行かない予定だったので、あの激坂が無ければ、もう少し体力を温存して走り終えられたと思います。その点も含め、さすがDeroさんという絶妙なコースでした。
予定外のトラブルもありましたが、それも含めてのロングライド。個人的には、ある程度の速度を維持して登坂できる距離や斜度の自分の中の限界、高速トレイン巡航の気持ち良さなど、またロードバイクの新しいオモシロさが垣間見えて、「やっぱ凄い人と走ると凄いな」と、妙な納得に包まれています。やっぱ追い込まないと異世界は見えてこないんだなぁー。
夕暮れから夕闇に染まる岩蔵街道を走り、無事に多摩湖方面へと帰ってくる事ができました。
いやぁー、疲れましたが非常の濃密なライドでした。今回でようやく、頭の中に成木や名栗地区の地図が、山の起伏付きでインプットされ、どこを選べば無理がないのか、無理があるのかがわかってきました。
今回のコース、私の家からはトータルで約130km、高度は1,829mという結果。今の私が、脚をつかずにギリギリ乗りきれる強度という感じでした。当初は、脚が売り切れた名栗湖の坂に行かない予定だったので、あの激坂が無ければ、もう少し体力を温存して走り終えられたと思います。その点も含め、さすがDeroさんという絶妙なコースでした。
予定外のトラブルもありましたが、それも含めてのロングライド。個人的には、ある程度の速度を維持して登坂できる距離や斜度の自分の中の限界、高速トレイン巡航の気持ち良さなど、またロードバイクの新しいオモシロさが垣間見えて、「やっぱ凄い人と走ると凄いな」と、妙な納得に包まれています。やっぱ追い込まないと異世界は見えてこないんだなぁー。
オマケで、今回のライドの総集編(という何の気持ちいいダウンヒルメイン)動画を1080/60pでどうぞ。Deroさん特急に乗っているのに、登り坂が来るとちぎれて、下り坂で合流する私のヒーコラぶりが見えて笑えます。その後、エンドレス坂で絶句、まだまだ元気な病気さんが、凄まじい速度で登坂していくのを見て心がモッキリ折れる様子も楽しめます。
書き込みありがとうございます、
こちらこそ、読んでいただいて嬉しいです。
堂平山、初めて知りましたが、白石峠の先なんですねぇ。
メモしておきますφ(*'д'* )メモメモ
そしてターニップさん、ホントにロード乗りにはお馴染みなお店だったんですね。
行った後で、コメントやらいろんなブログやらで見つけて「知らなかったのオレだけかw」と
驚いてました。
>因みにレストランで自転車チューブを売ってる
>店はあまり見ませんよね。(出口近くに置いてあります)
なにいいいいいいいいい!! まったく気づいてませんでしたwwwwwwwwww
そういえば、何やらコマゴマ置いてあった気が。
今度行った時に確認してきまーす!!