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 このブログに頻繁に登場するホームグラウンドの多摩湖。その遥か北西には、めんまライドで死にかけた秩父があり、その間には、入間や名栗などの地域があります。

 「多摩湖飽きたなぁ」、「もうちょっとロード乗りたいなぁ」という時に足を伸ばすと、おのずとそれらの地域に入り込むわけですが、実のところ、いまだに何処がどうなっているのかよくわかっていません。
 
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 わからないまま、これまで「湖があるらしい」というだけの情報で名栗湖に突撃し、吐血。「名栗湖ダメだったから、反対側に行ってみよう」と仁田山峠に突撃して土葬と、今までは散々な結果に終わっています。これは私の脚力が生まれたての子鹿程度しかない事と同時に、敵(坂道)をよく知らないまま戦いを挑んでいたためにほかなりません。

 そんな折、Twitterで、茶川探検隊のエースクライマーDeroさんが名栗湖方面に行くとの情報をキャッチ。「俺も俺も」と連れて行ってもらう事にしました。山を良く知るDeroさんから、名栗湖方面のオススメルートを教えてもらおうとう魂胆です。

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 今回はいつものベースキャンプではなく、多摩湖の堤防入り口に集合。まずは多摩湖自転車道の入り口でへまさんと合流し、一緒に多摩湖へ。土日は混む自転車道ですが、早朝なので流石に人影もまばらです。

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 堤防到着。さっそく、いつか買おうと思ってたら先を越されたゆっけさんのボラワンを激写!! やっぱカンパのディープリムはカッコイイの一言。こんなにイカツイですが、乗り心地も良く、持ってみると「かっる!!」

e3e05b84音は!? ねえ、ボラワン音はどうなの!?



-5xqteuT_bigger音は見た目ほど派手じゃないんすよ。




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e3e05b84このボラワンのステッカー剥がしてコンビニでカラーコピーして良い!?



-5xqteuT_biggerロゴがステッカーな事にあんま触れないでくださいw コピーしてどーすんですか。




e3e05b84あとは厚紙でなんとかディープリム化する



-5xqteuT_bigger空中分解するわww



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 お次はTwitterで知り合った病気(やまいけ)さんのキャノンデールをパチリ! 病気さんは、私が参加していない探検隊ライドに参加しているので、既に探検隊の一員ですが、一緒に走るのは初めて。ロード購入からさほど経過していないそうですが、茶川さんのブログで登れる人である事は学習済み

 実際に会ってみるとやはりスラリとしたクライマー体型。
そうなんです、登れる人はシルエットが違うんです。前々からうっすらそうじゃないかなぁという気はしていましたが、最近ようやくそれを認める気になってきました。すんません痩せます。

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 それにしても、キャノンデールの完成車のキャノンデールっぷりが凄い。ホイールのカラーもそうですが、バーテプやらなにやら全てにキャノンデールマーク。聞くと、フロントライトや尾灯は病気さんが後から買ったものだけど、せっかくだからとキャノンデールマーク入りのモノを買ったとのこと。そりゃそうだ。こんだけキャノンデールで統一されていたら、新パーツを追加する時は「とりあえずキャノンデールのやつにしよう」となるもの。自転車屋でいつも「赤黒赤黒」言ってるので、その統一させたいマインドはよくわかります。

 そういえば、サイクルモードで見たURSUSのホイールは緑色のキャノンデール風カラーだったような(悪魔のささやき)。

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 そして、こちらも初心者と言いながらりんりんロードライドでDeroさんも驚く登坂能力をみせた、ケルさんのSEMPRE。あれ……何かが前と違う……  

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 あああああああ!! DURA-ACE履いてる!!

 もう何なの!! この購買欲の秋は!! 負けられねぇ……オレも何か買わないと。

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 !? ゆっこさんまでR500じゃなくてULTEGRAホイール履いてる!!

 と、思ったら、これはDeroさんのホイールを借りたのだとか。ホイールによる乗り味の違いを、実際に坂道とかで体験してみようというわけです。

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 soramimiさんが、ファイバーフレアライトじゃない新しい尾灯を!!

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 キルハさんのGF01が……とかやってると夜になるのでw とりあえず出発。

 参加メンバーは、Deroさん、ゆっけさん、病気さん、ケルさん、soramimiさん、akikiさん、キルハさん、ゆっこさん、へまさん、盗撮魔の10人でござい。

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 まずは多摩湖を西武ドーム方向に少しだけ走って離脱、隣の狭山湖を突っ切ります。

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 狭山湖は多摩湖と比べて人がほとんどおらず、堤防の上を走るのは気持ち良いの一言。

 狭山湖を抜けると、狭山茶の茶畑へ突入。このあたりは、めんまライドでのんれす氏と秩父に行った時のルートと似ていますが、より道幅が広くて走りやすいのが印象的。

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 雲がほとんど無い晴天で、ひこうき雲が良く見えます。

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 入間川方面へと進み、八高線を渡り、のどかな田舎の風景が、徐々に山の景色に。途中に、チョコチョコとアップダウンはありますが、まだ本格的なヒルクラポイントとは言えないレベル。

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 ほどなくして、下畑という地区のコンビニにピットイン。どういうわけか、コンビニの隣に八百屋が合体している……。

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 コンビニで買った補給ゼリーをちゅーちゅーやっていると、Deroさんから何やら耳馴染みのあるワードが。

OK-NBhMo
ここが最後のコンビニだから



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坂フラグきたあああああー!!


 都内で暮らしていると、そもそも「最後のコンビニって何」と言いたくなるほど意味がわからない言葉ですが、山奥に行くようになったローディーには痛いほど意味がわかります。単純に、峠(つまり山越え)をする前に、水や補給食、塩分の補給ができる最後のポイントという意味を超えて「何かあっても文明の力は容易に借りられないゾーン」へ足を踏み入れる覚悟を決める最終防衛ラインというニュアンスも含まれています。ロ^ードバイク乗らなかったら、オレ一生コンビニの自動ドアをそんな気持ちでくぐる事なんて無かっただろうなぁ……。

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 コンビニを出て、埼玉県道・東京都道193線を西へ。

 成木図書館からゆるやかなヒルクライムがスタートし、小沢峠の手前まででひとまず一区切りとのこと。小沢峠と言えば、名栗湖単独チャレンジの時にあまりの直線激坂っぷりに半泣きになった場所です。ただ、単独チャレンジの時は、ここまでの道がよくわからず、いきなりウェルカム激坂で心を折られ、小沢峠の麓に辿り着くだけでヘロヘロでしたが、今回のDeroさんコースは序盤に激坂は登場していないので、脚の余力はほぼ満タン。

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 よし、今日は頑張ってみようかと、珍しくシンガリではなく、先頭集団に近づきます。最近、単純に脚をつかずに登りきる事ではなく、ある程度のスピードを維持して登れるかどうかが気になってきたので、先頭組のオシリに、行けるところまでついていってみようと色気を出したわけです。

 先頭組はゆっけさん、ケルさん、病気さん。いずれも登れるメンバー揃いです(Deroさんは別枠で後続の様子を見に行ったりなどの坂サポート役に)。

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 斜度は6%、7%程度でしょうか。1人で登るときは、どうしても怠けて時速10km台でノロノロしていますが、先頭グループはあまりスピードが落ちず、20km台をキープ。高速クルクルケイデンスだと心拍がオーバーヒートするので、この速度に追いすがるためには、ある程度脚を使う必要があります。乳酸を恐れない勇気が試されているわけです。

 朝の寒さはどこへやら、汗が吹き出します。苦しいですが、とりあえずこの坂は、先頭集団に最後まで食らいついてみようと決めたのでなんとか頑張ります。

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 撮影する余力はあまりありませんが、周囲の景色は紅葉も手伝って最高。車も少なく、心拍とケイデンスに注意して集中して登れます。「もしこれ以上もっと道が続いていたら、そろそろ脱落しそう」と思いはじめたところで、見覚えのある自販機が登場!! 小沢峠の入り口に辿り着きました。

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 あーつかれた……

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 一息ついて、後続の撮影にいそしみます。それにしてもへまさんのヒルクラは上体がまったくブレず、綺麗です。ヒルクラで頑張ると、つい、うんしょうんしょと上体が上下左右に動いてしまうものですが、そのエネルギーは推進力にはならないので、体幹を使って上体はブラさず、スマートに登っていくのが理想。頭でわかってはいますが、なかなか実践するのは難しいです。

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 ちなみに、小沢峠のふもとの自販機のすぐ脇にあるのが、ローディーの(?)憩いのスペース、成木の家茶川さんのレポで読んで、行ってみたかったのですが、まさかこんな場所にあったとは……。外にはバイクラック、中には休憩スペースと空気入れや工具まで完備されているというオアシス。

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 ただ、あいにくこの日はお休みで中には入れませんでした。

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 もったいないのでガラス越しに内部をパチリ。おお、木のぬくもりが気持ちよさそうだ。

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 一度小沢峠に来た事がある私が、なぜこの「成木の家」に気付かなかったのか……答えは簡単。先ほども掲載した下の写真、道路の案内図には、左方向(成木の家方向)が行き止まりと書いてあったため、「左に進んでも何もないんだろうな」と決めつけていたからです。

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 しかし、Deroさんの話を聞いたり、Webを調べたりすると、あくまで行き止まりは自動車に対してという話であり、成木の家の先にはローディーにとってキルゾーンが口を開けているらしいです。伝説によれば、この先には「ときわ林道」という急勾配が待ち受けており、頂上の黒山山頂までかなりの激坂が続くとのこと。

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このコースを使った「東京ヒルクライムNARIKIステージ」まで開催されているそうで、公式サイトには「前半5kmは緩く、後半5kmはガツンとマニアック」と書かれています。この文章の「マニアック」「殺しにかかる」をオブラート800枚でくるんだ造語だと思われ、日本語って風情がありますね。

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 どのくらい頂上まで辛いかは、茶川さんのレポに書かれていますが、以前登ったことがあるというへまさんによれば「都民の森よりある意味キツイ」とのこと。それはつまり、私にとっては「墓場」を意味します。ただ、幸いな事に、今回のライドではこの黒山山頂までの激坂区間には行きません。よかったよかった。

 行ってないのになんで写真があるのかは、ブログネタ用に入り口を見に行ったからですw ファインダー越しにコダマが写ったような気がしたので慌てて戻ってきました。来世にチャレンジしようと思います。

 …と、横道にそれましたが、小沢峠のふもとに話は戻ります。これから我々は、小沢峠を乗り越えて、名栗湖方面へと進む予定。しかし、おかしい、撮影しようと待ち構えていても、ゆっこさんとDeroさんが登って来ない……。何かあったのかと心配になってきますが、1回登っただけで脚が生まれたての子鹿状態なので、様子を見に降りたらもう一度登ってこれないので降りれないのが我ながら情けない。

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 あ、Deroさんが、一人だけ平地みたいなスピードで登ってきた

 Deroさんと、途中までゆっこさんを牽いていたへまさんによると、左膝の痛みが出てしまいDNFとのこと。なんと! (TдT) ただ、山奥で無理は禁物。幸い、まだ山奥に分け入る段階の坂道なので、Uターンして下っていけば幹線道路には出られるはず。心配ですが、以降はTwitterで連絡をとりあい「自転車保険のロードサービスで」、「いやもうタクシー乗ってしまえ」等々、ITで対策会議。

 すると、今度はケルさんとsoramimiさんのバイクにトラブル! どちらもリアディレーラーの不具合で、変速がうまくできず、Deroさんの応急処置でケルさんのバイクは直ったものの、soramimiさんのバイクを完全に修理するには自転車屋に行く必要があり、こんな場所に自転車屋があるわけもなく……。無理に走り続けるとモゲてフレームにもダメージが行く危険性もあるので、ここでsoramimiさんもDNF。

 な、なんてことだ。名栗湖には何か妖気的なものが漂っているのだろうか……いきなりサバイバルレースの様相を呈してきました。ただ、ここで唸っていてもどうしようもないので、とりあえず残ったメンバーで先に進む事に。

 ん? この先って、小沢峠じゃん。

 あの、ドストレートな激坂で、見上げただけで心が折れる事でお馴染みの。




OK-NBhMoあ、そうか野郎だけが残ったので今日はもうガチなヒルクラだねこれは



e3e05b84みぎゃああああああああああああ!!!!



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 ~次回:異世界への旅立ち編に続く~