前回の聖蹟桜ヶ丘・いろは坂から、川崎街道を走ること少し。百草園の駅を少し過ぎたところに、駅名の由来ともなった百草園への道があります。ホントにフツーの街中の、フツーの小道なので、とてもココがローディー達に知られたヒルクラスポットとは思えません。
目印と呼べるのは、百草園への看板程度。
なになに、距離はここから約400mとな……。そんなに短い距離であれば、なんとかなりそうだ(前フリ)。
しかし、目線を上の方に向けると、ちょっとした山が。
しかも、その山肌に沿うように、段々構造の建物も見えるような……。あれって、なんかおかしくない? 背筋にちょっと冷たいものが流れます。
気を取り直してスタート。序盤は普通の住宅街の小道。ちょっと坂道になっていますが、どうということはありません。
左に曲がるといきなり斜度がアップ。急に来たのでビックリしましたが、ギアを2枚ほど落として冷静に対処。
右に曲がると、10%を越えているであろう斜度のストレート。
6%程度であれば普通の顔で登れますが、この斜度だと「ムギギ」と言いながら進む感じ。始まったばかりですが、いきなりもうキツイ……。血の味がしてきました。
なんとかストレートを終えると、目の前に小さな看板が。
歯を食いしばりながら左の看板に目をやると、「百草園 あとひといき」と書いてあります。
そうか!! あとひといきか!! それならなんとか……
斜度がさらにキツく、恐らく10%台後半に。立ち漕ぎしたくなりますが、座ったまま行けるならばそうしようという妙なこだわりがあるので、シッティングでなんとか前に進みます。目の前にまた看板が出て来ました。
「ようこそ 百草園」って書いてある!!
ということは、もうゴールって事だよねパトラッシュ!! 血の味してきたけど、俺、足つかずにクリアできたんだよね!
あれ、看板から左にまだ道が続いてる……入り口はこっちかな?
!?
ちょ・・・・・・
ゲボァ!!!!!! (吐血)
あんじゃこりゃあああああ!!!
確実に20%台の激坂、シッティングなんぞで登れるわけありません。立ち漕ぎでなんとか揺れながら前に……
もう垂直の壁じゃねえかこれ!!!
ぐぎぎぎ……
なんとか少しでも前に……
あああ…… あかん、進まない。もうダメだよパトラッシュ
このままだと失速して倒れるwww
ああああああー ビンディングはずさなきゃー!!!
足ついちゃったwwwwwww
これ無理だわwwwwww
立ち漕ぎって、文字通り、立って漕ぐわけですが、斜度が凄まじすぎて、立っている時に目の前にアスファルトの壁があるように見えました(マジで)。坂を登っているというのではなく、垂直の壁の前で踏み台昇降運動しているみたいな感覚。
そして登る登らない以前の話として、立ち漕ぎでも前に進まないのでスピードが落ちまくり、自転車が倒れてしまうくらいの徒歩以下のスピードになってしまうため、「ビンディングを外さないと楽車する」という恐怖が先に立って、足が痙攣などして終わるよりも先に、落車の恐怖で足をついてしまうという初めての経験をしました。
事前に調べた時に「キツイけどなんとか足つかずに登れた」というブログなどが多いのですが、まったく足をつかずに登れる気がしねえwww 学生時代に乗ってたマウンテンバイクのギアだったら、もしかしたらなんとかなるかもしれませんが、普通のロードバイクでココを登れる自分がイメージできねえww
……そんな斜度なので、むろん足をついた地点から再び走りだす事ができず、トボトボと次のカーブまで歩くと、もうそこが百草園でした。
……中は立派な日本庭園で、四季折々の表情が来訪者の目を楽しませ……って、
これ素朴な疑問なんだが、足腰が少し弱くなった年配の人とか、庭園の鑑賞に行いきたいと思っても、あの最後の激坂で心が折れないだろうか……マジで。
海外のロードレースで、20%の激坂でバトルとかやってるトコロをたまに見ますが、わりと人間じゃないです。登れたら全員優勝で良いレベル。
ヒルクラ好きな人は、当然こういうところも脚つき無しで登りきってもまだ余力あったりするのだろうけれど、脚力鍛えて体重落としたらどうにかなるレベルなのだろうか? これ……。とりあえず、今現在の私にとっては、単なるネタ坂でしかなく、トレーニングというレベルではありませんでした。というかちょっとした登山でした。
百草園の脇には、ほど近いジェラート&ソフトクリームのお店を紹介する看板が……。
これは、激坂を見ると登りたくなるローディーがここに集まるだろうから、ローディーの主食であるジェラートアイスの看板立てておけば繁盛するだろうという、綿密な計画を匂いを感じます。とりあえず、激坂で体力も削られ、心もモッキリ折られたので、ジェラート食う元気もなく多摩川へと退散……。
あーやっぱ平地だわ。平地こそ至高だわ。
百草園の再チャレンジは10年後くらいでいいです。環境的にも、住宅街の中なので、いろは坂のような自然感がもう少し欲しいところ。しっかしまあ、山奥であのレベルの激坂が登場したら、寂しさも手伝って半泣きで逃げ出す事になりそうですが……。風張林道とかそんな感じなんじゃないかなぁー。
特に意味はなく、野川沿いで夜景撮影して帰宅。
次はもう少し、初心者に優しいトコロに行こう……。