~前回までのあらすじ~
ド平坦、ド直線が合言葉、つくばりんりんロードに遠征した茶川探検隊。かつてここを走ったであろう列車に想いを馳せながら、高低差の無いパラダイスを満喫していたら、筑波山に登る事になっていた。おかしい……登山鉄道の廃線跡では無かったハズだが……。

坂道のキツさを形容する方法は、客観的な斜度や、そこに挑んだ己の心拍数など、イロイロありますが、私は脳内で「血の味」という単位を使っています。血という表現が苦手な方は、「コラあかん指数」と読み替えていただいても問題はありません。
例えば、東村山のラルプ・デュエズは「1血の味」、大垂水峠は「4血の味」、名栗湖までは「7.5血の味」、真夏の尾根幹は「6.2血の味」、都民の森は「11.8血の味」など。
感覚的な話なので、ヤビツ峠や、富士山、渋峠など、有名な坂道でも、行ったことがない場所はどれくらいの血の味がするのかわかりませんし、あまりわかりたくはないという意味も少し含まれています。
ただ、気候やコンデション、自らの脚力向上によって血の味がしない事もあり、「あれ? 今の坂はキツかったのに、血の味がするほどではなかったな」と言う事も起こります。血の味がしないまま坂をクリアできるようになる事が当面の目標でもあります。ちなみにスポーツ中に血の匂いがするのは、出血しているわけではなく、鉄分のあるヘモグロビンが上昇するからだそーな。

話を筑波に戻しましょう。りんりんロードを外れ、筑波山の神社へのヒルクライム。上級者チームは麓のコンビニで5分後に出発してもらう事にして、茶川さんや女性陣など"様子見部隊”は、恐る恐る登坂を開始。初めての峠は、先のキツさが想像できないので、ペース配分ができず、それが不安を増大させ、緊張して体が固くなって登坂能力が低下するという悪循環に陥りがち。
脱力を意識しつつ、「まー、あの曲がりカドまで行けたら、俺って偉いからもうそれでいいかー」くらいの気分を繰り返すと良いというのが、最近わかってきました。

斜度は6%程度。峠のタイプとしては、見通しが良く、「まだあんなに先があるのかよ」と心を折りに来るタイプ。こういう時は、あまり先を気にせず、「”テレビでおなじみのユートピア”とキミは言うが、どのくらいお馴染んでいるのか申し訳ないが私にはわからない。それ以前に、ウマのキャラを描いたのなら、まってるウマくらい言わせたらどうかね。むろんその後で私も切腹するつもりだ」などと別のことを考えながら登るといいウマ(脳が酸欠気味)。
すると、先行していた茶川さんから「ここがさっき言ってた第1ポイントの蕎麦屋」の声。


茶川さんが既に自転車降りて、もう登る気がまったく無いwwww
女性陣も、ここでとりあえずヒルクラ終了するとのこと。ここで足をついて、「俺はどうしようかな?」と考えると、恐らく二度と登り始める気が起きないと思うので、「もーちょい先まで」と言い残して、クランクを回し続けます。後ろを見ると、キルハさんもまだ先まで行ってみるようです。

俺ヒルクラ指数で言うと、蕎麦屋までは「2血の味」。まだまだイケます。

うりゃうりゃと登り続けることしばし……。
斜度に大きな変化はないですが、平地になる区間が無く、心拍がレッドゾーン一歩手前まで上がったまま、下がらなくなってきます。
ちなみに後ろから5分後に来るであろう剛脚チームは、「アウター縛り」とか私から見ると変態的な事をやったりしていますが、私の登り方は、「坂道を見たら光の速さでインナー、遅くてもいいから後は一定のペースを崩さない事だけに集中して我慢」という防御型戦法。いいんです登れればそれで。

しばらくすると、第二ポイントのペット霊園が目に入りました。まだまだ3血の味くらいです。

そこからしばし……キルハさんに抜かれたあたりで、少し斜度が緩くなる区間が。

ボトルに手をやる余裕が出たので、ゴクゴクやりつつ、心拍を落ち着かせて、次の波に備えます。

続く斜度も6%ちょいといったところ。徐々に疲れてきたので、この斜度でもキツく、息が上がってきますが、我慢我慢。4血の味。

茶川さんが言っていた、交番に到着。流石にこのあたりになるとキツく、脚をつきたくなる誘惑にかられ、5血の味を超えた事がわかります。「まだ終わらないのか」とスマホの地図画面で残りの距離を確認する頻度がアップ。

最後にさらにキツ目の直線が容赦なく襲ってきます。5.5血の味がしてきて、コラアカンと思いつつ、別のことを考えようと森の奥に目をこらすと、赤い鳥居がチラチラと……。
お!! もうゴールが近いのか!!
こうなると不思議なもので、脚をつきたい誘惑は薄れ、あと少し、せっかくだから脚つき無しで登りきってみようという気になってきます。


とーちゃく!!
つ、疲れた ……
結論としては……んー、大垂水峠の1.6~1.7倍くらいのキツさ? という感じで、今の私にはギリギリ脚をつかずに登りきれる、運動強度的には理想的なヒルクラポイントでした。……こんな坂が家の近くにあればなぁ……。

筑波山と言えば、ガマの油……と言っても若い人にはサッパリわからないと思いますが、昔の大道芸+QVCショッピングみたいなものです。鳥居の左下に、巨大なガマが写っています。近寄って撮影する気力はもう無しww
ただ、5分後にスタートしたであろう、ヒルクラ組のゴールシーンはカッコよく撮影せねば。
土産物屋やトイレをバックにゴールシーンを撮影するのはイマイチなので、とりあえず、道路を渡って、緑が背後に見えるアングルで撮影しよう……そう考え、道路を渡るタイミングをはかろうと後ろを振り向いたら

Deroさんがゴールしてた
はえええええええええええwwwwwwww

そして、ほどなくしてケルさんもゴール。いやぁ、乗り始めたばかりなのに速い!! 凄い!!
スラっとヒルクライマー体型なので速そうだなぁと思ってましたが、やっぱ坂登れる人って、シルエット見ただけでわかりますわ。俺も健康診断良くなったとか喜んでフリトレー食ってる場合でなく、頑張って痩せねば。

そしてnobooさんも無事ゴール!!
ようやく緑をバックに撮影ができた…… って あれ?
残りのsuzukiさん、ちまちまさん、HIGIRIさんが来ない……。3人の脚力であれば、とっくに到着しているハズ。
実は今回、HIGIRIさんの愛車がしょっぱなから不調で、走行中に異音が出ており、だましだましで走っていたので「何かあったかな」と心配していると、お、よかった。3人とも登ってきました。

suzukiさん&ちまちまさん「最初アウター縛りで遊んでて、途中インナーにしたら2人ともチェーン落ちてつんのめったww」
HIGIRIさん「脚ww攣ったwwwww」

上級者でも何があるかわからないのがヒルクライム。インナーは正義というまとめでどうでしょうか(適当)。
というわけで当ブログ恒例になりつつある、気持ち良さ気なダウンヒル動画を御覧ください。筑波神社への道路は、思ったより車通りがありますが、筑波神社前に長めの信号があるおかげで、タイミングを見計らえば車が後ろからまったく来ない状態で下れます。
麓で茶川さん達と無事合流。
すると、脚が攣ったHIGIRIさんに、Deroさんが謎の仙薬をプレゼント。ツムラの芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬で、急激におこる筋肉のけいれん、下肢のけいれん性疼痛(こむらがえり)などに効果があるのだそうな。

漢方飲みながらロードとかカッケエ!!! 脚の痙攣防止でBCAAがぶ飲みしている私には、最後の手段的に投与する魔法のアイテムにしか見えません。だってこれトップチューブバッグに常備しておけば、ロングライドの終盤で脚が攣ったら飲んで「ま、まだだ!! まだいけるぜ!!」と口元を拭いながら叫ぶ、少年漫画的ドーピングペダルゴッコできるじゃん。とりあえず真似しようとAmazonで100万回ポチリます。


再び、りんりんロード走行再開。

と、思ったら、HIGIRIさんの愛車からの異音がさらに激しくww
後ろを走っていると、ギシギシ音はさておき、リアホイールのブレーキシューとリムが時折接触しているようなシューシュー音も。

とりあえず元駅舎で休憩しつつ、応急処置を。

どうやらリアのホイールがスポークなどの問題で振れているのではなく、ハブが緩んでいるような感じ。携帯ツールではさすがに対応できず、とりあえず応急処置をして、騙し騙し進む事に。

走行再開すると、今度はsuzukiさんの尾灯が落下。筑波神社のヒルクラはさておき、こんなに平坦で平和なりんりんロードで、なぜプチトラブルが連発!?
何はともあれ、気をつけながら先に進みます。

本来のルートは左の平坦道だけど、右は結構な坂。
ヒルクラ、おかわりする?
しちゃおっか!!
どう見てもDeroさんのトルクがおかしいwwww

登り切ると、凄まじいまでのドストレートなダウンヒル。
この開放感は都内じゃなかなか味わえません。




岩瀬駅が近づいてくると、人通りがさらに減り。見渡す限り誰もいない状態に。
路面状態も良くなると、火がつくスプリンター魂。

ちょww みんな速いってww 撮影する前にゴマ粒にww


そして、いつもsuzukiさんの加速が速すぎてシャッター連写しても間が写ってないww

女性陣はまったりムード。居眠り運転するほどではないですが、走ってると確かにボンやりした気分になるほどのどかな道路です。

岩瀬駅到着!!
折りたたみ自転車で初めて一人で来た時は、あそこの水道で顔洗ったなぁなんて思い出します。

いつの間にか、洒落たバイクラックが。


岩瀬駅の近くにはあまり食事処が無いので、お昼は少し移動して、バイトがテンパり気味のガストで済ませます。
ハンバーグぱくつきながら、「俺のようなヘタレが、練習するのにちょうどよさげな坂はどこかいな」とDeroさんやHIGIRIさんに相談。「都民の森に行かずに、檜原役場の先を右折して風張林道の手前まで行くとちょうどいいかも」、「富士山もスバルラインなら斜度は低いから大丈夫なハズ」などの情報を入手。
ちなみにHIGIRIさんに走りながら筑波山の標高を聞いたら、満面の笑顔で「500mくらい。というか日本の山は富士山以外全部500mくらいです」と言っていたので、情報精度的に若干の不安が残るものの、今後の参考にしていきたく候。ってことは富士山って標高750mくらいだっけかな・・・・・(死亡フラグ)。

まったりしていたら、つくば駅に戻る時間が厳しめになってきたので、一般道も使いながらスピードアップして戻ります。巡航速度は32~35kmくらい?

コンビニ休憩もはさみますが、驚くべきは駐車場の広さと、設備の豪華さ。中には足湯装備のコンビニも。

都内のコンビニは、駐車場すら猫の額程度しかないので、こういう場所に来るとコンビニ休憩すら楽しいです。



普通の住宅街ですが、車は少なく、道路も広く、直線基調ですこぶる走りやすい。ああ……家の近くも、これくらい走りやすければ最高なんだけど。



石材店が多いのも特徴。腕前をアピールするため、いろんな石像が道路脇に設置されています。

このようにお地蔵さんも・・・・・・
ん!?

なんだこの俗世にまみれた地蔵はww


重大事故ではなく?

かなり飛ばし気味に巡航して来たこともあり、ゆっこさんが疲れた様子。
すると、ドラッグストアが再び開店。

謎の錠剤がwww
さっきの漢方薬と言い、Deroさんのポケットからいろんな薬が出てくるのが若干怖いんですがww

あれ、ケルさん靴脱いで何してるの?

え!? クリートのネジが抜けて、無理にハズすとヤバイ感じになっちゃったから左脚はもう外さず、右だけ外して帰るって!?
今日のプチトラブル連続はいったいなんなのww

幸い大きなトラブルは無いので、慎重かつ、巡航速度は高めでつくば駅を目指します。日も暮れ始め、写真的には良い雰囲気になってきました。




あー、秋……というより、今日はドピーカンだったので、夏の終わりって感じ。




背の高い建物が少ないので、空が大きいのもりんりんロードの特徴です。

どうやら暗くなるまでには、つくば駅まで戻れそう。

走りながら茶川さんと「凄いよね」と話していたのは、まっつーさんの巡航能力。35kmくらいで巡航するのって、乗り始め数カ月では男でも結構キツイですが、別に遅れる事もなく、フツーに巡航していて、なんか2、3年乗ってるような錯覚をしてしまいます。

そして無事つくば駅到着!!!
あれ、俺の前に戦利品が詰まったの袋を背負った盗賊団の団長みたいな人がww
輪行袋広げるのはやいってww

ワイワイと、輪行の準備をしていると……


トランポ組から、ミスドの差し入れが!!
わー! 100kmくらい走った体に、甘いものが染みわたる……。
幸せー!! \(^o^)/


プチトラブルはありましたが、無事に走り終えられて安心しました。
岩瀬まで行ったのは、折立み自転車でチャレンジして以来。あの時は、片道だけで体力的にヒーヒーで、1人で長時間走っていたので終盤は心細かったですが、あれから自転車もロードになり、わいわいと皆で走るようにもなり、気づけば、楽しみながら往復+プチヒルクライムまでこなせるよに。……我ながら感慨深いものがあります。
いつかは、100km+ヒルクラ程度で「あーつかれた」と言っている今の自分を、「そんな頃もあったなぁ」と振り返る日が来るといいなぁ。
>ヒルクライム走ってる時は景色は殆ど覚えてないので…(笑)
確かにヒルクラって大変だから、あんまり景色じっくり見るって
感じじゃないですよね(^^;
私も自分で撮影しておいて、家に帰ってから
「ああ、こんな場所だったんだ」なんて思う事結構あります。
>ところで、プチヒルクライム何かおかしかったですか?(笑)
>とりあえず、出来る限り重いギアを回してみました。(笑)
さいきんDeroさんの走りを近くで体験すると
「速い」とか「凄い」を通り越して、脳が理解できずに「何かがおかしい」って感じにww
俺の右のレーンだけ斜度が2%くらいになってんじゃないのみたいな (^^;
あの斜度で、あの重さのギアをグイグイ回せるのは尋常じゃないですわ。
心拍だけじゃなくて、脚力も重要なんですなぁ。
>因みに、謎の錠剤の正体はコレ!
運動する前に飲むと燃焼もしやすくなるとな!!!
1ビン今ポチリましたwww