
我らがしおいんですけどロードバイク部のホームグラウンド・多摩湖自転車道。その先にはいったい何があるのか? そんな疑問からスタートしたのが、昨年の夏に秩父まで行った「めんま化ライド」でした。
それから1年……今年も挑戦の季節が到来しました。この1年でよく行くようになったサイクリングロードと言えば荒川。そこで気になってくるのは、荒川サイクリングロードの先には何があるのか? です。
私が荒川サイクリングロードを遡った限界地点は、埼玉県の上尾にある榎本牧場と、その少し先にあるホンダエアポート。では、さらに遡ると何があるのでしょうか? 地図を見てみると、吹上、行田といった駅の近くを荒川が流れており、そのあたりから大きく西へとカーブを描き、寄居などを経て、昨年夏と同じ、秩父へと繋がっています。つまり、荒川サイクリングロードの先にあるのも、めんま化ライドと同じ場所……
では面白くありません。

もう一度地図を見てみます。荒川が西へカーブを描いた熊谷あたりで、さらに北を見上げてみると、もう1つ、大きな川が目に入ります。泣く子も黙る・利根川です。市街地を少し走れば、荒川サイクリングロードから利根川サイクリングロードへと連結可能。利根川は、今まで我々が走った事のない、未知のサイクリングロードです。
さらに利根川サイクリングロードを遡ると、上越新幹線が停車する高崎駅が見えてきます。高崎と言えば、そのまま西の山へと入っていけば、安中榛名や、峠の釜めしで有名な横川、さらには軽井沢、その先の小諸まで見えてきます。軽井沢と言えばあなた、もう長野県ですわ。
私にとって、ロードバイクでのロングライドの夢の1つに、愛してやまない長野県松本市の木崎湖へ、自走で到達したいというのがあります。そんな憧れの場所に、いつも行っている荒川から、サイクリングロードを繋げていけば、かなり近づく事ができる!! 長野県に行けるかもしれないという予感に胸が高鳴ります。

(木崎湖ほとりの海ノ口駅/アルプスあづみのセンチュリーライドに出場した時のもの)

(木崎湖)
木崎湖に惚れたキッカケは、何度も書いていますが、「おねがい☆ツインズ」や「おねがい☆ティーチャー」といった作品の聖地だったから。しかし、それを抜きにしても、非常に美しい場所です。
ただ、ぶっちゃけ今の私には能力的に、木崎湖まで到達できる気がしません。その手前の軽井沢や、行けても小諸あたりが限度でしょう。しかし、軽井沢や小諸もまた、「なつまち」こと「あの夏で待ってる」というアニメの聖地でもあります。実のところ「なつまち」は、「おねがい」シリーズの前日譚的な作品。つまり、軽井沢や小諸も一度は巡礼してみなければならない場所なのです!! (無理矢理目的地化)。

そんなこんなで、いつか「ロードで木崎湖」という夢を実現するためのテストケースとして、「自分の足で長野に入れるのか?」が、今年のチャレンジプラントなりました。
アニメは別にしても、軽井沢は高地にある避暑地として全国的に知られた名所。日々のうだるような暑さから逃れられる別天地に、東京からロードバイクでたどり着けるというのも痛快です。こうして今年のチャレンジ、「ロードで長野県まで行けるか!? なつまちライド」が幕を開けました。
ちなみに、私の家から軽井沢まで、2つのサイクリングロードを乗り継ぐルートで約170kmのロングライドとなります。














このような綿密な話し合いの末、お盆休みにライド決行となりました。
夏のロングライドは、涼しい深夜や早朝にスタートすると距離が稼げますが、前日深夜までのんれす氏が蟹工船で働いていたので、スタートは9時頃。この時点でロングライドをナメてます。まずは荒川サイクリングロードへと入ります。






いつもは彩湖を走りたいので左岸に移動しますが、今回はひたすら遡るので、到着した右岸をそのまま走ります。しばらく進み、秋ヶ瀬公園のあたりで橋をわたって左岸へ。榎本牧場へ行く、いつものコースをひた走ります。

緑の回廊を抜け……

昭和の田んぼ区間も早々にクリア。
しおいんですけどロードバイク部2軍の初心者勢とライドに行くと、頻繁な休憩が必要で、巡航速度も20kmや23kmあたりのまったりモード。しかし、ジテツウで鍛えた1軍のんれす氏はアウターでガンガン進む派なので、彼とのライドでは巡航速度は大幅にアップ。休憩もあまり入れずに、黙々と進みます。100kmクラスのライドの場合は、高速巡航で距離を稼がなければ時間ばかりかかってしまうので、こういう走り方も重要です。

しばらくして川越線とクロス。いつもはこのまま直進し、短いトンネルを抜け、さらに進んで榎本牧場を目指しますが、今回は牧場で休憩する気は無いので、橋を右岸方向へと途中まで渡り、荒川の中州、ゴルフ場を突っ切るコースにしてみます。

まずは橋へと移動して右岸方向へ……。

ここが、橋の途中で現れる、中州へ降りる坂道。右にのんれす氏が写っていますが、このまま坂を下って、左にあるサイクリングロードを走っていきます。


お盆で、いつもよりローディーが少ないというのもありますが、荒川サイクリングロードの走りやすさはやはり別格。開放的な気分で、ひたすら一定速度で高速巡航。単調ですが、頭を空っぽにできる心地良さがあり、長時間走行しているとトリップしてきます。


荒川区間を半分ほどクリアした段階で、1回目の休憩。この日差しの中では、橋の下がオアシスです。








快適だった気もするが、後輪



休憩を終え、さらに荒川を遡ります。
今までの最終到達ポイントであるホンダエアポートは、既に遥か後方。完全に未知の世界を進んでいますが、周囲の景色の田んぼ率がどんどん上がっていきます。「走っていると、自然豊かな場所に旅行した気分が味わえる荒川サイクリングロード」から、「ホントの自然の中まで行っちまった荒川サイクリングロード」へと変化しました。

巡航速度は落ちず、むしろ上がっています。日が高くなるにつれて気温もグングン上昇。汗が瞬時に乾くのがロードの良いところですが、みるみる減っていくボトルの水を見ていると、そろそろ日陰で休憩し、ドリンクを補給した方が良さそうです。
そんなところに、ちょうど大きな公園が現れました。吹上駅の近くにある、荒川パノラマ公園。大きな滑り台があり、見晴らしも良好です。



屋根付きのベンチもあり、休憩には持ってこいのオアシス。おや、ベンチの上に死体が……













もしもしゲーのノルマを消化しているのんれす氏は放っておいて、公園内の自販機でドリンクを補給します。
ちなみにここまで、炎天下を3時間弱走りましたが、家で投入してた氷はまだしっかりカタチが残っていました。サイズも、あまり小さくなっていないように見えます。サーモスの保冷力は、ホントに頼りになります。


音がするので見上げると、パラグライダーが気持ちよさそうに飛行中。こんな景色も、荒川上流ならではです。


熊谷付近に到着。長らくお世話になった荒川サイクリングロードに別れを告げて市街地へ。



これまでド平坦、ド直線、車がゼロのサイクリングロードをずっと走ってきたので、街の中に入ると急激に周囲の情報量が増加し、面食らいます。







いよいよ利根川サイクリングロードへ入ります。

かなり上流から入っているので、下流がどうなっているかはわかりませんが、道幅は荒川サイクリングロードより狭く、多摩川サイクリングロードよりは広いという塩梅。それよりも印象的なのは、荒川サイクリングロードと比べ、さらに人が少ない事。ロードバイクもそうですが、散歩している人も少ないので、道幅が狭くても走りやすいです。



このサイクリングロードもド直線、ド平坦なのでグングン距離が稼げます。





利根川サイクリングロードもさすがにここまで来ると、道幅がちょっとした小道レベルに。行き交う人もほぼゼロです。自然のパワーも強くなってきました。






オームの怒りは大地の怒りに逃げ惑いつつも、サイクリングロードはほどなくして終了。高崎の街へと入っていきます。目指すは高崎駅です。



















次回:高崎で禁断の白い粉編に続く