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 以前紹介した、玉井雪雄氏のロードバイクエッセイ風コミック「じこまん」。1巻がすこぶる面白いと紹介しましたが、先日、待ちに待った2巻が発売されました。今回もローディーなら「あるある」と頷きすぎて首が痛くなりそうな話題が満載です。

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 中でも特に共感したのは、ロード購入後、大会に出たりするバリバリのスポーツとしてハマったり、近所をポタリングしてゆるく楽しむといったパターンの他に、“旅の移動手段”としての活用に興味が出る時期があるという話。とどのつまり、“ロードをランドナーっぽく使ってみたくなる”という話ですな。

 「ろんぐらいだぁす!」もそうですが、「じこまん」の面白いところは、「実際に度に出てた体験談」ではなく、「余っているロードを旅仕様にカスタマイズしていく工程」がメインになっている事。サドルバッグは機能性よりも布製じゃなきゃ旅っぽくない!! 山奥の木陰にテントや寝袋を設置し、その脇にロードを停めるカッコイイ絵面が作りたくて、テントや寝袋を買おうとするけれど、何を買っていいやらさっぱりわからない……といった、準備段階の枝葉が詳細に書かれており、「わかるわかる」とニヤニヤしてしまいます。

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 特に共感できるのが、アウトドアでわざわざミニガスバーナーでお湯を沸かし、ドリップした本格的なコーヒーを楽しんでみたいという欲求。別にそこまでしてコーヒー飲みたいわけじゃないとか、缶コーヒーでよくね? とか、どうせなら棒ラーメンでもとかいう気もしますが、そういうぶっちゃけた話ではなく、外であのキャンプ用器具を使って湯を沸かしたりする工程をやってみたいというシチュエーションへの憧れキャンプ用品へのMONOとしての物欲が大半です。



 要するに、テントで寝る前には焚き火をやって、ナイフでこそいだハムを炙り、ベトナム戦争の昔話をしながら夜空を見上げ、スキットルに入れたウイスキーをグイッと飲まなきゃいけないんでしょみたいな、どこのカウボーイの話してんだみたいな思い込みです。

 アウトドア趣味なんてまるでやったことのない超インドア人生を送ってきた私のような人間の思い込みは、そうした行為やシチュエーションへの憧れの裏返しでもあります。ロクに使わないのに、なんか欲しいんだという玉井先生の気持ちは痛いほどよくわかります。私だって無意味にスキットル持ってるもの。PCの前でウェルチ(コンコードグレープ味)飲む時にしか使ってないけど。スゲエ甘い匂いがして硬派さが微塵もないけど

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 (なぜLINNマークが……)

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 その他にも様々な用品、グッズの購入レポや、ロングライドイベント参加レポ、ロードバイクの大会観戦記など、2巻も読み応えバッチリ。枝葉の情報を満載する事で、走ったことのないイベントも、どれくらい疲れるのか? 疲れきった時に脳内にどんな変化があって逆に辛いイベントが楽しく感じられるようになるのか? といった要素が、「じこまん」ならではのリアリティと共感を持って追体験できるのが面白いです。

 唯一心残りは、無駄にエロい“じこ満子”の出番が2巻では少なめだった事。いや、別に良いんですけど。3巻はもうちょっと男の裸体比率を下げ目でお願いしたいところです。