
我々しおいんですけど:ロードバイク部のホームグラウンドである多摩湖自転車道。これまでもこのサイクリングロードに関してのレポを何度も書いていますが、何度も巡回していると、飽きがきます。そうなると気になってくるのが“このサイクリングロードの先には何があるのだろう?” という事。
方角的にざっくりと言えば“埼玉県がある”という回答になります。関東以外の人にはピンとこないかもしれませんが、もう少し詳しく書くと、多摩湖の隣にはとなりのトトロなどでお馴染み(?)狭山丘陵や狭山湖、そこから航空自衛隊の入間、そして飯能と続き、その先は山深くなっていきます。そして山を超えた先には秩父、さらに山を超え、谷を超えて進めば長野が見えてくる……というイメージ。
まてよ、秩父……秩父と言えば、映画公開を控える「あの花」の聖地巡礼メッカ。つまり、多摩湖自転車道に乗り、そのまま先へと進めば、めんまの国(黄泉)にたどり着くのではないか!! クワッ!!


この神託的ひらめきは、お盆休みのロングライド「多摩湖CRを超えて秩父めんま化ライド」企画として実行フェーズへ。都内からは片道90kmと、距離的にはたいしたことはありませんが(!)、秩父にたどり着くには峠を超えなければならないというヒルクライム要素も内包。平地&坂道番長で、坂道を見れば無言で失禁し、自転車を分解して電車に乗り出すしおいんですけどロードバイク部にとってはゴールできるかは五分五分という危険なライドでもあります。

多摩湖自転車道の直線区間を抜け、まずは多摩湖のほとりに到着。今日の行程を考えれば準備体操のようなものですが、気温37度あまり、地面からの照り返しも含めれば体感温度40度オーバーの今夏、早くも汗が流れます。

今日は水分補給が大切だな。

そう思って、見ろ。俺の新装備を。

ああ! Y's Road 赤坂アウトレット店のダンボールで、200円で売っていたという理由だけで購入したボトルホルダが2個になってる!! そうまでして200円にこだわるのか。そして相変わらずフレームとホルダの色がまるで合ってねえ!!



新装備なら俺のも見ろ。トップチューブバッグに入れた、この銀色の物体を。

ヒルクライムに備えたヒロポンか。
ここにはサイコンスマホとモバイルバッテリを入れてるから、この外気温だとあっという間にスマホが熱暴走して、珍妙な画面になるという話は前にしただろ。あれの対策として、冷凍庫で固めた保冷剤をぶち込んでみた。



なのでいま、保冷剤を投げ捨てようと思っていたところだ。


あれ? おまえ、サイクルウェアの右肩の部分、なんか破れてるじゃん。虫食いか?

ちょww おwwwまwwww そんな大事故の話聞いてねえぞww ロードバイクの事故で右肩が擦れるって、タイヤがロックして前方に投げ出されたレベルなのか。

飛び出してきた老婆を回避して、環八でスライディングかましたという結論か


身体に跡が残るほどの傷かよww 今後は安全運転でおながいします。



あー背中冷え冷えバッグいいなぁ。夏が終わるまでに俺も買わねえと

とかなんとかウダウダやっていると、午後の一番熱い時間に秩父ヒルクライムをするハメになるので、とっととスタートします。

多摩湖自転車道をまずは西武ドームに向けて進み

玉湖神社の手前で、一般道へ離脱。

そこから隣の狭山湖へと向かいます。




狭山湖のほとりは初めて来ましたが、見晴らし最高。所沢の住宅街を見渡せます。




ひたすら入間市を目指してすすみます。所沢入間バイパスなど、大きな幹線道路は走っていてもつまらないので、できるだけ回避。のどかな道を調べておきました。

圏央道を超えて進むと、景色がどんどんと変化。

狭山茶の茶畑が広がります。多摩湖から1時間程度しか走っていませんが、旅情感バリバリ。雄大な景色は、ちょっと北海道を連想させます。

ただ、大きな問題が。雄大な反面、遮蔽物が一切なく、直射日光とアスファルトの照り返しで容赦なく熱せられます。「日陰、ひかげ」と呪文のように唱え、まな板の上の鯉のようにパクパクとしながら走行。

ようやく発見したお地蔵さんで一休み。
いやー、サーモスのボトル最高だよ。キンキンに冷たくて生き返る。お前のボトルホルダのポカリ、凍らせてあったけど、もうぬるくなっちまったんじゃない?

おお、用意がいいな。
~ 5秒後 ~
ブシュー!!!!!


え!?なに!? 熱中症で失禁!?


暑さのあまり、脳がアレな感じになっているのは明白ですが、両名とも元来アレなのであまり影響は無く、飯能へと入ります。しかし、昼に近づくにつれ、気温はグングン上昇。たまらずコンビニに駆け込むシーンも多くなり、それに時間もとられるというジレンマ。


飯能の手前で西武線と一時合流。

大都会・飯能を抜けて進むと……。

入間川とクロスします。この入間川こそ、今回のライドの水先案内人。これに添って、秩父へと遡上していくわけです。

先ほどの西武線に添って、299号を使って秩父に行く一般的なルートとは別に、入間川に添って70号⇢53号と乗り継ぐルートを今回は選択。その方が風光明媚で、自動車も少なく、走りやすいのではないか? という想像で決めました。

自然たっぷりで風光明媚なのは想像通りでしたが、思っていたよりも自動車の量はあります。ただ、トラックの隙間で縮こまりながら走るようなレベルではなく、走りやすくはあります。もっとも想定外なのは、やはりこの日差しの暑さ。都内で歩いているだけでグッタリするので当然ではありますが、ロードバイクを炎天下で2時間も3時間も漕ぎ続けるのはかなりハードな行為。水分を含む各種補給や休憩を適度に入れないと、シャレにならない事態に陥ります。

炎天下、誰に頼まれたのでもなく苦行を続ける2人を、小さな神社が助けてくれました。頻繁に補給するペットボトルも、みるみるうちに空に。がぶ飲み状態で前に進みますが、全部汗になるのでトイレにはまったく行きたくならないという恐ろしい状態。

ハンガーノック対策のジェルも定期的に摂取。身体はそれほど疲れていませんが、とにかく暑くて頭が痛くなってきます。


クランクに触れて、のんれす氏のふくらはぎに残ったオイルの跡。もはや暑くて小川で洗う気力すら無くなりつつあります。

このあたりから、徐々に登りになっていきますが、坂道だと感じるとUターンしたくなるので「平地だね!」、「平地だよ」とお互いに断言しながら前へと進みます。


オーバーヒート気味の我々を救ってくれたのが、「武蔵ドライブイン・ゆのた」さんのかき氷。シロップ掛け放題のてんこ盛り仕様。ロードバイクで走行中に食べるものは、たいがい今までの人生で一番美味しく感じますが、汗を200リットルくらいかいた直後にかっ込むかき氷は、筆舌に尽くしがたいうまさ。命を助けるという意味では、美味い不味いを超えた、生命の根源的な喜びすら感じます。


あー、あの川に飛び込みてえ……。

いったい何処まで来てしまったのやら……。自転車に乗って何時間が漕ぐだけで、本来ならば車や電車を使わねば辿りつけないはずの場所に、自分の足で来てしまえるという、ロードならではの驚きが褪せる事はありません。


おい!のんれす!鳥居観音の看板だ!


我が旅のバイブル、都築響一氏による「珍日本紀行」の埼玉編で紹介されたB級スポットの1つ。こうしてお目にかかれるとは。本来ならば、かの「神秘珍々ニコニコ園」にも行きたかったところだが……。

まさか更地になっているとは。残念だ。

あほな寄り道もそこそこに再出発。山はさらに深く、日差しはより厳しくなっていきます。

そして遂に、我々の前にラスボス、山伏峠への分岐が表れました。詳しく言うと、名栗と正丸を結ぶ峠で、この山を超え、下った先に秩父があるというイメージ。ここまでゆるゆると200mほど登ってきましたが、ここから10km程度で一気に600mへ登らねばなりません。

どのくらいの坂か、Google earthの立体画像でご覧ください。


峠への入り口を撮影したら、すぐに日陰に逃げ込んでしまうほどの日差し。しかし、ここまで来て逃げるわけにはいきません。様々なサポートが存在する「アルプスあずみのセンチュリーライド」は完走できましたが、しおいんですけどロードバイク部として、本格的な峠への挑戦は初めて。都内のサイクリングロードをチョロチョロ走って、運動した気になっているもやしっ子が、本当の山道に太刀打ちできるのでしょうか。

坂というより、登っていると「壁」というイメージ。ギアの余裕もあっさり尽き果て、インナーローで小野田坂道ライクにクルクルまわし、遅くても前に進むしかありません。というか、こんな坂道が大好きって、どんな精神構造なんだ。

おーっとおー!!
3つ目か4つ目のカーブで、のんれす氏のバイクが
ガードレールに放置されている!!
これはどうしたことだー!!

あーこちらには、立てかける気力もなく投げ出されたPINARELLOの姿が!!!


~多摩湖CRを超えて秩父めんま化ライド:後編に続く~
(C)ANOHANA PROJECT



よく見ろ、ポカリスエット・イオンウォーター900mlのラベルを。このラベルのカラーとホルダの色がマッチしているんだ。

そのためだけにポカリスエット・イオンウォーターにしたのかよww

一番安かったので通販で24本箱買いした。


そのためだけにポカリスエット・イオンウォーターにしたのかよww

一番安かったので通販で24本箱買いした。

やっぱり貧乏くせえ理由じゃねえかww


新装備なら俺のも見ろ。トップチューブバッグに入れた、この銀色の物体を。

ヒルクライムに備えたヒロポンか。



保冷剤の表面についた水滴で、モバイルバッテリも何もかもビチョビチョなんだが、これはこれで良いのか?

なのでいま、保冷剤を投げ捨てようと思っていたところだ。

スマホ熱暴走⇢ルートわからず炎天下で立ち往生⇢ゲル化⇢英霊化というルートが確定したな。



ああ、これは、ヨブ記に記載されている「環八スプリント途中信号無視老婆飛び出し回避前方宙返りヘッドスライディングエステバンヘルマン事故」の跡だ。


いや、そこは華麗に対処した。右肩だけでなく、右の脇腹、右肘、左肘に衝撃を分散する事で


我が夫となるものは、さらにおぞましきものを見るだろう

身体に跡が残るほどの傷かよww 今後は安全運転でおながいします。



あー背中冷え冷えバッグいいなぁ。夏が終わるまでに俺も買わねえと

とかなんとかウダウダやっていると、午後の一番熱い時間に秩父ヒルクライムをするハメになるので、とっととスタートします。

多摩湖自転車道をまずは西武ドームに向けて進み

玉湖神社の手前で、一般道へ離脱。

そこから隣の狭山湖へと向かいます。




狭山湖のほとりは初めて来ましたが、見晴らし最高。所沢の住宅街を見渡せます。




ひたすら入間市を目指してすすみます。所沢入間バイパスなど、大きな幹線道路は走っていてもつまらないので、できるだけ回避。のどかな道を調べておきました。

圏央道を超えて進むと、景色がどんどんと変化。

狭山茶の茶畑が広がります。多摩湖から1時間程度しか走っていませんが、旅情感バリバリ。雄大な景色は、ちょっと北海道を連想させます。

ただ、大きな問題が。雄大な反面、遮蔽物が一切なく、直射日光とアスファルトの照り返しで容赦なく熱せられます。「日陰、ひかげ」と呪文のように唱え、まな板の上の鯉のようにパクパクとしながら走行。

ようやく発見したお地蔵さんで一休み。


そんな事もあろうかと、バッグにもう1本、凍らせたポカリを入れておいた。タオルで包んでいるので、こっちはまだまだ凍っているぞ。


おお、用意がいいな。
~ 5秒後 ~
ブシュー!!!!!


え!?なに!? 熱中症で失禁!?

騒ぐな。凍らせたため、体積が変化したポカリが一気に吹き出し、俺の股間を冷却しただけに過ぎない。
みwwずwwびwwたwwしwwww

いやーおかげで走るとひんやりと冷たい。これは発明だ。


いやーおかげで走るとひんやりと冷たい。これは発明だ。

暑さのあまり、脳がアレな感じになっているのは明白ですが、両名とも元来アレなのであまり影響は無く、飯能へと入ります。しかし、昼に近づくにつれ、気温はグングン上昇。たまらずコンビニに駆け込むシーンも多くなり、それに時間もとられるというジレンマ。


飯能の手前で西武線と一時合流。

大都会・飯能を抜けて進むと……。

入間川とクロスします。この入間川こそ、今回のライドの水先案内人。これに添って、秩父へと遡上していくわけです。

先ほどの西武線に添って、299号を使って秩父に行く一般的なルートとは別に、入間川に添って70号⇢53号と乗り継ぐルートを今回は選択。その方が風光明媚で、自動車も少なく、走りやすいのではないか? という想像で決めました。

自然たっぷりで風光明媚なのは想像通りでしたが、思っていたよりも自動車の量はあります。ただ、トラックの隙間で縮こまりながら走るようなレベルではなく、走りやすくはあります。もっとも想定外なのは、やはりこの日差しの暑さ。都内で歩いているだけでグッタリするので当然ではありますが、ロードバイクを炎天下で2時間も3時間も漕ぎ続けるのはかなりハードな行為。水分を含む各種補給や休憩を適度に入れないと、シャレにならない事態に陥ります。

炎天下、誰に頼まれたのでもなく苦行を続ける2人を、小さな神社が助けてくれました。頻繁に補給するペットボトルも、みるみるうちに空に。がぶ飲み状態で前に進みますが、全部汗になるのでトイレにはまったく行きたくならないという恐ろしい状態。

ハンガーノック対策のジェルも定期的に摂取。身体はそれほど疲れていませんが、とにかく暑くて頭が痛くなってきます。


クランクに触れて、のんれす氏のふくらはぎに残ったオイルの跡。もはや暑くて小川で洗う気力すら無くなりつつあります。

このあたりから、徐々に登りになっていきますが、坂道だと感じるとUターンしたくなるので「平地だね!」、「平地だよ」とお互いに断言しながら前へと進みます。


オーバーヒート気味の我々を救ってくれたのが、「武蔵ドライブイン・ゆのた」さんのかき氷。シロップ掛け放題のてんこ盛り仕様。ロードバイクで走行中に食べるものは、たいがい今までの人生で一番美味しく感じますが、汗を200リットルくらいかいた直後にかっ込むかき氷は、筆舌に尽くしがたいうまさ。命を助けるという意味では、美味い不味いを超えた、生命の根源的な喜びすら感じます。


あー、あの川に飛び込みてえ……。

いったい何処まで来てしまったのやら……。自転車に乗って何時間が漕ぐだけで、本来ならば車や電車を使わねば辿りつけないはずの場所に、自分の足で来てしまえるという、ロードならではの驚きが褪せる事はありません。


おい!のんれす!鳥居観音の看板だ!

おお!左前の山の上にある、あれか!



まさか更地になっているとは。残念だ。

あほな寄り道もそこそこに再出発。山はさらに深く、日差しはより厳しくなっていきます。

そして遂に、我々の前にラスボス、山伏峠への分岐が表れました。詳しく言うと、名栗と正丸を結ぶ峠で、この山を超え、下った先に秩父があるというイメージ。ここまでゆるゆると200mほど登ってきましたが、ここから10km程度で一気に600mへ登らねばなりません。

どのくらいの坂か、Google earthの立体画像でご覧ください。


峠への入り口を撮影したら、すぐに日陰に逃げ込んでしまうほどの日差し。しかし、ここまで来て逃げるわけにはいきません。様々なサポートが存在する「アルプスあずみのセンチュリーライド」は完走できましたが、しおいんですけどロードバイク部として、本格的な峠への挑戦は初めて。都内のサイクリングロードをチョロチョロ走って、運動した気になっているもやしっ子が、本当の山道に太刀打ちできるのでしょうか。

坂というより、登っていると「壁」というイメージ。ギアの余裕もあっさり尽き果て、インナーローで小野田坂道ライクにクルクルまわし、遅くても前に進むしかありません。というか、こんな坂道が大好きって、どんな精神構造なんだ。

おーっとおー!!
3つ目か4つ目のカーブで、のんれす氏のバイクが
ガードレールに放置されている!!
これはどうしたことだー!!

あーこちらには、立てかける気力もなく投げ出されたPINARELLOの姿が!!!


起こしてくれ、3年後に。
~多摩湖CRを超えて秩父めんま化ライド:後編に続く~
(C)ANOHANA PROJECT