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 前回の「スーツケースの渡り鳥巡礼」からの続きです。

 宇都宮の街を後に、大谷で平和観音やらを鑑賞。その後は、再び自転車にまたがり、「大谷資料館」という場所を目指します。ココが、今回の旅のメイン目的です。

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 自然豊かな山の中を進むことしばし……。

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 大谷資料館に到着しました。
 当然、自転車でこんな場所まで来ている汗だく半袖の奇特な奴は俺だけ。

 で、ここは何なんだという話ですが、旧帝国ホテルなんかで使われた大谷石の地下採掘場の跡地を、見学できるという施設。ツルハシでガッツンガッツン彫った結果、深さ30m、2万平方メートルの空間が出来上がっているとの話で、東日本大震災の後に一時閉鎖されていましたが、最近、公開が再会されたと聞き、一度行ってみたいと思っていたのです。

 半袖ジャージのローディールックのまま入場料を支払い、中に入ろうとすると「お兄さん、毛布は無くて大丈夫?」と、係のおばさんが声をかけてきました。とっさのことで意味がわからないまま、背中のメッセンジャーバッグに長袖のジャージは入れてあるので、「上着があるので大丈夫です」と答えて校内へ。

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 さむ!!!!!!!!!

 さっむ!!!

 後から聞いた話ですが、夏場でも10度とかそこらで、まさに天然の冷蔵庫。慌てて長袖ジャージを取り出したのは言うまでもありません。サイクルジャージは薄いクセに保温力が異常に高いので、こういう時は助かります。足が寒いという盲点を除けば。

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 なにこれ。

 何ンディージョーンズ大谷宮の伝説。


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 俺ここ映画で見たわ。

 あれでしょ、奥から巨大な石の玉がゴロゴロ転がって来て、古代王名のアルファベット順に石畳を踏まないと落下して三枚おろしになる場所でしょこれ。知ってるよ。


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 あーやべえ、ここカメラあれば5年くらいいられるわ。背中のメッセンジャーバッグにハンガーノック対策の食い物とサイクルボトルに水は入ってるから余裕だわ。その前に凍え死にそうだけども。

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 とかいきなり写真をバシバシ貼っていますが、実際に地下空間に入って、肉眼で見える景色は↑この程度の明るさ。壁のライトに照らされ、巨大な岩肌が薄っすら知覚できるというレベルです。

 写真を撮り慣れている人に説明不要ですが、このレベルの暗さでは、基本的にカメラを手持ちしてまともな写真を撮るのは不可能です。最近のコンデジ&ミラーレスには、低感度設定で高速連写し、9枚だか10枚だかの暗い静止画を量産し、それをカメラ内でコンポジット合成して吐き出すという、力任せな機能をもったカメラも存在しますが(手持ち夜景モードとか名づけられている事が多い)、仕上がる静止画のクオリティは、三脚にカメラを固定し、低感度で長時間露光した写真の方が圧倒的に上。写真てのは横着に比例してクオリティが低下するもんです(オヤジ的思考)。

 とか偉そうな事を書いていますが、俺はここにロードバイクで乗り付けているわけで、本気&仕事モードの装備(ニコンD3+レンズいろいろ+巨大三脚=合計重量はもしかしたら自転車と同じくらいかもしれない)は持っておらず、いつもの散歩カメラのNEX-7+標準ズーム+NOKTON classic 35mm F1.4 MCのみ。恐らく暗いだろうなと、いちおうメッセンジャーバッグに一脚(三脚を1本にしたもの。早い話がカメラを先端に固定できる杖みたいなもん)も忍ばせてきました。

 ただ、嬉しい事に、ここは石の採掘場。例えば階段とか、ちょっとした石壁のくぼみなどが、いずれも平坦で、小さなカメラを置く事ができます。カメラ用の座布団(厚手のハンカチみたいなもの)をバッグから引っ張り出して、石の上に敷き、その上にNEX-7を設置。ハンカチの折り返しで適度なアングルに調整。後は指でレリーズするとブレるので、ドライブモードをセルフタイマー(2秒)に変更。アングルを決め、シャッターを押して手を離し、2秒後に撮影。シャッタースピードは3~4秒あたりを基本に撮影してみました。座布団の話は、以前のナイトポタリングの回で詳しく書いています。

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 はたからみると、ハンカチ敷いて、床にカメラ転がして、ボーっと突っ立ってるだけという「あの人何してんの」的な姿ですが、そんなテキトーな撮影スタイルでも、なかなかどうして、立派な写真が撮影できます。

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 ちなみに、何も考えず、手持ちで、オート設定のまま撮影すると、どんなに息を殺してホールドしても、こんな感じの写真にしかなりません。人間てのは生きてるかぎり、動いてるもんだという事です。

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 ボーっと露光&ノイズリダクションを待っている間、iPhoneとコンデジを手に「えー、何にも写らない」、「真っ暗になっちゃう。ダメだね」と言ってる親子がいたので、コンデジは「そこの石に置くと良いですよ」、スマホは「横にして床に置いて、ペットボトルに立てかけて撮ると良いですよ」と、おせっかいをしたところ異様に喜ばれました。ちなみにコンデジは暗いと問答無用でフラッシュがビカッと光るモノですが、こんな漆黒の大空間相手に、内蔵ストロボ程度の光量を炊いたところで何の意味もなく、バッテリが勿体無いだけなので強制OFFでおながいします。

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 長時間露光の楽しさは、肉眼で見るよりも綺麗な夜景が撮影できるというだけでなく、↑ この写真の、左端の人影のように、動いている被写体をブラして撮る事が可能です。ここでは数秒程度の露光なので、ブレは少ないですが、もっと長くしていくと、人が動いた軌跡の薄い波のようになり、もっと長くなると、完全に人間が消えてしまいます。観光客が多い観光地で、人がいないような写真を撮る時とかにも使える技です(光量の多い昼間などでは、長時間露光すると白飛びしているのでフィルタ噛ませまくるとか、夕方まで待つとかいろいろ必要。夜の方が楽)

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 カメラの話はさておき、大谷石の採掘場ですが、岩肌には掘り進めた跡がそのまま残されており、長年の作業の苦労が窺い知れると同時に、紋様のようにも見えてきて、海外の寺院の遺跡に迷い込んだような錯覚すら覚えます。インディージョーンズっぽく感じるのも、そのせいかもしれません。

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 また、完全な閉鎖空間ではなく、遠くに目をこらすと、違う入り口があったり、天井に小さな穴(光とり用?)などが空いている部分もあり、そこから太陽の光が一筋入ってきて、幻想的な雰囲気を倍増させています。洞窟で写真撮影をした事もありますが、自然に出来上がった空間とは異なり、人の営みによって作られ、使われなくなった空間という意味で、“廃虚フェチ”に通じる虚無感が同居しているのがたまりません。昔、日比谷の地下の、アホみたいに巨大なトンネルで撮影した事がありますが、ファインダーを覗きこみながら“人間って何なんだろう”と考える感覚がちょっと似ていました。

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 標準ズームでの広角撮影は飽きてきたので、NOKTON classic 35mm F1.4 MC先生にバトンタッチ。名前からして夜のレンズ。F1.4の明るさがあれば、ISO感度を800~1000程度の上げ目にすれば、なんとか手持ちでもイケるはず。先生お願いします。

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 さすがノクトン先生、お見事。やはりレンズに関しては、明るいは正義。横着できて助かります。

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 なんか地下空間で写真展までやっている……。

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 最深部では、地下から水が染み出しているところも。観光客はこれ以上奥へと進めませんが、声が果てしなく反響し、光も届かない暗闇の奥へ、水が流れる小さな音が吸い込まれていく雰囲気は、美しいと同時に、怖ええの一言。もしライトを持たず、長靴履いて、じゃぶじゃぶとあの暗闇の奥まで進んで行ったら、10歩と進まずに恐怖で発狂しそうです。俺はインディ教授にはなれそうもねえな……。




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 外出たら2時間半経ってたwwwwwwwww

 外熱いwwww
 予定全部狂ったwwwwwwww

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 120km自走で帰ってやろうとか威勢のいい事を言っていましたが、大谷の山を降り、幹線道路を走りはじめた段階で既に日が傾きかけ、急速に「とっとと帰りたい病」が発症。

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 ふらふらと東北新幹線の高架に引き寄せられ、120kmどころか、その半分も消化していない湘南新宿ライナーの最寄り駅で輪行袋を広げるヘタレの姿が……。ああだめだ、100kmくらいもっと気楽に走れるようにならないと……。