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 アニメフェア行って来ました(半分仕事で)。分裂ゴタゴタのおかげで昨年は結構アレな感じでしたが、今年は来場者数合計が昨年を僅かに上回り、「やめた方が良いんじゃないの」的な雰囲気に歯止めをかける事ができたようで。個人的には猪瀬知事になった事だし、一度キッチリ話し合って、大きなお友だち向けのアニメは全部ACEに移動して、アニメフェアはアンパンマンとかプリキュアとか、子供がワイワイ遊べる感じのイベント+ビジネスデーは海外業者向け商談イベントという形で、棲み分けをハッキリやった方が良いのではないかと思います。

 だって、イベントで解禁された新情報の目玉が「パトレイバー実写版」、「蒼きウル」とか言われましても……。何年前から言ってんだって話ですし。 

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 文句はさておき、ビジネス的な側面も持つアニメフェアで意外に目を惹くのが、いわゆる“逆聖地巡礼商法”で生み出されたアニメや漫画、キャラクター達。人気アニメの舞台地をアニオタが訪問し、作品世界に想いを馳せ、ついでに作品内に登場した名物やら料理やらを食べる事で、地元経済の活性化に寄与するのが“聖地巡礼”ですが、それを逆手にとって、巡礼・購買ありきでアニメや漫画やキャラを作り、アニオタを呼びこもうというビジネスモデルの事です。これをオブラートに包むと、「萌えで地方活性化」とか「萌えキャラで地方PR」とか言われたりします。

 作品に感動したアニオタが、舞台となった現実の場所を訪れ、その作品とそっくりの雰囲気が流れる街の中を、「あの角からアニメキャラが出てくるのではないか」という妄想と、「そんな事を考えてる俺三十路www」といった理性との間で葛藤しながら、1人、もしくは少人数で静かに楽しむのが正しい聖地巡礼スタイル。そう定義するならば、“逆聖地巡礼商法”は、巡礼者の神経を逆なでするものでしかありません。

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 (けいおん! 巡礼地の雰囲気の良さは上位レベル)

 例えば、酒とか米、お菓子などの特産物をアニオタにアピールするため、とりあえず同人漫画家とかエロゲ絵師などに頼んで美少女擬人化。商品のラベルやパッケージに貼りまくり、「これで全国からアニオタがわんさか来てくれるだろう」と目論むタイプがその典型。結果として、道の駅の片隅で、誰にも触れられない萌えパッケージ土産がホコリをかぶる光景を目にします。私もそうですが、自称情強なアニオタは、馬鹿にされたような商法には敏感です。

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 結局のところ我々は、世知辛い現世を離脱し、作品の世界に逃避したいと聖地に赴くわけで、べつに美少女キャラがプリントされた酒やら菓子が欲しいわけではありません。むしろ、作品の中に、そうした“萌え商品”があらかじめ登場していないのであれば、逆にそれらは“作品世界へのトリップ”を邪魔するマイナス要因にしかなりません。

 アニオタをターゲットにビジネスを展開するのであれば、まことに面倒ではありますが、その根本かつナイーブな心情を汲んでいただかないと、Win-Winな関係は生まれません。「そうは言っても使えるお金が限られているから、思い切った取り組みができない」てな話も聞きますが、金があれば良いという話でもないと思います。

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 (ひぐらしの白川郷は観光地ナイズドされすぎており、厳冬期でないと撮影アングル制約が厳しい)

 例えば、冒頭で書いた「パトレイバー」の巡礼地になろうと、どこかの埋立地を管理する役場やら商工会議所などが立ち上がったとします。そこで、金をかき集めて、お台場ガンダムに負けじと、等身大のレイバー(アルフォンスとか)を作り、公園に設置……しようと思ったけど金が足りなくて頭部だけ、みたいな事になりそうですが、そうしたトンチンカンな取り組みが結構あります(○○ロードにキャラの銅像とか、等身大ポップを街中に配置とか)。
 
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 パトレイバーの聖地にしたいなら、レイバーを作る必要は必ずしも無く、例えば、特車二課のハンガーに良く似た、プレハブの工場跡の廃墟でも見つけてきて、内部をそれっぽく改装。ハンガー前の小さな畑を作り、トマトを栽培。土産物は「ひろみちゃんのトマト 400円」。埋立地の岸壁でハゼ釣りができるようにして、釣竿の貸し出しサービスを展開。整備班っぽい服装のスタッフが釣竿を貸してくれて、巡礼者がレイバーは無いのかと問えば、「今、2機とも出払ってて、やること無いからハゼ釣ってんですよ」とでも受け答えすれば、良い感じの聖地になりそうです。
 
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 亀有公園前派出所で子供が「両さんいる?」と聞くと、おまわりさんが「さっきまでいたんだけど、パチンコ行っちゃったよ」と答えるなんて話が昔ありましたが、大枚はたいて両さんの銅像を立てるより、聖地としての完成度は高いと言えます。葛飾柴又に寅さんの銅像はいりません。寅さんがひょいと帰ってくるような気がする雰囲気がソソるのです。ようするに、作品への愛とセンス、巡礼者が何を求めてここい来たのかを察する事が、金より重要なのではと思うわけです。

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 例えば、酒とか特産品を萌えPRしたい場合でも、酒蔵に弟子入りして、そのお酒を作るために必至で頑張る美少女の漫画とかを同人作家に描いてもらい(酒蔵や町並みは現実のそれを忠実に模写)、地方のフリーペーパーとか、○○町だよりなどにコッソリと掲載(入手経路がローカル過ぎて東京の人が入手しにくいほど良い)。その後、2chやSNSでも駆使して、「俺の住んでる○○町が頭おかしいww ほぼ誰も読んでない○○町だよりに急に萌え漫画連載開始しやがったww」などと自演気味に情報を投下。まとめサイトが食いついてくれるのを根気よく待ちます。

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 後は漫画がソコソコ面白ければ、もしくはキャラが可愛ければ(これが難しい)、ほっといても人が集まるかもしれません。むろん、酒のラベルにそのキャラをプリントする必要はありません。それは無粋というもの。もともとのラベルを、漫画の中でキッチリ登場させれば良いのです。

 もちろん、巡礼者が訪れて、その街の魅力や、お酒/お菓子の美味しさに感動するか否かは、その街並みや、特産品が持つ地力にかかっています。地力が無ければ、巡礼ブームが起きても一過性にしかなりません。巡礼地として未だに“木崎湖”の名が挙がるのは、木崎湖自体が「おねがい」シリーズうんぬんを抜いても、単純に“イイところ”で、そこの“イイ雰囲気”をキッチリ伝えるアニメが作られたからに他なりません。

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 (かなり気合が入っている女神十神プロジェクト。古事記を軸に山陰・鳥取をアピールする試みで、期待できそう)
 
 萌えでPR手法は、石ころを金に変える錬金術ではなく、地味だけどキラリと光る場所やモノを、イマジネーションで増幅し、PRする手段と言い換えられます。クリエイターのイマジネーションを何もかきたてられない場所やモノを、無理矢理萌え化しても良い事はありません。つまり巡礼ムーブメントの本質は、愛と妄想から生まれ、伝播し、暗黙のうちに共有される、“形なき空気感の創生”にあるのではないかと、アニメフェアの隅っこでスキンヘッドな人に弁当食いながら話していたら「知wwらwwんwww ブログにでも書けww」と言われたので帰りの有楽町線の中でVitaで半分くらいメモ書きして、その後クソ忙しくて忘れてました。オラこんな事が言いたかったハズ。

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 話変わって、アニメフェアで一番ぶっ飛んでて面白かったのが「マグネッ娘」。宮城県が舞台です。ぜひとも本編制作を実現して欲しいところ。



 巡礼と言えば先日のガルパン大洗に74式登場レポ動画見つけたのでペタリ。74式出てたっけ!? というアナタ! 俺もそう思ったwww ハリボテでイイのでマウスとかレーヴェ作って展示してください。いっそのことジョージ・ワシントンの甲板でイベントしようぜ! バトルシップの二番煎じだけど。