自転車用グッズに関しては財布の紐がぶっ壊れているので、欲望のままにアレコレ買い込んでいるわけですが、デジタルガジェット好きな自分なのに、意外に投資をしていない分野があります。それが「サイコン」、つまりサイクルコンピュータです。

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 厳密に言えば「単体のサイコン」を購入していないと言うだけで、自転車に乗る時は常にiPhoneをハンドルに装着。自転車用ナビソフトの「自転車NAVI」と、速度や軌跡のGPSログ保存用に「runkeepr」を起動。これにより、目的地まで迷わず行けるのと、どこを通ったというGPSログ、消費カロリーなどがわかるようになりました。

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 しかし、2つの問題が。1つは、“得られる情報が少ない”事。もう1つは“バッテリの持ち時間”です。バッテリに関しては、以前報告した激安のジャケット型バッテリパックを使い、休憩時にはエネループのモバイルバッテリで充電する事で、10時間くらいのライドなら、面倒ですがまあこなせるようになりました。

 1番目の“得られる情報が少ない”というのは、具体的に言うと、本格的なサイコンと比較した場合、“ケイデンス”と“心拍数”が足りません。ケイデンスはクランクを回す回転数の事。脂肪燃焼に適していて、長時間走るための理想的な回転数があるので、乗っている間はぜひ気にしたいもの。心拍数も、体への負荷が理想的な状態になっているか確認するために知りたい情報ではあります。

 ただ、iPhoneにはそうしたものを計測するセンサーがついていないので、別途購入する必要があります。しかし、そうしたセンサーとiPhoneの間でデータをやりとりするためには、これまで「ant+」というワイヤレス通信規格に対応したアダプタが必要でした。これをiPhoneのDock端子に接続。さらに、ant+対応のケイデンスセンサー、スピードセンサーを自転車に取り付け、体にはant+対応心拍計を装着。それらからの情報をアダプタで受信し、iPhoneで取り込み、サイコンアプリに反映する……という仕組みです。

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 「なら、そのアダプタとセンサー買ってくりゃいいじゃん」という話なのですが、アダプタを取り付けるとDock端子が塞がれてしまうので、バッテリジャケットが使えなくなるという問題点が。

 いっそのこと「ホンモノの単体サイコンを買え」という話になります。サイコンは、それ自体でant+に対応しているので、何も追加せずにセンサーから情報を受信可能。スマートフォンと比べてコンパクト。さらに電池の持ちも長く、こま目な充電も不要と良い事だらけ。GPS内蔵のサイコンであれば、走った軌跡のデータも保存してくれます。

 また、GPS内蔵のサイコンには、地図データを内蔵してナビ機能も備えたものと、それらは無く、GPSログのみを保存するタイプがあります。つまり、高機能なモデルを買えば、iPhoneにナビもしてもらう必要が無くなり、完全にそのサイコンだけで用が足りるわけです。

 結論としては「高級サイコンを買え」となり、評判の良いGARMINのハイエンドモデル「EDGE 800」を物色していました。

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 しかし、ちょうど今年の頭に、海外で新機種「EDGE 810」(GPS有り/ナビ有り)が発表。「EDGE 510」GPS有り/ナビ無し)と共に発売が開始され、海外通販を利用すれば日本でも購入可能という状態に。新機種を買うか、旧機種にするか、なんとも悩ましい状態になってしまいました。

 ちなみに、新機種のEDGE 810は、スマホと連携してユーザーの居場所をリアルタイムに発信する事で、この動画のような事ができるようになっています。こんなのスマホのアプリでやれよという気もかなりしますが(^^;)



 一方、前述のスマートフォンとant+の関係に、最近変化が発生しました。それが、Bluetooth Low Energy(BLE)と呼ばれる技術です。

 Bluetoothは一般的に、スマホとスピーカーやヘッドフォンをワイヤレスで繋げるための技術のように思われていますが、オーディオデータの転送だけでなく、純粋な機器制御や、インターネット通信なんかにも使える幅の広さがあります。BLEは、その枠の中で、超低消費電力での通信を実現するためのもので、フィットネス機器などとの連携を想定した、言わば"ant+のBluetooth版”と呼べるシロモノです。

 さらに、iPhone 4S/5などの一部スマホは、既にこのBLEに対応済み。つまり、ant+ではなく、BLEに対応したケイデンス、ピードセンサー、心拍計を買ってくれば、iPhoneにアダプタを接続しなくても、これらのセンサーと通信ができ、アプリで活用できるという事になります。

 財布の紐がぶっ壊れていますので、「いずれ高機能なサイコンも欲しい」と思っていますが、実際に買うとなると数万円の出費は必要。しかし、今すぐ必要と言うわけではありません。その点、BLE対応のセンサーだけであれば、出費は数千円で済みます。その少額投資で、ケイデンスや正確なスピードデータなどが得られるのは魅力的です。 

 というわけで、「ゆくゆくは専用サイコンを買って、バッテリの悩みからも開放されたいけれど、それまでの期間はこれでお茶を濁そう」というつもりで、BLE対応のケイデンス/スピードセンサー「Wahoo Fitness スピード・ケイデンスセンサー Blue SC for iPhone」を買ってみました。
 
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 届いたので続きは後日。