ロードバイク購入時から、1つの目標にしていたのが「100km走る」ということ。バリバリのローディーな人にとっては、おそらく朝飯前の距離で、ロングライドと言うのもおこがましいかもしれません。しかし、ミニベロで50km程度走ってグッタリしていた程度の人間ですので、ロードを買ったのなら「これくらいは走らないといかんだろ」という目安にしていました。

 昨年末は埋め立て地でワタワタしていたので、正月休みに決行を決意。目的地は東京から100km...というと、箱根あたりになりますが、駅伝で混んでるでしょうし、そもそもロード用には輪行装備をまだそろえていません。つまり、行ったわ良いけど帰って来れません。

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 とういことは片道50kmの場所。地図で言うと、青いラインが50km、赤いラインが100km。50kmと言うと、だいたい横浜くらい。この地図では新宿を中心としているので、私の家からだと横浜のちょいと先。八景島シーパラダイスあたりがちょうどいい感じです。

 実はその付近に、良い目的地として祖父母の家があります。昔はもちろん車や電車で行っており、自転車で行こうなどとは考えた事すらありません。ですが、おかげで、祖父母宅の周囲の土地勘はあります。そんなこんなで、正月休みに、そこまで往復100kmのロングライドに挑戦しました。

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 これまでの経験上、最も気をつけたのはハンガーノック(運動中の血糖値低下による身体パフォーマンス低下現象)。しかし、定期的に甘いものを摂取する癖がついてきたので、これは大丈夫そうです。あとは、寒さ対策ですが、自転車用に高性能なインナーが充実しているので、思ったよりホカホカしながら走れます。

 当日は、早めに出発。駒沢公園あたりを抜け、自由通りを通って自由が丘へ。商店街ではスピードが出せませんが、幹線道路の合間に織り交ぜると、気分転換になって良い感じです。正月なので、そもそも都内もガランとしています。

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 多摩川大橋を渡り、川崎方面へ。以前、国道駅に行った時に一度ロードで通っておりますが、多摩川を超える瞬間はテンションが上がります。

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 川崎をかすめ、海沿いへ。新子安などを通って横浜方面へクランクを回します。途中、甘いもの補給の休憩などをはさみつつ、2時間くらいでみなとみらいが見えてきました。

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 埋立地の走りやすさは別格。道幅が広く、坂が無く、車も少なめ。都内も全部こんな感じなら最高なのですが……。あまりに走りやすいので、みなとみらいの名所を寄り道でウロウロ。

 仕事でパシフィコ横浜とかたまに行きますし、帆船も観覧車も赤レンガ倉庫も撮影した事がありますが、自転車で乗り付けると、そうしたポイントとポイントを、苦もなくスイーッと移動できるので、車や電車とは違った快適さがあります。

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 しかも愛車があれば被写体にも困らない。

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 ちなみに道中の写真は、以前ミニベロに取り付けていたソニーのアクションカメラを、ロードに移植。静止画のインターバル撮影モードで、旅の行程を10秒おきに自動撮影したものからピックアップしています。膨大な枚数になりますが、「あーここでこんな看板あったなぁ」とか「この坂キツかったなぁ」など、数日経てば記憶から消えそうな些細な出来事を思い出すトリガーになって面白いです。

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 普通は、ビビッと来た景色を前にカメラを取り出しますが、エンドレスで自動撮影していると、「カメラを取り出すほどでもないけど覚えている景色」が残ります。また、「ぶっちゃけ良く見てなかったけど、実は良い感じだった場所」に、後から気付かせてくれたりもします。

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 とかなんとか言いつつ、赤レンガ倉庫まで寄り道をして、予定以上に時間を使ってしまいました。やっぱり横浜はフォトジェニックですな。今度は撮影メインで、ゆっくり自転車でまわりたいと思います。

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 関内を抜け、横須賀や八景島方面へ……。オシャレな横浜の雰囲気が徐々に変化して、緑が多い住宅街になっていきます。

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 都内で自転車に乗っていると、長めのトンネルを通る事はほとんど無いので、トンネルを見るとテンションMAX。いそいそと前後のライトを点灯して、俺はここにいるぞと、自動車にアピールしつつ通りぬけます。

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 横浜で遊びすぎてしまったので、3時間半くらいかかりましたが、とりあえず約50kmの距離にある祖父母宅に到着。

 「あけましておめでとう!! 今日?チャリで来た」(これが言いたかった)


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 昼頃到着したので、しばし休憩したり、せっかく正月だからとレストランで良いモノ食ったりしましたが、あまり何時間もマッタリしていられません。なにせチャリで帰らねばならぬ身。まあ、べつに正月なので夜中になっても良いのですが、できれば日のあるうちに距離を稼ぎたいところ。

 心配そうな祖母の顔を背に東京へ向けて走りだします(おそらく気が狂ってると思われている)。行きは金沢文庫あたりの山っぷりにゲンナリしたので、帰りはより海沿いの道をチョイス。磯子あたりを快適に流して、再びみなとみらいへ。

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 ミニベロ時代の最長到達距離である70km程度まで来ていますが、足の疲労は思ったほどではありません。巡航スピードは笑うほど遅いですが、とにかく無理は禁物。

 これまでの経験から、スピードより、とにかく足に負担のかからない範囲で一定のケイデンスを維持し、しっかり心肺機能を使う事が長距離移動するためのコツだと感じているので、それを信じて実践するのみです。日が暮れてくると気持ちが焦りますが、クルマの運転と同じで、焦るとロクな事にならないと相場が決まってます。

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 85kmを超えたあたりで、「あー足が疲れてきたなぁ」と感じますが、こんなに長時間クランクを回していると、なんか脳と足の神経を自分で断絶できるようになってきて、脳から指令を出さなくても勝手に足が回転。足からの疲労情報は腰あたりで遮断され、脳に届かないという素敵システムが完成されます。これが噂に名高い、俺がガンダムエンジンだ! 状態なのでしょうか。 

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 多摩川にさしかかる頃には空がこんな色に。空が良い色というだけで、停まって写真が撮れるのが自転車旅行の良いところ。ファインダーを覗いている間、隣を凄いスピードでクルマが通りすぎて行くのを感じると、素直にそう思います。

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 行きは第二京浜で多摩川大橋を渡りましたが、「同じ道を二度通るなど言語道断」と鳥坂先輩も言っていたので、帰りは第一京浜の六郷橋をチョイス。すっかり日が暮れてしまいました。

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 その後も適度に休憩を交えつつ、無事に帰宅。なんとか100kmライドを達成できました。撮影して遊んでいたり、なんか食ってる間GPSロガーアプリ止め忘れたりして8時間超えとりますが、実施的には6時間ちょっとくらいでしょうか。消費カロリーも3,000を突破。正月太りに対する良いカウンターパンチになりました。

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 自転車趣味の1つの目標と考えていたので、ログを見つつ、感慨もひとしお。次は150kmだ、200kmだという気持ちもありますが、今度は片道100kmで宿泊とか、輪行で帰宅とかをやりたいところ。とにかく東京から離れた景色に身を置きたいというのが大きな欲求です。

 今回、個人的にロングライドで重要だなぁと感じたのは、ペースの維持や、心の余裕、防寒対策、こまめな補給などですが、もう1つ、冬はマスクが重要。最近は寒いので、自転車用のマスク(目出し帽の下半分みたいなやつ)をして走っているのですが、これがあるとないとでは、喉へのダメージが大違い。幹線道路を長時間走ると、バスやトラックの背後を走らねばならない時間も長く、途中でうがいをしたくなりますが、マスクがあると快適に走れました。

 空気の綺麗な場所なら、こんな心配をしなくても良いのでしょう。とりあえず輪行ができるようになった際には、車の少ない駅からスタートして、より快適な100kmライドを楽しんでみたいっす。次は箱根か、その前に150kmで富士山か……、ゴクリ。