そもそも私が昨年の夏にミニベロを買った理由は、「運動不足解消」が50%、残り50%は「写真撮影でウロウロするのに、自転車を使った輪行が便利なのでは?」と考えたためです。

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 その結果、「確かに撮影には便利だけど、それより自転車面白れえwww」となり、輪行を交えつつのロングライドに挑戦。「もっと長距離を楽に走ってみたい」という欲求が膨らみ、ロードバイク購入に至って100km走ったりしているわけです。本末転倒のように見えますが、目的のために手段が存在するのではなく、手段が目的となる事を趣味と言うので、これは趣味としての正しいトチ狂い方と言えます。写真を撮らずにレンズばっか買ったり、CDかけずにアンプとスピーカーばっかグレードアップしたりするのと同じでしょう。自転車趣味も、乗らずにパーツばっか買い漁る人とかいそうですが。

 ロードバイクに乗るようになって、走行距離は伸びるようになりましたが、ミニベロの時に気軽に使っていた「輪行」という手段が使えなくなり、「家を起点にしたロングライド」という制約に不満も出てくるようになりました。

 そこで、ロード用の輪行袋を用意する事に。

 輪行袋には大きく分けて2つのタイプがあります。1つは前輪と後輪を外して、フレームを立てて収納。コンパクトに収納できるタイプ。もう1つは前輪のみを外すタイプ。前者の代表格はオーストリッチの「L-100」、後者はTIOGAの「コクーン」などです。

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 上画像のように前後を外すタイプは、当然作業に時間がかかりますが、輪行袋としてはコンパクトになるため、可搬性が良く、混雑した電車内でも肩身が狭い思いをせずに済みます。一方、前輪のみを外すタイプは、作業が簡単なのでサッと輪行できるという利点がありますのが、当然ながら”前輪を外しただけの自転車”が袋に収納されるので荷物として巨大になり、乗車率の高い電車に乗せるのは結構気が引けるもののようです。

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 両者に利点と弱点があり、悩ましいところ。個人的にはわりと電車が混雑する都内に住んでいる事もあり、ミニベロでの輪行時ですら「こんなデカイ荷物持って乗り込んですんません」と、少し肩身の狭い思いをした記憶があるので、前輪のみを外すタイプは「ちょっとデカすぎるんじゃないか?」と不安なのが正直なトコロ。

 値段的にはたいしたものではないので両方買っても良いのですが、とりあえず前後輪を外すタイプをチョイス。イロイロと調べて、最終的にはオーストリッチのオーソドックスな「ロード320」と、軽量コンパクトな「L-100」の2モデルに候補を絞りました。

 ロード320の良さは、生地が厚手な事と、外したホイールが、袋の中でフレームと直接当たらないようにする中仕切りがついている事。L-100は、薄手でシンプルな袋ですが、とにかく軽量で小さく畳めるのがポイント。

 実に悩ましい選択なのですが、「ロード320は、中仕切りがある事でフレームとホイールを縛って固定するポイントが少なくなり、逆にホイールが暴れやすくなる」という体験談や、「重量が500gと結構重く、畳んだ後のサイズもかなり大きい。L-100は235gと軽く、畳むとメッセンジャーバッグのちょっとした隙間に入るほど小さくなる事」などを重視。

 特に”重さと小ささ”は、カメラやレンズといった撮影機材もバッグに入れているので重要なファクターです。実際にロード320の袋を手にしてみましたが、ズシッと重く、「これも背中にしょって走るのはちょっとなぁ……」とゲンナリ。最終的に「L-100」を選んでみました。

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 なお、袋だけでなく、フロントとリア用のエンド金具というパーツも必須。さらに、フレームカバーやチェーンカバー、スプロケ用カバーなどもあると良いようです。

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 エンド金具というのは、早い話が、タイヤを外した後の、フロント/リアフォークを補強するための”棒”です。

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 リア用は、単なる棒ではなく、へんな板も付属しています。

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 組み立てるとこんな感じ。なんでこんな形状なのかと言うと……

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 リアに取り付け、袋の中に入れた時に、変速機(写真上の黒いパーツ)が床に直接当たらないようにするためのようです。簡単に言えば、輪行時の”足”ですな。

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 あと、これは不要かもしれませんが、チェーンの油などが輪行袋につきにくくするためのチェーンカバーです。

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 とりあえず前後輪を外して、エンド金具を装着。チェーンカバーを取り付け、基本的な下準備は完了。

 しかし、まだ重要な工程が残っています。

 これからフレームの左右に、前後輪をくくりつけて固定するのですが、その際に、フレームとホイールがぶつかって、フレームに傷がつかないよう、カバーする必要があります。少しの傷は気にしないのであれば不要だと思いますが、まあ買ったばかりの自転車なので、少しでも綺麗にしておきたいというのが正直なところ。余談ですが、100円ショップって鍵とか六角レンチとかベルとか、意外に自転車用グッズが充実していて驚きました。

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 輪行グッズとしてのフレームカバーも存在しますが、値段が高かったり、サイズがマチマチだったりするので、ネットの情報を元に100円ショップへ。玄関マットとかの下に敷く、滑り止めマットというのを買って来ました。

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 触るとモチモチ、ペタペタした不思議な触感のあるマット。滑り止めとして売られているものなので、フレームに巻きつけると、その場でシッカリ止まり、運んでいる時にズレないのだそうです。

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 大きいので適当なサイズにカット。簡単にハサミで切れます。

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 フレームカバーを取り付けた図。かっこいいはずのロードが、鶏ガラに服着せたみたいな、なんともシュールな姿に……(T_T)

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 気を取り直して、フレームの左右にホイールを固定します。

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 固定ベルトは輪行袋に付属しています。

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 なお、輪行袋には、内部にサドルとエンド金具を奥場所も指定されており、このイラストに合わせて設置すればOK。

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 輪行形態トランスフォーム完了!!

 ちなみに、ここまでの所要時間、1時間半!!!

 駅前で袋に入れてる間に
 日wがw暮wれwるwwww


 まあ、写真撮りつつ、説明書読みつつ、すべりどめマットハサミで切りつつ、いろいろやっていたので時間がかかっているわけで、恐らくもう一度同じ作業をやらせたら、大幅に短縮できるでしょう。とはいえ、30分くらいかかるかもしれない……。乗る電車が発車してしまいます。(^^;

 ミニベロでの輪行準備は5分もかからなかったので、「っかー! やっぱ面倒だなぁー」というのが正直な感想。もっと練習すれば、20分くらいでできるようになるかもしれませんが……。

 また、やってみてわかったのが、リアのホイールを着脱する事で、チェーンやスプロケの汚れが手についたり、袋についたり、フレームについたりして、それを掃除する必要が発生するなど、リアホイールの扱いが結構クセモノだなと痛感。この自転車が、例えば購入後、何年も経過していて、「別に汚れても傷だらけになっても気にしないぜ」と言うなら別に良いんですが、汚れが気になってついつい拭きまわってしまう新車時に、リアホイールを外す輪行は向かないかも……なんて。

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 ちなみに、「本当にコレ、必要なのか?」と思いつつフレームに巻いていたすべりどめマットですが、輪行袋に入れて家の中をウロウロして、再び組み上げた途中で目をやったら、こんなに擦れた跡が……。もしこのマットを巻いていなかったら、フレームの塗装が少し禿げていたでしょう。

 というわけで、現在「前輪だけを外した輪行袋」を肩にかつぎ、「外した前輪だけタイヤカバーに入れて、別の荷物として手に持って移動する」って案を検討中。

 いやぁ、ロードな人達が「輪行しようと思ったけど、面倒なので自走で帰りました」とかよく書いていて、「こんだけ走った後で、まだ走るのか!?」と思っていましたが、気持ちがよくわかりました (^^;