木崎湖や秩父など、有名なアニメ聖地巡礼地は多々ありますが、都内の、それもなんでもない住宅街に、ひっそり存在する聖地もあります。


どなたかの家……に見えますが、これはトイレ。確かに、以前はどなたかの家が建っていた場所です。何の作品の聖地かって? マイナーな作品ではありません。むしろ、おそらく日本人なら誰でも知ってる作品。

こいつです。


ここにはかつて、バラが咲き乱れる庭付きの、古い民家があり、宮崎監督にインスピレーションを与えた「トトロの住む家」の1つだったそうです。しかし、残念ながら火災で消失。宮崎監督の提案で、公園に整備されたという経緯があります。

説明板に目を落としていると、一匹の猫が庭に入って行きます。

誘われるように足を踏み入れると、沢山の花が広がり、中央にはジーナが座っていそうなテラス。
住宅街のどまん中なので、風の音しかしません。




写真を撮っていると、俺も写せとばかり割り込んで来るのに、レンズを向けると目線を外す。ふてぶてしいところが「耳すま」のムーンを彷彿とさせます。

井戸見たの何年ぶりだ。

本当に住宅街のどまん中なので、巡礼地というか、観光地感はゼロ。観光地ではなく公園なので当然ですが、遊べる公園というサイズでもなく、やはり”庭”という形容詞が一番ピッタリ合います。学生の頃は好奇心で、社会人になってからは仕事で東小金井のジブリに行った事がありますが、気のせいか、植物と建物の共生具合が、あの周囲の雰囲気に通じるものがあります。三鷹の森ジブリ美術館の騒がしさとも少し違う、風の音を聞きながら文庫本でも読みたくなるような空間でした。