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 昼間のサイクリングも楽しいもんですが、涼しくなった昨今、夜風を感じながらのナイトポタリングは格別。誰もいない街をカメラで切り取ると、写真とは、光と闇をとらえる行為だという基本に立ち返る事ができます。

 そんな夜間撮影の強い味方は、明るいレンズと高感度に強いカメラ。NEX-7のボディキャップ代わりに、ポタリング用につけているフォクトレンダーの「NOKTON classic 35mm F1.4 MC」のように、開放F値が明るいレンズは頼もしい相棒。名前からしてノクトン(Nokton=Nokt=夜)ですから、そもそも夜景を撮ってナンボというタマ。開放で撮影すれば、立体感が強調された、どこか現実離れした光景が切り取られます。

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 最近の高感度に強いデジカメの場合、明るいレンズを使い、RAWで撮影するなら、夜でもかなりのシーンで手持ち撮影が可能になりました。自動で複数枚連写してカメラ内でコンポジット合成してしまう"手持ち夜景モード”も珍しくない機能に。最新では、画像内のオブジェクト分布を解析して必要な部分にだけ強めにノイズリダクションをかけて全体として低ノイズに抑える芸当も可能になっています。

 ハイテクも良いんですが、夜景なんてとどのつまり、”ブレなきゃOK”が基本。なぜ写真がブレるのか、意外にキチンと理解している人は少ないのですが、キチンと説明しようとすると時間がかかるので、わかりやすく例えると、カメラの中に絵を書く人がいて、昼間は元気、夜は瀕死。昼間は白いキャンバスにパパッと写生ができますが、暗くなるとよく見えないのでモッタリモッタリ。まだ描き終わってないのに「かけたー?」と途中でキャンバスをひったくると、絵の具がデラーッと流れたグチャグチャの絵が吐き出されるという理屈。ようするに、ちゃんと描き終わるまでカメラを揺するな、グラグラ動く小部屋の中でゆっくり絵なんか描けるかという話です。

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 理想を言えば、三脚を持ち歩けば良いのですが、チャリだとデカイ三脚を運ぶのは大変。そんな時はコロンブスの卵的発送の転換で、チャリンコを三脚代わりにしてしまいましょう。

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 これはハクバのカメラ用座布団、ざ・ぶとん。ようするに小さな座布団。座布団なので、うまい感じに端っこを折ったりすれば、丸みを帯びたサドルの上でも、カメラを意図する角度で固定できます。あとはリモコンやセルフタイマーでシャッターを切ればOK。人間が触らないので、カメラも揺れません。実は、もっと分厚くて使いやすい"豆袋”も持っていますが、某カメラ誌の限定商品で、今は売ってないので参考にならないので割愛。



 もちろん、近くをダンプカーが通ったりすると、自転車ごと揺れますのでそこらへんはタイミングを見て。

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 こんなのも使えます。マンフロットの超小型三脚。三脚というよりも、薄い雲台にしか見えませんが、折りたたまれているパーツを展開すると、

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 こんなカタチになります。ゴム足もついていて、パーツの開き具合を調整すると、カメラを好きな角度で固定できるというシロモノ。 

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 カメラの三脚穴につけるとこんな感じ。サイズを見ればわかると思いますが、コンデジやミラーレス向けの器具で、ヘビー級のデジタル一眼レフだと、足が耐えられずにペタンとなってしまいます。

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 なんか転げ落ちそうに見えますが、意外に安定しており、強風でも吹かない限りなんとかなるもんです。ただ、座布団もミニ三脚も同じですが、カメラのストラップを手で掴んでおくなど、"転げ落ちる事が前提の予防策”の上での撮影をお願いします。落っこちて壊れても責任はとれません。あくまで自己責任で。もちろん、チャリごと倒れても洒落にならないので、そんへんもご注意を。

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 使わない時は、畳んでおけば邪魔になりません。



 というわけで、普通は

 撮影ポイントに到着→三脚を展開→カメラを設置→撮影→三脚を収納→次に移動

 という流れですが、チャリ三脚代用の場合は撮影ポイントに到着したら、ポケットから座布団出して、カメラ乗せて撮影。終わればポケットに座布団突っ込んで次へ……と圧倒的にスピーディー。まあ、サドルの高さや向きを撮影に良い感じに調節する手間はちょっとかかりますがw

 サドルの高さからでは撮影できない場合はどうするかという話ですが、そんな時は郵便ポストでも、平らな手すりでも、周囲にある良い感じの高さのものに座布団敷けばOK。その場にあるものを活用して上手く撮影するというのも、立派な撮影技術の一つだと思っています。

 おまけで、ナイトポタリングの必需品のライト関係装備を紹介。自転車買った時に、店員さんに勧められて、言われるがままに買ったものですが、定番だけあり良い感じ。テールランプはUSB充電が可能なタイプ。かなり明るいです。ゴムバンドで取り付けるので、折りたたみ自転車でサドルの上げ下げが多い人には使いやすいです。

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 フロントライトはキャットアイのスタンダードなLEDライト。自転車ボディに合わせて赤をチョイス。こちらも都内でウロウロするぶんには十分な性能ですが、最近はGENTOSの閃シリーズが気になるところ。別に閃ブレード作ってAKB劇場でオタ芸やろうってんじゃないんですが、無駄に2台くらい搭載して、暗い田舎道を走ってみたいなぁと。

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