毎日ノートPCとデジカメを持ち歩く仕事をしているので、ノートPCは2年くらいで使い潰します。バッテリがヘタる、液晶のバックライトがヘタる、HDDがヘタる、スペックが古臭くなる、キーボードが擦り切れてペカペカになる、打ち過ぎてモゲル、全体的に汚くなるなどなど、理由は様々。

 バッテリ交換、HDDデフラグ or 換装、SSDに換装など、延命策はいろいろあり、改造が簡単なThinkPadなどを選ぶのもそうした理由ですが、交換時期にいろいろ考えてると、「ま、新型買えばいいや」となるのが大人の特権。アキバのジャンク屋で泥だらけのノートPCを漁っていた高校時代の自分が見ていたら殴られそうです。
 
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 記憶が鮮明な範囲(=部屋に転がっているので辿れる範囲)で遡ると、ここ数年はレッツノート→レッツノート→ThinkPad→ThinkPad→ ThinkPad という遍歴。間にCrusoe採用超薄型ノートとか、珍妙なモノを何個か買った気がしますが、売ったりあげたりして、手元には残っていません。 

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 そして今回の新マシン。話題の(?)Ultrabookにしてみました。モデルはASUSのZENBOOK Prime UX21A(UX21A-K1256)。これまで、レッツノート/ThinkPadと、“鉄板”ばかりを渡り歩き、「次はVAIO Z行くの?」とも言われ、実際に型落ち10万円で売っていたVAIO Zと悩みましたが、「一度くらいUltrabookを使ってみるか」という欲求が勝りました。

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 百花繚乱のUltrabookですが、モバイルノートは手帳やカバン、靴のような感覚で日々使うものなので、使い方のイメージをしっかり持ってフィルタリングすると選びやすいと思います。個人的必須条件は「1.2kg以下」、「11~12インチ程度。13~14インチ台は不可」、「バッテリ持ちは4時間以上」、「HDMI出力付き」、「予算は10万をちょい越えるくらいが限度」など。

 11インチと言えばサブノート的な存在ですが、カメラバッグの隙間に入れるので、この程度のサイズが理想。同様に軽さも重要。標準レンズやフラッシュ込みで2kgを越えるカメラと、1本1kg余裕であるようなレンズを何本も持ち歩く事もあるので、軽ければ軽いほど歓迎。願わくば反重力で浮いてくれても構わないという心境です。

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 購入候補のライバルとしては、詳細発表前の「VAIO T」 や、超軽量のNEC「LaVie Z」などがありましたが、VAIO T は超絶中途半端なスペックかつ割高で、「VAIO ZがあるからUltrabookやる気ないんじゃないのこれ」という仕様でガッカリ。LaVie Zは13.3型オンリーで私のニーズからは大きく、鬼のような軽さは魅力ですが、高スペックを選ぶとかなり高価になる……などなど不満点が。

 それにしても、薄くて持ち運びが手軽にでき、それでいてそれなりにパワフルというIntel様のUltrabookの流れにおいて、画面サイズ13.3とか14インチばっかり作るメーカーはアホですか。“薄くて小さい”から持ち運びやすいのであって、“薄くてデカイ”だったら持ち運びにくくて意味ないだろと。外人のバカ体力&車移動ならば、それでも十分モバイルなのかもしれませんが、だったら日本メーカーは小型化してかないと差別化できないじゃないかと。

 そんなわけで、ZENBOOK Prime UX21Aを選んだ理由は、第1に11.6型なのにIPSのフルHDディスプレイを採用したという変態仕様。第2にMacBook Airもどきのデザインは従来モデルを踏襲していますが、前モデルでイロイロ言われていたヒンジの弱さや、キーボードのたわみ、SSDの遅さなどの弱点を無難につぶしてきた完成度。第3に、11.6型なのにCPUはCore i7 3517U、SSDが何故か256GBと、妙にハイスペックな部分があること…など。それにしては値段も抑えてるとは思います(数ヵ月待てば10万切りそうですけど)。 

 Ultrabookの購入を検討して、スペック比較をした人はわかると思いますが、各社バカみたいに横並びで同じスペックになっており、価格は下がっていきますが、ハードウェアとしての個性はあまりない状況。そんなどんぐりの背比べの中に、1機種変態スペックが混じっていると、「おもしれえじゃん買うわ」となったわけです。

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 梱包や付属のケースなどは洗練されていて、収納配置も合理的。Apple製品のような雰囲気を漂わせていて、台湾メーカーのPCも完成度高くなったなぁと感心しながら開封。日本メーカーのアドバンテージが失われていくようで寂しくもあります。 (レノボ合弁の)NECは凄く頑張ってますが、ソニーや東芝、富士通にも、もう少し特徴のある製品を出して欲しいところ。特に、一番こういうのが得意であろうソニーに頑張って欲しいです。

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 昔のノートと比べると、比べるのも馬鹿らしいほど薄くなりました。もはやノートPCと言うより、”斧の刃”とか、“金属の板”を持っているような感じ。金属素材なので剛性は高く、安心感はあります。しかし同時に「素足の上に、縦向きに落としたら洒落にならんだろうな」という恐怖も。

 SSD+HDDのハイブリッドではなく、純粋SSDなので、iPadなどと同様に、動作時に多少手荒く扱っても平気。薄型化したボディの取り回しの良さとマッチしているところです。当然休止やスリープからの復帰、単純な再起動も爆速。くしゃみしてる間に起動します。家のタワーPCも起動ドライブはSSD化しましたが、もはやCドライブはSSD以外考えられません。ガリゴリHDDでまだ頑張っている人は、本気で騙されたと思ってSSDにした方が良いです。「デスクトップはHDDでいいでしょ」という人も、特にゲーマーならロードも爆速なSSDにしない手はありません。

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 液晶はIPSだけあり、視野角は広く、色かぶり、転び、反転は少ないです。SSD化の恩恵で、寝転がったり、妙な角度で使う機会もあるので嬉しいポイント。11インチでフルHDですと、文字はかなり小さいですが、慣れればどうという事もないですし、気になるならWIndows 7全体のフォント表示サイズを変えればいいだけ。ブラウザのフォントサイズも自由に変えられる世の中なので、フルHD解像度の作業スペースの広さが、屋外でも使える快適さの方が恩恵が強いと思います。

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 放熱関係やキーボードの長時間使用時の打ち心地など、細かい部分は今後検証。買ったのは先週末なんですが、時間がなくて環境移行がまだ終わっておりません。

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 キーボードバックライトも装備。暗い取材会場などでバリバリ書かないといけない事も多いので、個人的には必須の機能。輝度調整も可能。ThinkPad時代は液晶上部にLEDライトがついてましたが、やっぱキーボードバックライトの方がカッコイイっすな。