私が学生服でうろついていた頃の秋葉原では、食べるものと言えば「牛丼サンボ」と「かんだ食堂」、「肉の万世」くらいしかありませんでしたが、最近ではレストラン街やラーメン屋などが多数出展。メイドカフェも入れてしまえば、食べ物に困る街ではなくなりました。

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 美味しい店、オシャレな店、いろいろありますが、板についた“秋葉原らしい店”というのは意外に少ないです。メイドカフェも秋葉原らしいんですが、なんというか、お店として板についていないというか、本当の意味で街に溶け込んでいないというか、いつまでたっても学園祭の出し物的な雰囲気から脱していないように見えます。まあ、あれだけ数があるのは、ニーズがあるからなんですけども。

 ”秋葉原らしい店”の個人的な条件は1つで、“合理的である事”。自作オーディオやPCパーツを物色しながら、その合間に男が手早く、なおかつ安価にカロリーを摂取できる場所が求められてきた歴史があり、その合理性にマッチしたお店こそ、“秋葉原らしい飲食店”だと感じます。オープンして4年程度の、比較的新しいお店ですが、お昼はチャーハン専門店として営業している「KIICHI」も気に入っている店の1つです。

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 アイマスのポスターやら、同人誌即売会のチラシやらで埋め尽くされ、店舗のオリジナルキャラクターが乱れ咲く店内を見ると、「どこがストイックな男の合理的な食事処なんだよ」と言われそうですが、なんというかですね、このお店は、そうした装飾が板についているというか、「オタ客を集めるために貼っている」のではなく、「単に好きで貼りまくっている」感じがするのです。有り体に言えば、“オタ搾取目当てで作られた店”ではなく、”チャーハンを作るのがやたらと上手いオタの部屋に呼ばれた” 感じ。違いわかりますかね。

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 出すものがチャーハン、サイドメニューでスープ代わりのミニラーメンというのも、この街を根城にしている野郎共の本音をわかっているなと。好きでしょ? チャーハン。オレ超好き。味がするから。そういや最近、ケチャップと粉チーズでこねくりまわしたナポリタン専門店もできてますね。健康診断を前に殺されそうだ。

 500円の日替わりセットや、800円のちょっと豪華やつなど、いろいろあり、何種類か食べましたが、やっぱりベーシックな五目チャーハンが好きです(今回の写真は焼豚チャーハン)。あんかけチャーハンもスタートするようなので、興味深々。ただ、あまり凝ったものや、豪華な方向に進化し過ぎるのもちょっと違うかなという気もします。

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 名のある中華料理屋の豪華なチャーハンと比べて、どちらが美味しいのかとか、そういう感じではなく、あくまでこのチープさが良いのです。「蒲焼さん太郎」と、老舗の「うな重」どっちが美味いんだと言われると困るのと同じです。

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 パラパラなのが良いですな。家で作る時は、卵に最初からご飯をからめてスタートすると楽です。 

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 サイドメニューのミニラーメンは塩麺がシンプルで良い感じ。

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 閉店かよ!!

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 今後はまだ発表されていませんが、場所を移して継続して欲しいですな……。遠方から夏にアキバに行くという人がいたら、閉店前にどうぞ。夏、アキバ、チャーハン。このブサイクさ(最上級の褒め言葉)がたまりません。 

 雁川も肉まみれで頑張ってらっしゃいます。

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