ミリタリー用語で「アクティブディフェンス」というのがある。
機動防御とか攻性防御と言う意味で、攻殻機動隊の"攻性防壁”とはちと違う。
簡単に言えば「やられる前にやっちまえば、裸でもよくね?」という意味で(嘘)、
カッコ良く言うと"攻撃される前に敵を発見する能力”と"攻撃される前に叩き潰す能力”があれば、"敵の攻撃をまともに受けるより、結果として防御効率が上がる”という考え方だ。

実際の流れは、敵を早期発見し、スマート爆弾をプレゼントしたり、
機甲師団が駆けつけて粉砕したりする。
工作船に体当たりされたり、RPGぶっぱなされて慌てたり、ソマリアの海賊相手に撃っていいかどうか議論するどこぞの島国にも欲しいドクトリンだ。

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【これ使えよな】

歩兵オンリーのAVAでアクティブディフェンスも糞もないだが、護衛をプレイしていると"アクティブディフェンス的考え方”が有効だと思うシーンが幾つかある。
例えば「BURNING TEMPLE」の前半。

崩れた建物の隙間や窓からRPGを撃たれるマップだが、
面白い事にRPG職人はかなりの確率で、皆同じ場所からRPGを撃ってくる。

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【第一RPG発射ポイント】

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【撃つ側から見るとこんな感じ】

一方の護衛側、特に初心者に多いのが、戦車を盾として扱い、
戦車の陰に隠れたまま、ジリジリを歩を進めるプレーヤー。
戦車を前進させるためには重要な行為だが、それ以上の役には立たないし、直上で爆発するようグレネードを遠投してくる輩に殺されるのは腹立たしい。

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そんな時は、ジリジリ歩きながらほんの少しだけ顔を出し、
RPGを撃ってくる奴が顔を出す“窓”に照準を合わせると良い。
その位置を覚えたら、また戦車に隠れて、またちょっと顔を出して照準を合わせて……
を繰り返すとベターだ。

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【戦車の影に隠れつつ、第一RPG発射ポイントを狙う】

狙撃される心配がなさそうなら、顔を出したまま照準を合わせ続け、敵が次の瞬間に出てくると決めつけて“見越し発砲”してもいい。最近の銃はしゃがんで撃つと鬼のような集弾性能を誇るので、運が良ければRPGを撃とうとした敵の眉間を打ち抜けるハズだ。

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【第2発射ポイントの小窓。敵側から】

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【戦車が角を曲がる頃には、隠れながらでも十分射程範囲内となる左の穴から敵兵が来る可能性があるのでスモークで塞いでおくのも手だ】

壁の色や窓の形状を目安に、敵の頭の位置を覚えたり、
戦車がRPGを1発食らったのなら、敵がRPGをリロードする時間を数えてから戦車の陰から顔を出し、ヘッドショットを狙うなどすれば、敵にとって"厄介なプレーヤー”になれそうだ。

また、時折顔を出す事で敵の状況を把握できるようになり、RPGを地面にぶち当てられて死にましたとか、"しゃがんでたら背中撃たれて死んじまった”的な失敗も減るような気がする。減ったらいいな。

このゲームにM60などの軽機関銃(いわゆる分隊支援火器)があれば、敵が出てくる窓や穴に向かってエンドレスに弾丸を撃ち込み続けて弾幕を張り、"RPG撃ちたいんですが窓から顔を出せません”という状況も作れるのだろうが、そこまで弾が持たないので予測射撃が必要になる。

……そう言えば戦車にMG3っぽい機関銃がついていた気がする。あれで制圧射撃ができるな。ただ、敵のRPGが発射されてしまうとこっちが即死というアンビリバボーな仕様なのであまり意味はないだろう。

要するに、"殺られる前に殺れ”というだけの話なのだが。