DSC00446-Edit

 ロードバイクを買ったばかりの頃は、週末になるたび「あの峠を走ってみたい」「ブログで見たあの坂に挑戦してみたい」とワクワクするもの。けれど、数年が経過すると、自走や輪行1時間程度で行ける場所は走り尽くし、新鮮味が薄れてきます。「ロードを買って世界が広がった」と人は言いますが、物語はそこで終わりではなく、「広がった世界で何をするか」を問われる日が来るのです。

DSC00204

 渋峠や乗鞍のような場所であれば「何度も行きたいな」と思いますが、そこらへんの峠は景色もそれなり。ついつい「一度行ったからもういいよ」と言いたくなるもの。きっと行けばそれなりに楽しく、天候や季節の違いで新しい景色が見つかるのかもしれませんが、ウェアに着替えて玄関をあける面倒さに打ち勝てるほど、強い動機にもなりません。

 世間では、ロード乗りたての友達を作って案内してあげるとか、タイムを計測して“速くなる”というモチベをプラスするとか、峠の先にあるカフェで昼食を食べる事を習慣にするとか、いろいろな手法で“マンネリの打破”に挑む人もいるようです。でも、友達作れないコミュ障だし、速さに興味ないし、美味しい昼飯は街のお店でも食べられるし……。

DSC00827

 話は変わりますが、先日フィギュアが届きました。「メイドインアビス」という、簡単に言うと「はじめてのおつかい:地獄篇」のようなアニメ(AmazonPrimeやNetflixなどで配信中/原作は漫画)に登場する、“ナナチ”というキャラクター。作品を知らない人は人間なのか、ケモノなのか、妖精なのか、よくわからないですが、要するにモフモフしたかわいいキャラクターです。

 「メイドインアビス」の「アビス」は、「地底」とか「地の底」を意味します。南の海に浮かぶ小島の真ん中に発見された、直径約1,000mもある巨大な穴。深すぎて中がどうなっているのか、どこまで深いのか、だれもわからない危険な大穴に魅了され、命と引き換えにその謎に迫る人間達の物語。その深淵で主人公達の前に現れ、癒やしをくれるのが“ナナチ”です。


 届いたフィギュアのナナチは、たいそう可愛いのですが、困った事が。家の中で撮影しても、背景がフローリングやソファではまったく“冒険感”が出ない。

DSC00837

 近所の公園に行っても“人智のおよばない神秘的な世界感”を出すのは難しそう。ならば本当の秘境に行って撮影すればいいのではないか。

 ここでロードの経験が活きてきます。なにせ、人のいない峠ばかりを選んで登ってきた自転車人生。「ここどこだよ」みたいな山奥の景色は、飽きるほど見てきました。

 近いところでは、奥多摩、相模原、飯能方面。“地底っぽい風景”と言えば、洞窟、トンネル、滝など。奥多摩の神戸岩あたりがいいのでは? と考えていたところ、その手前にある“払沢の滝”(ほっさわのたき)が、冬は凍りついて神秘的になるという情報が。まさにおあつらえ向きではないか!!

DSC00452
 (こんな風になるらしい)

続きを読む