しおいんですけど

　Twitterで知りあいになったロード初心者のえりかさん。昨年、彼女の納車タイミングを見計らい、「ヒャッハー! ロード乗り方講座の押し売り兼、初の江戸川襲撃じゃー!」と、探検隊で東京横断したのはレポートした通り。

　そして先日の日曜日に、今度はえりかさんが輪行で、探検隊のホームグラウンドである西東京に来てくれる事に。かくして“西東京案内ライド”の開催が決定!!

　「オレも参加せねば」と思っていたのですが、実はその前日の土曜日に、ヒルクラてんこ盛りの吐血ライドに拉致されており、土曜日の夜の段階で満身創痍状態でした。

　ドリフのコントみたいな動き方で、風呂&食事&撮影写真の現像&参加者に送信などを行ない、「明日は起きられる気がしない」と思いながら、深夜1時くらいに就寝気絶。奇跡的に6時過ぎの目覚ましで覚醒。幸い、体に強い痛みはなく、軽度の筋肉痛で済んでいますが、疲労から来る全体的なダルさは抜けきっておらず……。ただ、それでも乗れて走れてしまうのが“楽なスポーツ”でもあるロードバイクの魅力です。

　とりあえずキンと冷えた早朝の街を、2日連続BCに向かって出発! ちなみに、前日にドコに行ってたんだって話ですが、結構アルティメットな感じで長くなりそうなので後日にレポする予定です。今回は先に、日曜日のレポートをお届けしようという趣旨です。

　疲れが影響してスピードが出ませんが、昨日のライドで、へまさん & ゆっけさんと

今日は疲れたけど、明日は起きれたらちゃんとえりかさん歓迎ライドに参加しよう

　と約束した手前、遅刻するわけにもいきません。青梅街道をバスを風よけにして疾走し、なんとか武蔵境BCに到着。流石はへまさん、私より先にキッチリ到着しています。

　……そしてもちろん

そして、禁煙宣言をした数日後にパンク2連発でアッサリ宣言撤回。その後、「皆が見たあれは幻だった」と言い張って飴を舐めて我慢して禁煙再開を高らかに宣言した人が、私の目の前で、当然のように一服しながらくつろいでいるわけですが、これはどういう事なんでしょうか。

これタバコ吸ってるように見えるでしょ? 大丈夫、ケムリを肺には入れてないから

　無事にBCまで到着していたえりかさんも交え、総勢10人でワイワイやりつつ、とりあえず出発。まずは小金井公園前の走りやすい道を、のんびり25km巡航。疲れた体に優しい速度です。

　ヒルクライムを少しでも楽にしようと、トレーニング……ではなく、自転車の軽量化計画をコソコソ実施中。トップチューブバッグを取り外したのは、以前レポートした通りですが、最近はツール缶の中身も見直し。「これは流石にいらないだろ」というモノを抜いて、少しでも軽くしています。

　そんな事をしていると気になってくるのがサドルバッグの存在。以前から、トピークの「ウェッジ ドライバッグ」のMサイズを使っているのですが、「普段のライドにはちょっと大きいかも……」と思うようになりました。
 

　ウェッジ ドライバッグを選んだ理由は、ロード購入直後、とにかくロングライドに憧れていたため、「沢山荷物が入って、雨が降ってきても中身が濡れないバッグがいいな」と考えた結果。

　しかし、実際使ってみると、雨に降られる事はほとんど無く。収納する荷物も、ツール缶や背中のポケットなどに分散できるため、それほど大きなサドルバッグはいらないシーンが大半でした。
 

　泊まりがけのライドでは、もちろん荷物が増えますが、その際はリュックを装備するのでサドルバッグに入れるものが劇的に増えはしません。もし、サドルバッグに輪行袋が入れられるのであれば、大型バッグにも意味が出てきますが、通常のライドで輪行袋を常に携帯する必要もなく……そんなこんなで、ミドルサイズのサドルバッグが、なんだか中途半端な存在に思えてきたのです。

　もう1つ、ミドルサイズゆえ、気になっていたのは“シルエットへの影響”。トップチューブバッグを外した時にも書いたのですが、ロードバイクの大きな魅力は無駄の無いフォルムの美しさ。写真の被写体としてもロードバイクを活用しているので、美しいフォルムにゴテゴテといろいろなものがくっついていると、洗練されたラインが崩れるなぁと感じていました。……まあ、逆に装備が沢山ついていると、"ロングライドの実戦で磨かれた装備”って感じがして、ワイルドでカッコイイという意見もあるのですが。
 

　ウェッジ ドライバッグは、後方に向かってビョンと伸びるタイプのバッグではなく、シートポストに沿うように下へと伸びる形状。収まりは良いのですが、フレームからスッと延びているシートポストの美しいラインが見えなくなってしまうという問題があります。

　そこで、普段のライドの用に小さめのサドルバッグ購入を決意。

　条件として考えたのは、以下の3点です。

　3番目の“オルトリーブ”はドイツのメーカー。良い意味で飾り気の無い、自転車用の各種バッグを手掛けていますが、その質実剛健っぽい感じがドイツっぽくて( ・∀・)ｲｲ!! ドイツ製大好き!! もちろん完全防水。ブルベ参加者にも愛用者が多いと聞く、私にとって憧れのブランドです。
 

　という事で、“オルトリーブで小さめで、ハードパーツで固定するタイプのサドルバッグ”を探した結果、「サドルバッグマイクロ」ってのを確保してきました。

　憧れがどうとか言ってますが、値段的には約3,000円と、騒ぐほどの金額ではありません。「こんなに小さいと何も入らなそうだけど、ま、失敗してもいいや」という軽い気持ちで買ってきました。

　しかし、いざチューブや工具を突っ込んでみるとビックリ!!
 

　なんと、交換用チューブ×2本、チェーン切りもついたマルチツール×1個、タイヤレバー×3本、ワイヤータイプの鍵×1本、阿蘇神社の自転車安全お守り、PINARELLO乗りの精神的な支柱・鳴子師匠が、全部この小さなバッグの中に入ってしまいました。まさかチューブが2本入るとは……。これだけ入れば、ロングライドでも十分対応できそうです。
 

　ちなみにチューブはサランラップで巻いてます。中で擦れて穴があくのを防止するアイデア

　収納力が高いのは、空け口の部分が、折りたたんでゴムバンドで留める仕様になっているため。チャックなどと比べ、中身が増えて変形した場合でも、ある程度柔軟に追従でき、“ちょっと無理して中身を詰め込んでもなんとか口が閉じられる”わけです。
 

　サドルの下のレール部分に固定する際は、付属のハードパーツをネジ止めし、そこにサドルバッグの留め具をカチャッとハメる形式。走行中にブレず、長時間自転車から離れる時には簡単にバッグごと外せ、かなり機能的です。





 

　おー、なかなか良いカンジ。
 

　中身を目一杯詰め込んでも、薄型のバッグ形状が崩れる事はないので、シートポストのシルエットをあまり邪魔しません。次は、シートポストについてるボンベやリアライトを、もう少しスッキリ配置したいなぁ……。




 

　前回までのあらすじ

　境川をジェラート食いつつ走ったら江ノ島ついた(走馬灯終了)。

　目的地についた後は、帰る事を考えねばなりません。

　境川をズドンと北に戻ると、町田や国分寺などの方角になるのですが、もともと私の家は、それよりもだいぶ都心寄りにあります。つまり、方角的には境川を戻るより、横浜経由の方がシンプルなのです。

　しかし、自動車の運転と違い、ローディーにとっては“道の走りやすさ”がかなり重要事項。車と信号だらけの都会の道路より、気楽に走れるサイクリングロードの方が疲労が少なく、少し遠回りになったとしても結果的に速く目的地に到達できる事は多々あります。言わば、“ロードバイクの高速道路”のような存在です。

　また、横浜経由での東京帰還ルートは、何を隠そう、私が2年前に初めて100kmライドを完遂したルート(八景島近くの婆ちゃんの家へ自走で往復した)や、しおいんですけどロードバイク部2軍とハンバーガー食いに行った時のコースと重複します。どちらも、それなりに大変だった記憶がよみがえります。

　しかし、私もあれから少しはロングライドに慣れましたし、皆でトレインを組めば、一人の時とは次元の違う速度で走れます。なにより、今日のライドは平地ばかりなので、少し時間はかかっても、まぁなんとかなるだろう……。

　そんな気楽さで、横浜経由での帰還を選択。境川を戻る、けるさん、ゆっけさん、寿司屋さん、ちまちまさん、キルハさんと別れを告げ、残りのメンバーは江ノ島から鎌倉の鶴岡八幡宮を目指して海岸線を走り始めました。